日本語教師は生涯続ける職業か?
日本語教師養成講座講師のみなさん、こんにちは。
最近、衝撃的なことを知りました。
養成講座で私のクラスに出ているほとんどの人は、日本語教師を生涯続けるつもりはないと。
もちろん、日本語教師の待遇の問題や、就業場所が(オンライン日本語学習が進んでいるとはいえ、全国各地にふんだんに日本語学校があるわけではないので)ある程度限定されることなど色々な要因はあります。または、まだ現場に立っているわけではないのもその理由としてはあげられると思います。
でもそんなに将来性がないというか、不安を感じていることに気づいていませんでした。
別の角度から考えると、養成講座自体が始まったのが1985年ですから、もし大学を卒業すると同時に、養成講座をでて、すぐ日本語教師になった人がいたとしたら、来年くらいにやっと定年を迎えるということになります。そういう意味で、生涯を日本語教師に捧げたロールモデルがまだないことも影響しているようにも思います(大学の先生になった人はカウントしないでおきましょう)。別の言い方をすれば、新卒で会社に入って、定年まで勤め上げるというようなことが想像できない業界だと見ているようです。
もちろん、日本語教師を経験して次のステップに行くことは人生の中の選択ですからそれはそれで良いのだと思います。しかし、業界全体として見ると、この状態は結局すでに議論されているのだと思いますが、日本語教師の専門性の向上や安定的な確保という点では非常に厳しい状況にあると言えます(試験や資格の厳格化を進めても、それに見合う価値が見出せなければ、むしろ間口を狭めてしまう可能性すらあります)。
また、日本語教師といっても、日本語を教える仕事に関心があっても、生活指導や進路指導には関心がないということも少し見えて来ました。
この状態が続けば、というよりもうすでに、日本語教育に意欲のある人が薄給激務に耐えながら、新人日本語教師を育てるにも関わらず、育ったらいなくなって、また一からということになっているのではないでしょうか?中心的な役割を担う人々が、ある意味消費され、消耗していくという現状になってはいないでしょうか?
今日のところ、解決策も何も思いつきませんが、危機感だけは胸に刻んでおきたいと思います。エポケーーーーー。