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第32話:大人の社交場、BAR とカクテルのお話②

 ということで、前回に続いてカクテルの解説をしていきますね!

ニコラシカ:カクテル言葉「決心」、「覚悟を決める」

 
リキュール・グラスの中にはブランデー。グラスの上にはスライスしたレモンと、さらにその上にてんこもりの砂糖、それがこのカクテルの見た目なのです。さあ、このカクテル、一体どうやって飲むんだろう? と思ってしまうような飲み物ですw

ニコラシカ(wikipediaより引用)

 じつは、一応の味方にご作法があって、まずレモンで砂糖を包むようにして口の中に入れて噛み、甘酸っぱさが口の中に広がったところでブランデーを流し込むというのが正しいみたいです。こうすることによって口当たりがとてもよくなるとのこと。

 ま、でも、普通はわからないですよね。彼女との初デートで、イキってこのカクテルを飲むとトンデモナイ目に会ってしまうという訳ですw

 ちなみに発祥はハンバーグのふるさと、ドイツのハンブルグです。

バカルディー
 
「バカルディー」とは、中南米に蒸留所を持つ名門のラムメーカーです。1933年にアメリカの禁酒法廃止をきっかけに、自社製品のラムを売り出そうとしてこのカクテルを作り出したのが始まりです。だから、このカクテルは、バカルディー・ラムを使用したことを瓶等にちゃんと明示していたんです。

 でも、とある時、バカルディー以外のラムを使ってこのカクテルを作って出したバーをお客が訴えたのです。さすが、アメリカw って感じですが、その判決もまぁ凄い。

 こんな酒場のどうでもいいことについて起きた裁判は、もつてにもつれて、結局、ニューヨーク高裁までもつれ込み、出された判決は「バカルディー・カクテルはバカルディー・ラムで作らなければならない」というものになりました。

 ま、そんな話題性もあって、このカクテルは瞬く間に世界中に広まり、人気を集めることになりました。以来バカルディーを名乗るカクテルには必ずバカルディー社のラムを使うことになっています。

 ちなみに他のラムを使った場合は「ピンク・ダイキリ」と呼ばれています。

マルガリータ:カクテル言葉「悲恋」

 女性の名のついたカクテル。なんか意味深ですねw

 じつはこのカクテル、1949 年の全米カクテルコンテストの優勝作品です。考案者はロサンゼルスのバーテンダー。「マルガリータ」とは狩猟中に流れ弾に当たって亡くなった彼の若き日の恋人の名だそうです。

マルガリータ(wikipediaより引用)

 このバーテンダーは、メキシコ生まれの彼女をしのび、テキーラベースのカクテルを作って彼女の名をつけたといいます。ちなみにメキシコでは、まず塩をなめ、レモンをかじってからテキーラを飲むのが一般的だそうです。うーん、私はこのの味方でマルガリータを飲んだことがないので、国それぞれで作法が違うみたいですね。

 ま、恋人のために作ったということろが、なんというか遠い日の恋を思い出させる、ちょっぴり塩辛い、恋のカクテルって感じがしていいですよね!

マンハッタン:カクテル言葉「切ない恋心」

 「カクテルの女王」といわれるカクテルがこのマンハッタン。あのイギリスの首相チャーチルのお母さんがニューヨークのクラブ・マンハッタンで夜会を盛り上げるために作ったのがなりそめとか、メリーランド州のバーテンダーが傷ついたガンマンの気付のために作ったのがなりそめとか、色々説のある魅惑のカクテルです。

マンハッタン(wikipediaより引用)

 さてこの「マンハッタン」という単語、というか地名なのですが、じつはネイティブアメリカンの言葉で「酔っ払い」をという意味です。というのもこのマンハッタン、ネイティブアメリカンの酋長がオランダ人に散々酒を飲まされて、所有していた島をたったの24ドルで売ってしまったという逸話があるのです。そして、翌日酔いからさめた酋長は「おれはあの時、マンハッタン(酔っ払い)だった!」といって悔しがったとか・・・・。そう、これが、今のニューヨークがあるマンハッタンの由来ですw

 てことで、こんな失敗の名前が付けられているこのカクテル。その由来の通り、アルコール度数は高めです。くれぐれもマンハッタンを飲みすぎてマンハッタンにならないように気をつけてくださいね。

モスコ・ミュール:カクテル言葉仲直り

 酒メーカーが、自社の製品を売り出すために新たなカクテルを作り出すというのはよくある話ですが、その中でも、このカクテルのデビュー時のエピソードはちょっと変わっています。

モスコ・ミュール(wikipediaより引用)

 第二次大戦後、アメリカではウィスキーとジンばかりが飲まれていたのですが、そこへなんとかウォッカを広めようとしていたのがウォッカのメーカー・ヒューブラインの社長・マーティン。彼はちょうど同じ頃イギリスのジンジャー・ビアーを普及させようとしていた旧友のモーガンとともにこのカクテルを作り出しました。

 次にマーティンは、ポラロイドカメラを持って高級カクテルラウンジを回り、それぞれでバーテンがモスコー・ミュールを持っている写真を2枚ずつ撮り、1 枚をバーテンに、もう1 枚を持って次の店に行き「ほら、こんなに流行っているのですよ!」と言って、 さもそのカクテルが流行っているかのように思わせたのです。

 ま、このマーケティングは大成功して、モスコ・ミュールが世界中に流行っていくのですが、この「ミュール」という言葉、「頑固者」、「強情っぱり」という意味もあります。酒を飲み過ぎたとしても、あまりワガママを言わないようにしてくださいね。

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