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彼氏にキレてる最中の顔をスターツアーズで晒された話

ディズニーランドの「スターツアーズ」は、映画『STAR WARS』がモチーフのアトラクションである。

30〜50人ぐらいの客が着席し、スターウォーズの映像を見ながら座席ごと揺すられ、宇宙船で宇宙空間を疾走しているかのような気分を味わえる。
映像は以前は1種類だったと記憶しているが、数年前のリニューアルによって、バリエーションがかなり増えた。ディズニーランドにたまに行くぐらいでは、制覇するのは難しいほどの数だという。

以前、彼氏とディズニーランドへ行った時もここへ立ち寄った。パークに訪れた際は必ず行くアトラクションの一つだ。

しかし私はこの時、イライラしていた。
彼とは職場恋愛で周囲に交際を隠していたのだが、彼は彼女そのものがいないことにしていたためフリーだと思ってアプローチしてくる女性社員がいたのだ。
ディズニーランドとは全く関係がないことだが、パーク内でその人の話題になって、ベタベタ触ってくる光景を思い出した。思い出し怒りである。
思い出し怒りがめんどくさいやつだとわかっちゃいるのだけど、無性にイライラした。その女性に対してもだが、彼氏に対しては「彼女がいる」ぐらいのことは言っとけよ、と思っていた。だがこの件では一度既に揉めているので、再び掘り返すこともできない。

そんな心境のままスターツアーズにインした。ヨーダもさぞ迷惑だっただろう。彼氏はなんとなく雰囲気が悪いことに気づいていたと思う。お互い無言のままアトラクションが開始した。

このアトラクションでは動き出す直前に、その時来ている客の顔を勝手に撮影して「スパイが紛れ込んでいるぞ!こいつだ!」とみんなの前で晒すというサービスがある。
大抵は写真を使われると「私だー!」とか「これお前じゃん!」と言ってワイワイ盛り上がるし、その直後に揺さぶられまくるので、恥ずかしかったとしても5分後にはイイ感じに忘れられている。

この日もいつもの如く客の写真が晒されるわけだが、なんと画面に出たのは私だった。
しかし、私はイラつきまくっていたので、映った顔があまりにも凶悪すぎた。

まさに指名手配犯

今までこんなにスパイに相応しい悪人ヅラの客を見たことがない。実際、顔が怖すぎて若干ザワついていた。

…/(^o^)\

そう思っているのも束の間、我々はアトラクションに数分シェイクされまくった。

終わって外に出た時、他の客はきっとあの悪人ヅラを忘れただろう。
さすがに彼氏は「顔やばかったな」と言った。私も私で、なんだか女のことを考えるのがアホらしくなってしまった。

「そうだね…ハハッ」

思わずミッキー風に笑った。ハピネス。

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