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母親なんだけど、紛れもなく一人の人間

さらりと行けて激しい感動はなかったのだが、息子とふたりで初喫茶店へ。

ご主人が「あえて“とって付き”にしました」と言って出してくれたココア。この店はいわゆるカフェオレボウルでココアを出してくれるのだが、息子と一緒ならとってが付いていたほうが良いだろうという配慮である(たぶん)。

こういうことをさらりとできるご主人に脱帽した。ごく当たり前のようにお客さん一人一人に適切な気配りをしているご主人の身のこなしを見て、「これは接客の骨頂だな」と思った。ご主人にとっては仕事なんだけど、それでもわたしのことを「母親なんだけど、紛れもなく一人の人間」として接してくれて、それは彼が選ぶおしゃべりの内容やちょっとした所作から伝わってきた。それが何よりもうれしかった。

息子は、店に降りてきたご主人の娘ちゃんと仲良く遊んでおり、わたしは結構ゆっくりココアをいただけたのでした。

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