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「婚約解消を提案したら王太子様に溺愛されました~お手をどうぞ、僕の君~」読みました。

「婚約解消を提案したら王太子様に溺愛されました
~お手をどうぞ、僕の君~」
春風悠里 著

ライトノベル(ラノベ):SFやホラー、ミステリー、ファンタジー、恋愛などの要素を、軽い文体でわかりやすく書いた若者向けの娯楽小説。
会話文の多い易しい文体で、コミックを読んでいるみたいにサラサラと読める。
かつて私がティーンズだった頃、わくわくドキドキしながら読んだ少女小説を思い出す。

が、しかし、こちらの内容はただの恋愛ものではない。
ある主婦が事故に遭い、(おそらく)死去し、乙女ゲームのキャクターに転生して、王太子様との恋愛を楽しむという、ぶっ飛んだストーリー。悪役令嬢転生モノの溺愛小説、というらしい…
さすが、令和。私の知っている昭和の少女小説とは、一味も二味も違うわ…

さらに、この本の著者である春風悠里さんは、なんと、私のいわゆる「ママ友」。
「久しぶり~。私の小説が出版されるんだけど、よかったら読む?」
って、めちゃくちゃすごくない?
私がぼんやりと過ごしている間に、彼女はコツコツとSNSで自作ラノベを配信していたのだ。
前回の私の投稿の『SNSの教科書(徳力基彦著)』に、そのメリットとして「・自著を出版できた」というくだりがあったけれど、まさかこんなに身近で起きるとは。


それにしても、今の記憶を保ったまま、身体がティーンズになってしまった場合、恋愛を楽しむことは可能なのだろうか?

―かつての息子と、同じ年齢。ママ友の子供に恋なんてしていたら、変質者だ。(p162)
―「あの方は今の年齢になって、はっきりと分かります。十六歳の少女とは、思えない。成熟した女性の色香すら感じる。(略)」
少なくとも、その人しか見えなくなって夢中になる、といった恋ではないのは確かだ。
相手を思いやり、幸せを願い、傷つくことが前提にあるような恋。(p280)

主人公は普通の主婦だった。まさに著者の彼女であり、私である。
どうりで、こんなにも切なくて胸キュンなわけだ。

―友達でもない、恋人とも言いにくい。婚約者でも、もうなくなった。
でも、大切な人。(p214)


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