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まれおCHAMPIONSCUP戦記~CYCLE2~石黒軍団で挑んだFINAL 調整過程編

はじめに

 こんにちは、まれおです。
 2023年3/4,5に行われたチャンピオンズカップファイナルサイクル2にて、TOP8に入ることができ、念願だったプロツアーの権利を手にすることができました。

私は原根さんの横の人です。やった!
※mtgjp twitterより引用

  今回はサイクル2のファイナルに向けての取り組みを記事にしていきたいと思います。ほぼ日記です。全編無料で読めますが、応援してくださる方は支援頂けると嬉しいです。プロツアーの旅費等、今後の活動に使用させていただきます。それでは本編へ。

石黒軍団

 皆さんは石黒軍団をご存じですか?
愛知の古豪、石黒さんを神輿として担ぎ上げる軍団です。
軍団員は中部に留まらず、関西、関東にも存在します。(全員の面識はほぼない)
今回ファイナルの調整は出場の権利を持っている
石黒軍団員4人+監督で行いました。以下一緒に調整したメンバー紹介。

いしぐろさん

リーダー

石黒軍団のリーダー。
マジックに対する情熱は本物。ただしメンヘラ成分が強すぎる。
人間の喜怒哀楽メンヘラが詰まっており、人間臭さが一部の人に人気。
最近はめいくんに依存している甲斐もあってメンタルが安定している。
今回のチーム結成の発起人。



弟子


めいくん
MOCS2023出場者。いしぐろさんの弟子。
和製ネイサン。
次回プロツアー権利をMOCS出場によって持っているが、いしぐろさんをプロツアーの舞台に連れていくため、参戦。
20代前半とは思えない独特な感性を持っている。
マジックおじさんたちに愛される若者キャラ。


レガシーおじさん


東海あの人さん
競技性の獣。対戦相手をドラミングで威嚇して警告をもらったことがある。
去年のBMOチームモダンぐらいからマジックを一緒にやっているためチームに勧誘。
レガシーのUR系カード禁止音頭を毎週火曜日に踊っていたが、その甲斐もあってか、ついに反復が禁止になった。よかったね。


後方腕組が特技


peppe(ぺにき)
石黒軍団の監督。現在競技シーンからは隠居中だが、GPTOP4、PT出場、神河CS出場などの実績を持つ実力派。対戦相手になってくれたり、デッキ選択、プレイについてなどのアドバイスを我々にしてくれるが、
「いいと思います。」「諸説あります。」「なるほどね~」
といったふんわり返答で我々を惑わす。

以上、上記4人に僕を加えて、今回の調整チームは結成された。
各々の目標は下記の通り。
めいくん ワールドの権利
他の3人   プロツアーの権利

 前回のファイナルでプロツアーバブル負けを経験し、次はさらに気合を入れて取り組みたいと思っていたので、石黒さんがみんなでやろう、みんなで頑張りたい、とチームに誘ってくれた時は嬉しかった。感謝。

調整の始まり 1週目

 ファイレクシアが発売された直後、最後のエリア予選が開催された。
新環境に入り、一発目のトーナメント。その結果を確認するところから我々の調整はスタートした。

2023/02/04 カードボックス津店 チャンピオンズカップサイクル2 エリア予選 権利獲得者Deck List | BIGWEB-ビッグウェブ-http://mtg.bigweb.co.jp/article/championscup2-cardbox_tsu-deck_list

2023/02/05 カードボックスオーサカ店 チャンピオンズカップサイクル2 エリア予選 権利獲得者Deck List http://mtg.bigweb.co.jp/article/championscup2-cardbox_osaka-deck_list

2/4は権利獲得者4人中3人がエスパーレジェンズ。
ファストランドの獲得に加え、《離反ダニ、スクレルヴ》の追加によって強化されたレジェンズが勝ち組となっていた。

2/5は4とは違い、エスパーレジェンズの権利獲得者が一人もおらず、
白単2、ジャンド2、グリクシス3、青単が権利獲得。
前環境では鳴りを潜めていたジャンドが2名権利獲得した一方、大きな強化をもらっていないグリクシスが権利獲得者3名で地力の強さを見せつける結果だった。

この時点での環境に対する所感は以下
① ファストランドによるマナベース強化の恩恵はかなりある
②エスパーレジェンズに対してジャンド強そう
③なんだかんだグリクシスは強い
④白単悪くなさそうだけど、意識されると勝たなさそう

 結果を踏まえながらリストを見た感じ、ジャンドが気に入ったので一度ジャンドを回してみることにした。

まれジャンド 

 ジャンドの利点は2点。
 環境に居座り続ける《勢団の銀行破り》、《婚礼の発表》、《鏡割りの寓話》に対して有効に働き、キッカーすれば追放除去になる《羅利骨灰》を使用できること。
 前環境まではサイド後カウンターに対して弱かったが、新しく追加された《沈黙を破る者、スラーン》がカウンターと除去をされないフィニッシャーとして質が高いこと。
 他にも《樹海の幻想家、しげ樹》と《ギックスの命令》のループで除去をしながらカードを回収し続けるという器用なリソースの取り方も兼ね備えており、粘り強く戦えることなども使っていていいな、と感じる部分だった。
 ベースはクリーチャーで攻めるミッドレンジで、サイド後も除去コントロールのような立ち回りもでき、リソースによる勝負もある程度できる。
 回していた時点では白単、グリクシス、エスパーレジェンズのTier1にも後れを取る感じがせず、回していてデッキの力強さを感じていた。

白単隆盛、忍び寄るアトラクサ 2週目 

 エリア予選の次の週は蒼紅杯が行われた。
蒼紅杯(ブルースカイクリムゾンヴァイオレンスゆるふわΦ完カップ) | Melee (mtgmelee.com)

無料で新環境を遊べ、賞品も出る神イベント
名前がすごい大会だと思っていた
※画像はmtgmeleeより引用

 新環境一発目の大型オンラインイベント。
 多くのプレイヤーが参加し、新環境の指針になりうると考えていた。
 結果は優勝、準優勝ともに白単。僕はジャンドで参加して3-2。
 TOP8に白単が4人入賞しており、新環境はグリクシスに有利な白単が環境を支配し始めていた。

 ただこの結果を踏まえても白単を使いたい、となるメンバーがおらず、白単にどうやって勝つようにするか、というのがチーム内での方針となっていた。
 僕は相変わらずジャンドを調整していた。
 白単にそこまで不利な感じがせず、白単に不利なグリクシスが数を減らしている状況であれば、エスパーレジェンズ等流行りそうなアグロデッキにも軽い除去で対抗できるジャンドは悪くないなと思っていた。
 が、一つの問題が発生する。
 《偉大なる統一者、アトラクサ》デッキの出現である。

アトラクサ、この頃はまだ半信半疑 
※mtgmelee、蒼紅杯のリストより引用

 ジャンドはデッキの性質上、自分よりスケールのデカいデッキには不利なことが多い。カウンターを搭載しておらず、相手の場に出てくるカードには除去や自分のクリーチャーで立ち向かわなくてはならないからだ。
 アトラクサは一度場に出ると本体が強いだけではなく、デッキの上10枚のうち、もっとも最適なカードを自分で選び、なおかつ複数枚手札に加えることができる。少しづつアドバンテージを得ながらライフレースを仕掛けていくジャンドにとって、アトラクサは出たらアドバンテージに圧倒的な差を付けられ、除去できなければライフレースも崩壊する、簡単に言うと出たらほぼ終わりクラスのカードだった。
 白単に対してアトラクサが強いのでは、という考えが世間に広まっているのも感じていて、アトラクサが流行ったらジャンドは流石に、、、となってしまい、一回リセットか??と思ったが、あることを思いつく。

 アトラクサがきついなら俺もアトラクサを使えばいいのでは?

まれクサ爆誕
「まれクサ」というと「アレクサ」がすごい反応する。

 やけくそでジャンドに突っ込んでみたが、これが意外に強かった。
 豊富な除去で序盤を捌き、アトラクサでリソースを回復する。流行り始めていた5cやボロス招来と比べると除去の多さ+サイド後にスラーンを取ることでカウンターに耐性を持たせる。理論上最強デッキだった。
 ミッドレンジ同型でアトラクサは無類の強さ。
 白単にもアトラクサデッキにも自分もアトラクサを搭載することで不利はつかなくなったと感じた。さらにジャンドには軽量除去が搭載されており、他のアトラクサデッキよりもアグロデッキに耐性がある。《羅利骨灰》を使用できるのも自分の中ではプラスポイントになっていた。
 あれ…?もしかして理論上だけではなく、普通に最強デッキでは…?

ジャンドアトラクサを作って回した後の僕
これが2/16の深夜時点だったのだが…

 自分でしっくりくるデッキを組めることがあまりないので、これを組めた時結構嬉しかったし、このデッキを調整していけばファイナルで使うの全然あるな、と思い、自分のデッキが脚光を浴びる想像をしながらこの週はずっとジャンドアトラクサを回していた。週末に何が起きるか全く知らずに。

一周するメタゲーム  3週目

2/18,19のMOでのスタンダードチャレンジの結果を見て僕はびっくりした。

2/18 Standard Challenge | Decklists | Magic: The Gathering Online (mtgo.com)
2/19 Standard Challenge | Decklists | Magic: The Gathering Online (mtgo.com)

まず一つ、ラクドスアトラクサの出現。

まれお、起源主張失敗

 自分が考えることはみんな考えるよね~となった。当たり前体操である。
 ジャンドではなくラクドスではあるが、デッキコンセプトは近く、除去やハンデスで失ったリソースをアトラクサで回復する形。ゴールが明確。

 もう一つは環境の変化。

2/18 白単が1人だけ
※mtggoldfishより引用

 2/18のチャレンジではtop16に白単が一人のみ。アトラクサ系のデッキも鳴りを潜め、アゾリウス兵士や赤単が多数入賞。
 多くのプレイヤーが白単やアトラクサを意識し始め、同系に向けて、少しずつデッキが重くなり始めたところをアグロが隙を突く形となった。
 しかし優勝はグリクシス。4名が入賞しており、前環境の王者が復活の兆しを見せていた。

2/19 グリクシス完全復活
※mtggoldfishより引用

 2/19のチャレンジではグリクシスが猛威を振るった。
 環境が重くなる→アグロが重いデッキを倒す→グリクシスが環境にあった構築をすることでアグロにも重いデッキにも対応する。といった構図。
 アトラクサデッキや青白兵士も入賞しているものの、グリクシスの底力を感じさせる結果となった。

 チャレンジの結果を踏まえて、チーム内でファイナルのメタゲーム予想。

作 ぺにき

 日本で行われる大型大会の特徴として、自分が予選を抜けたデッキが環境で生きているならば、それを選択する人が多い。(諸説はある)
 この前提から、予選からグリクシスを使用していた人たちはMOでの復活を目の当たりにしてグリクシスを使用すると予想。またグリクシスに強いという理由でエリア予選の後半に猛威を振るったエスパーレジェンズを選択する人も多そう。
 そうなると一番最初のエリア予選のような状況になるため白単を選択する人も出てくる可能性がある。それならば白単に対して強いアトラクサも候補に挙がる。そうして重いデッキの復活により、青単のようなパーミッションデッキやアグロデッキを選択する層もいるだろう…でもグリクシスが多いのにそれはきついのでは…?

 といった具合に環境に様々なデッキが存在することによりメタが健全に回り、予想はかなり困難だった。最終的には白単、グリクシス、アトラクサ、エスパーレジェンズが多数派になるではないかという予想となった。

  上記の予想も踏まえて、ジャンドアトラクサを調整していた自分にとってグリクシスの復活はあまり良くない傾向に感じ、相性はどんなもんかと試してみることに。
 最初はそこまで不利ではないか?と感じていたものの、マッチを重ねるごとに問題が発生。
 まずメイン、当たり前だがアトラクサが出ない。グリクシスはギックスにカウンターを当てるだけなので簡単。
 そしてサイド後、アトラクサパッケージを減らしてスラーンでカウンターに対処しようとしてもスラーン引かないと劣化グリクシス…

 この時点でもしかして…微妙…?と感じ始めていた。
 極めつけは対エスパーレジェンズ。全く勝たない。アトラクサをプレイしてリソースを回復しようとする頃には大体ライフが詰まっており、アトラクサを適当に大田原でバウンスされておしまい。ということが頻発して0-4。

 自分たちの中でグリクシス、エスパーレジェンズが多いと予想している中でこの二つに対して不利なデッキを選ぶのは論外。
 正直なところデッキに対して情がかなりあったため、3週目はなんとかしてジャンドアトラクサを使うことができないか、と試行錯誤したもののブレイクスルーを見つけることができず、断念。
 また、いしぐろさんやめいくんがチャレンジで勝っていたラクドスアトラクサに色を足すことのデメリットを感じないということでグリクシスアトラクサを組んでみて調整。
 試してみたものの、調整の結果、通常のグリクシスに不利なことが発覚。グリクシスアトラクサ側はカウンターを警戒せざるを得ず、手にアトラクサや《ギックスの残虐》が溜まってしまうパターンが多々見受けられた。

 以上を踏まえて、チーム内ではグリクシスを白単、エスパー、ミラーに勝てるように調整・練習することが一番いいのではないか、ということになった。
  個人的にエスパーレジェンズも選択肢の中に上がっていたため、少し触ってみるも、環境にアグロが増えたことで《切り崩し》の枚数が増えていること、後手の時の脆さなどが気になって候補から外した。

 ファイナルのデッキ提出まで残り一週間ということもあり、自分にとって使い慣れたデッキ(店舗予選もエリア予選もグリクシスで突破しているため)であるグリクシスを選択し、調整することに時間を使ったほうが良さそうだな、と感じ始めていた。というかそうする気が満々だった。この時までは。
(毎週これ)

最後の選択 4週目

 デッキ提出が木曜日に迫る最終週。
 チーム内でグリクシスを使おうというムードになっていた時、めいくんがあるデッキを共有した。

余談だがめいくんは子供ができたら太陽殺≪サンスレイヤー≫と名付けたいらしい。
硬派である。

 そのデッキはルイスサルヴァットがMOチャレンジに持ち込んだ白単。

2/25 チャレンジ4位のサルヴァット白単

 めいくんが言った通り、軽めに構成されている白単で、オーソドックスな白単。環境の変化によってメタゲーム上から姿を消しつつある白単だったが、サルヴァットはほとんど同じ形の白単で、2/18のチャレンジでも10位、ついでにMOリーグ5-0もしており、プレイヤーの強さも関係しているとは思いつつも、結果がデッキの強さを示していた。

 とはいえ、グリクシスを使おうというムードになっていた我々。

 対白単を考えていなかったわけではない。折角なのでこの白単とグリクシスはどのような相性差になるか試してみることにした。グリクシスは白単に不利とは言われているものの、カウンターを増やしたり、《刃とぐろの蛇》を増やしたり、少しでも寄せれば白単にも勝てるだろうという考えだった。
 僕と石黒さんがグリクシス、めいくんとぺにきが白単を使って3~4時間ぐらい2卓でプレイ。
 結果、グリクシス側が勝ったのは1マッチのみ。びっくり。

 この時期の白単は同系を意識するあまり、構成が重くなりがちで、グリクシス側はそこにカウンターを当てたりすることで、ビートプランが遂行できることが増えていた。なので白単に対しての苦手意識はそこまでなく、ここまで負けるとは思わなかった。

 対グリクシスにおけるサルヴァット型の白単の強みはデッキ全体が軽く、リソース獲得手段の多さである。
 まず2/1/1の《神憑く相棒》や《野心的な農場労働者》これらのカードは序盤にプレイすることで動きの安定化を図りつつ、リソースを稼いでくれる。

ワンドロー
ひっくり返ってもまぁまぁ強い

 グリクシス側のリソースを稼ぐ強力な動きとして適当な相手のクリーチャーに除去を吐いて、《死体鑑定士》で除去分のリソースを回収するというものがある。 
 しかし、相棒や農場労働者に対して除去を当ててリソースを回収する動きは手札に加わるカードの質に違いはあれどアドバンテージに差がつかない。
 グリクシスの序盤の強い動きが白単にはあまり効果的ではない。

 《勢団の銀行破り》4《セラの模範》3といった中盤以降も長期的にリソースの回復を見込める構成になっており、ダラダラゲームが続くとどんどん有利になっていく感覚があった。

 リソースの勝負になるとグリクシス側は分が悪いため、白単側の脅威をカウンターしつつ、点を詰めていかなくてはならない。
 しかし白単には《軍備放棄》、《骨化》といった軽くて強力な除去もあり、ゲームのレンジを長引かせることは容易。
 白単に対しては、軽いクロックをカウンターでバックアップしながら《絶望招来》でフィニッシュ、といったグリクシスの勝ちパターンに持ち込むことが難しく、ゲームが長引いた結果、リソースの差で負けることが多々。
 石黒さんとめい君はプレインズウォーカーを主体に戦うグリクシスを試したりしてみたものの、五分以上の相性に持ち込むのは不可能だという結論だった。しかも白単に寄せすぎると他のデッキに弱くなってしまうというおまけ付き。

 この時点で2/27の月曜日。デッキ提出期限まで残り3日。
時間がないため、もうデッキを決めて調整しなくてはならない。
 自分の中での選択は白単に傾いていたが、かなり悩んだ。

 僕は《鏡割りの寓話》というカードが出てからスタンダードでこのカードが入ったデッキをずっと使い続けていた。

今の時代の最強カード

 店舗予選もエリア予選もこのカードで勝ってきた。勝たせてもらった。
 ここで白単に変えてしまったら。このカードを使わずに、直前に乗り換えたデッキで負けたら後悔するのではないだろうか、という思いがあった。
 今までの自分だったら、おそらくグリクシスを選択することを選んでいたと思う。なんならジャンドアトラクサの時点で思考を放棄して自分のオリジナルを試したい、という気持ちが勝ってデッキを選んでいたかもしれない。
 しかし今回はチームで挑んだことにより、調整の結果が確固たる現実として、グリクシスを選ぶことは負けに繋がる可能性があることを示していた。
 
 自分の目標はプロツアー出場。
 
情に流されてデッキを選択し、負けることが一番後悔に繋がると判断。
調整を経て得た自分の感覚を信じてみることに。

 初めて寓話を使わないことを選択し、僕は白単で出場することを決めた。

提出したデッキリスト

最終的に僕が使用した白単はこちら。

まれホワイト
※mtgmeleeより引用 

 メインはかなり完成されていると大きく感じたため、あまりいじることはしなかった。 
 アトラクサ系や青単以外にふんわりしたカードである《未認可霊柩車》を序盤の安定に貢献する《野心的な農場労働者》に。
 除去のスロットは単純にメインは《骨化》のほうが強いと思ったためメインとサイドを入れ替えた。 
 《ミレックス》は相手のカウンターを交わす動きが強力であるものの、2枚重ねびいたときの《軍備放棄》の弱体化がかなり気になり,1枚引ければ十分と感じたため平地に。

 サイドボードは大きく変更したためちょっと細かく。
 自分の中でグリクシスに次ぐ勢力は白単、エスパーレジェンズだと考えていたためそこに寄せた形。
 抜いたカード 
2 《華やいだエルズペス》
2《黄昏の享楽》
3 《スクレルヴの巣》
1 《骨化》(サイドからメインに)
 入れたカード
1 《永遠の放浪者》
2 《鋼の熾天使》
3 《大群退治》
1 《夜明けの空、猗旺》
1 《運命的不在》(メインからサイドに)

 《永遠の放浪者》はミラーや対白系ミッドレンジ用。
 《鋼の熾天使》は対アグロ用だが対グリクシスにおいても《否認》や《軽蔑的な一撃》、《喉首狙い》が当たらないため重たいところを減らしてフィニッシャーとしていれることもある。
 《大群退治》は対エスパーレジェンズ用。これは一番最後のエリア予選が終わった後に宇都宮巧さんが書かれていた記事を参考にさせていただいた。
 その記事→新環境白単ガイド|Takumi Utsunomiya|note
 エスパーレジェンズとの対戦時、このカードを引くことがゲームの有利に影響を大きく与えると感じたため3枚に。
 《夜明けの空、猗旺》は雑多なアグロに対するフィニッシャー。《永遠の放浪者》と入れ替えること多々あり。赤単などサイドから除去でこちらのフィニッシャーを対処しようとしてくるデッキに対して有効。
 15枚目をギリギリまで悩んだが、《運命的不在》に。ミラーでも入れれるし、青単、エスパーレジェンズなどインスタントタイミングで撃てる除去が必要なマッチアップに対して入れる。 

抜いたカードに対してだが、
・《華やいだエルズペス》ふんわり。優先するカードではない。
・ 《黄昏の享楽》 赤単がそこまで多いと思っていなかったため、熾天使があれば十分だろうと思い、他を優先。
・《スクレルヴの巣》 対グリクシスに強いカードだと思われがちだが、実はそこまで強くない。
 まず、後手で設置することが負け目を広げることになってしまうことがある。
 相手が2ターン目に税血プレイ。その返しに巣をプレイすると次のターン4点入る。
 何のクリーチャーが出てきてもそこに除去を打たない限り、ダニの攻撃が通ることがほぼなく、堕落を達成するターンがどんどん遅くなり、ライフを失っていく。複数枚プレイすると一気にライフがなくなり、絶望招来で詰められてしまうパターンもあった。
 結果として《スクレルヴの巣》は負け目を広げるだけで、そもそも入れなくても別に有利!という結論になった。しいていうなら青単には力を発揮するが本戦にはそんなにおらんやろ!ガハハ。と思っていた(伏線)

 こんな感じでリスト完成!さらっと書いたが、環境に存在しうるデッキとは結構ぶつけてみて調整しました。サイドボードのインアウトはこの記事では書きませんので、興味ある方いたら聞いてください。

本戦編に行く前に

 いかがでしたでしょうか。
 ダラダラと長くなってしまってごめんなさい。
 本当は一つの記事で本戦のことまで書きたかったのですが、思っていたより書いてしまいましたので、一旦調整過程編ということで区切らせていただきました。

 ファイナルに向けての調整期間はほとんどを石黒軍団で過ごしました。
 平日夜21時~深夜1時頃までdiscordにみんなで集まって話しながらデッキリストを見たり、対戦したり、雑談したりする日々はとても楽しかったです。
 僕は普段23時頃に寝て、5時半に起きて、6時半には仕事に行っているのですが、睡眠時間を削りながら過ごした一か月間はしんどさもありつつも、軍団でマジックに向き合うことの楽しさが上回っていました。
 深夜までやってるとだんだんみんなの脳が溶けてきて適当発言が増えるのも面白かった。

骨化きつか~~~~
さくみきてくれ~!!

 初めて石黒軍団としてみんなで調整して、最終的に僕が白単、石黒さんとめいくんが青単、東海あの人さんがエスパーミッドレンジを選択。
 チームを組んだものの各々好きなデッキを選択。みんな同じデッキにはならなかったものの、一人ひとり自分の意見を持ってデッキを選ぶことのほうが重要だと思うので、デッキが一緒にならなかったことは気にしなくてもいいかと思っている。
 ただ、各個人の各マッチアップの相性、カード選択の理由等、各々の考えをもっと共有してもよかったのかなとは思っている。これは次回以降に生かしていきたい点だ。

 なんにせよ、同じ目標を持ったメンバーで真剣に取り組む、というのは刺激をもらえて、マジックへのモチベーションのアップにつながった。
 僕はまだまだ若いほうだが今年で28歳になる。そろそろ若手とは言えなくなってくる。この年になってもここまで一つのことに夢中になれて切磋琢磨できる環境はとてもありがたいなと思う。

 まだまだ立ち上げたばかりの石黒軍団であるが、今後もみんなで盛り上げていけたらいいなと思います。まずは石黒さんをプロツアーの舞台に連れていきたいですね。みんな頑張ろう!

おしまい また次回

 本記事はこれにて終わりになりますが、次は本戦でのことを書きたいと思っています。前回と同じく放置になってしまわないように、できるだけ早く書きます。頑張ります。(自分に言い聞かせている)
 長くなってしまいましたが、読んでくださってありがとうございました。この記事を読んで感想等あればTwitter等でもコメントいただけると助かります。今後に活かしていきます。
 それでは、次の記事でお会いしましょう!また!

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