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日記Zineの面白さを知った日

稀人ハンタースクール生のあやさんがZineを作ったと知り、福岡出張の際に購入させてもらった。


これは、コロナが猛威を振い始め、日本全体がとても緊迫していた2020年春の日記。相方さんと息子さん、3人で自宅にこもっている時に起きたこと、考えたことがとても詳細に記されている。

僕は古典や名著ふくめ人の日記を読んだことがない。どんなことが書いてあるんだろうと気軽に読み始めたら没頭し、搭乗前と機内で読み続けて気づいたら羽田に着いていた。

きっと誰にとっても2020年の春は忘れ難く、日付を見て、あの頃オレはあんなことをしてたなあと思い出す。自分の生活と福岡のある家庭の生活がリンクしているところがあったりして面白い。

例えばこの日記のなかであやさんはよくお菓子を作っているけど、保育園が休みになって一日家にいるマイベイベーのヒマを潰すために、おれも品薄の強力粉をなんとか手に入れて、クッキーやケーキを焼いたりしてた。当時はキャンドルジュン風に「粉ものイオ」と名乗っていた(自称)。

そういう共通点とは別に、僕が惹きつけられたのは、丁寧に緻密に描かれた書き手の心情だ。

引きこもり生活で徐々に高まる息苦しさ、リモートワークと保育園の休園で強制的に家族の距離が縮まることへの戸惑い、その新生活での小さな発見や喜び。

シンプルにわかりやすく…ではなく、複雑に揺れ動く思いが取り繕うことなく描かれている。前向きになったと思ったら後ろ向きになり、笑顔になったと思ったらしかめっ面になる(そうは書かれてないけどなってたはずだ)。

書き手の気持ちの変化にすごくリアリティがあり、だから次の日はどうなるんだろう…と気になってページを捲る手が止まらなかった。

日記って面白いと気づかせてくれた『かみさま、わすれない』。これから自分が書くもののヒントにもなりそうだ。スクール生から教わることが多い。

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