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シリーズ『食事摂取基準』#5(登場する指標)

「指標」には種類がある

食事摂取基準には、「エネルギー」と、30種類以上の「栄養素」が登場します。そしてこの登場人物たちには、それぞれ不足や過剰などを判断するための「指標」が設定されています。

m.そもそも食事摂取基準は、「食べ物を摂取するとき、参照にするための、数字が載っているもの」だった。だからその数字には、「なんのための数字なのか」というテーマが設定されている。そしてそれは、一種類じゃない、という話。

エネルギーの指標

エネルギーは、「エネルギー摂取の過不足の回避を目的とする指標」が設定されています。具体的には、シンプルに「BMI」(体重kg÷身長mの2乗で計算する体格指数)です。

BMIの変化を見ることで、エネルギーの過不足を判断しよう、という方針です。

m.エネルギーの指標は、1種類だけ。

栄養素の指標

対して栄養素の指標は、3種類の目的・5つの指標が用意されています。

引用 厚生労働省 日本人の食事摂取基準(2020 年版)https://www.mhlw.go.jp/content/10904750/000586553.pdf

まずは「目的」の理解です。
それぞれの栄養素は、「摂取不足を回避するため」「過剰摂取による健康障害を回避するため」「生活習慣病の発症を予防するため」に指標が用意されています。

m.不足を避けたいならこの数字をみる、過剰を避けたいならこの数字をみるなどのように、用意されている数字には、目的がある。

そして、その目的を達成するための具体的な指標名として、「推定平均必要量」「推奨量」「目安量」「耐容上限量」「目標量」があります。(「摂取不足の回避」のための指標は3種類あるので、「3つの目的・5つの指標」となる。)

m.栄養素の項目に載っているその数字が、どの指標の数字なのかで、その意味が違っているというイメージができればOKです(^^
ちなみに、3つとも設定されている栄養素もあれば、「摂取不足の回避」しかない栄養素もあります。

(例)「たんぱく質」という栄養素の場合

引用 厚生労働省 日本人の食事摂取基準(2020 年版)https://www.mhlw.go.jp/content/10904750/000586553.pdf

関連する過去問

25回167番
「日本人の食事摂取基準」に関する記述である。
(3) 目標量は、摂取不足による健康障害を回避する指標である。
答え × 生活習慣病の発症予防

26回91番
日本人の食事摂取基準における栄養素の指標と、その目的に関する組合せである。
(1)推定平均必要量(EAR)--- 生活習慣病の一次予防
(2)耐容上限量(UL)--- 生活習慣病の二次予防
(3)目安量(AI)--- 生活習慣病の三次予防
(4)目標量(DG)--- 過剰摂取による健康障害からの回避
(5)推奨量(RDA)--- 摂取不足からの回避
答え 
(1)推定平均必要量(EAR)--- 摂取不足からの回避
(2)耐容上限量(UL)--- 過剰摂取による健康障害からの回避
(3)目安量(AI)--- 摂取不足からの回避
(4)目標量(DG)--- 生活習慣病の発症予防
(5)推奨量(RDA)--- 摂取不足からの回避

今日も勉強おつかれさまです。
marcy

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