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過去問解説『36回70番の5』(消化吸収率の差)

基礎栄養学

消化吸収率に関する記述である。
真の消化吸収率は、見かけの消化吸収率より高い。(〇or×)

どんな話か?

2つの消化吸収率で生じる、値の差に関する問題。「感覚」で判断しないことがポイントです(^^

答え 〇
真の消化吸収率は、見かけの消化吸収率より高い。

[2種類の消化吸収率]

消化吸収率の計算方法には、2種類ありました。

「見かけの消化吸収率」
(摂取量ー便中の排泄量)÷摂取量×100
*食べた量が分母。分子は、食べた量から排泄された量を引いて「残った量=体内に吸収された量」としている。「×100」は、割合(%)にするため。
「真の消化吸収率」
[摂取量-(便中の排泄量-内因性排泄量)]÷摂取量×100
*見かけの消化吸収率に、「内因性排泄量」を加えて計算している。

計算式が違うので、同じ食べ物の消化吸収率を考える場合でも、値は少し異なってくる、ということです。


[見かけは、引きすぎている]

式の前半(分子)に注目すると、「便中の排泄量」は、体外に出た分(吸収されなかった分)なので、この値が大きいほど、吸収された分の値は低くなることがわかります。

そして、
「見かけ」の「摂取量-便中の排泄量」に対して、
「真」は「[摂取量-(便中の排泄量-内因性排泄量)]」です。

つまり、「真」は「内因性排泄量」を考慮することで、「便中の排泄量」の値を小さくしています。(こちらの方がより正確な値に近い。)

言い換えると、「見かけ」は計算が簡単な分(ざっくり計算する分)、体外に出た量(便中の排泄量)を引きすぎていると言えます。


[計算の結果]

すると消化吸収率は、「真の方が高くなる」という傾向になります。

例/摂取量100、便中の排泄量20、内因性排泄量10の場合
「見かけ」
(100-20)÷100×100=80(%)
「真」
[100-(20-10)]÷100×100=90(%)

よく、「感覚的に考えると、なんとなく真の方が低くなりそう」と判断してしまうことがあります。ですのでこの範囲は、「理屈を思い出す」がより大切にります(^^

暗記用まとめ

・真の消化吸収率は、内因性排泄量を考慮する。
・真の消化吸収率は、見かけの消化吸収率より高い。

今日も勉強おつかれさまです。
marcy

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