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シリーズ『食事摂取基準』#37(指標別活用の留意点)

推定平均必要量

推定平均必要量は、栄養素の不足を回避するための指標でした。
確率的には、個人では「不足の確率が 50%」、集団では「半数の対象者で不足が生じると推定される摂取量」です。

そのため、摂取量が推定平均必要量を下回っている場合、不足のリスクが高くなります。

ここでポイントとなるのは、推定平均必要量を下回った場合のリスクの高さは、「栄養素によって異なる」という部分です。

m.同じ「推定平均必要量」の値であっても、その値が何を基準に決められているのかが、栄養素によって異なるということ。例えば、「欠乏症の発生」を基準に決めているものと、「体内で飽和して尿から排泄される量」を基準に決めている栄養素では、下回った場合のリスクがぜんぜん違う。

a
集団内の半数の者に不足又は欠乏の症状が現れ得る摂取量をもって推定平均必要量とした栄養素
 → 問題が最も大きい

b
集団内の半数の者で体内量が維持される摂取量をもって推定平均必要量とした栄養素
 → 問題が次に大きい

c
集団内の半数の者で体内量が飽和している摂取量をもって推定平均必要量とした栄養素
 → 問題が次に大きい

x
上記以外の方法で推定平均必要量が定められた栄養素
 → 問題が最も小さい

(アルファベットは次の表に対応)

引用 厚生労働省 日本人の食事摂取基準(2020 年版)https://www.mhlw.go.jp/content/10904750/000586553.pdf

食事摂取基準を使うときには、同じ指標でも中身がちょっと違う場合があることに注意です(^^

今日も勉強おつかれさまです。
marcy

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