過去問解説『36回70番の4』(見かけの消化吸収率)
基礎栄養学
消化吸収率に関する記述である。
見かけの消化吸収率は、摂取量から糞中内因性排泄量を差し引いて求める。(〇or×)
どんな話か?
消化吸収率について、一歩詳しく考えた問題。2種類の吸収率と、その違いの把握がポイントです(^^
答え ×
真の消化吸収率は、摂取量から糞中内因性排泄量を差し引いて求める。
(見かけの消化吸収率は、差し引かない。)
[2種類の消化吸収率]
消化吸収率とは、摂取した食べ物が消化され、含まれる栄養素が吸収される割合でした。
この割合は、「摂取した量」と「便に排泄された量」から計算されますが、計算方法には2種類あります。
「見かけの消化吸収率」
(摂取量ー便中の排泄量)÷摂取量×100
*食べた量が分母。分子は、食べた量から排泄された量を引いて「残った量=体内に吸収された量」としている。「×100」は、割合(%)にするため。
「真の消化吸収率」
[摂取量-(便中の排泄量-内因性排泄量)]÷摂取量×100
*見かけの消化吸収率に、「内因性排泄量」を加えて計算している。
[内因性排泄量とは]
内因性排泄量とは、「入ってきた食べ物ではなく、もともとカラダの中に存在していて排泄された成分の量」のことです。具体的には、消化液・消化管の古くなった細胞・腸内細菌などがあります。
消化吸収率を計算するときに使う「便中の排泄量」には、必ず一定量の「内因性排泄量」が含まれています。そしてこの「内因性排泄量」を考慮してきっちり計算するのか、考慮せずざっくり計算するのかで、消化吸収率の値は少し変わってきます。
今回の問題では、
・内因性排泄量を考慮せず、ざっくり計算するのが「見かけの消化吸収率」
・内因性排泄量を考慮して、きっちり計算するのが「真の消化吸収率」
と把握しておくことがポイントです。
「糞中内因性排泄量」と言われると難しく感じますが、中身は「消化管の古くなった細胞」などシンプルでOKです(^^
暗記用まとめ
・糞中内因性排泄量とは、消化液・消化管の古くなった細胞・腸内細菌などを指す。
・真の消化吸収率は、摂取量から糞中内因性排泄量を差し引いて求める。
・見かけの消化吸収率は、糞中内因性排泄量を考慮しない。
今日も勉強おつかれさまです。
marcy
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