Q&A『インスリン感受性と抵抗性のイメージをつける。』
Q. インスリン感受性と抵抗性について教えてほしいです。
A. インスリン感受性は、インスリンの効きやすさ、
インスリン抵抗性は、インスリンの効きにくさ、
と言い換えて考えてみてください(^^♪
・インスリンと受容体
インスリンとは、膵臓から分泌されるホルモンです。
ホルモンは分泌されたあと、血中を流れ、そして目的とする細胞にたどり着きます。
(工場から、仕事をする場所に到着するというイメージ。)
この目的地(細胞)には、インスリンというホルモンを受け入れるための「受容体」という部品があります。
インスリンはこの受容体と結合してはじめて仕事ができます。
・インスリン感受性
つまり言い換えると、いくら正常にインスリンが分泌されたとしても、この受容体が正常に働いていなければ、インスリンは仕事ができません。
そして、このインスリンが分泌されたあと、実際どれくらい受容体と結合してインスリンの作用(効果)があるのか?という視点が、「インスリン感受性」です。
「インスリンの効きやすさ」と言い換えられます。
シンプルに考えて、「高い」方が嬉しいはずです。
(高い方が、インスリンがよく効く。)
・インスリン抵抗性
これに対して「インスリン抵抗性」は、この一連の流れに「抵抗性」がついてしまっている状態です。
インスリンが正常に分泌されているにも関わらず、受容体との関係が悪くなり、インスリンの効果が少なくなる。
「インスリンの効きにくさ」と言い換えられます。
こちらは「低い」方が嬉しいはずです。
(抵抗性が低い方が、インスリンがよく効く。)
・整理する
まとめると、(一般的には)
インスリン感受性は高い方が嬉しい
インスリン抵抗性は低い方が嬉しい
となります。
また、
インスリン感受性の上昇=インスリン抵抗性の低下
インスリン抵抗性の上昇=インスリン感受性の低下
とも言い換えられるので、セットで覚えておくことがポイントです。
・過去問をチェック
では、これを踏まえて実際の過去問を見てみます。
「有酸素運動は、インスリン抵抗性を改善する。」
→ 〇
「インスリン抵抗性」は、改善した方が嬉しいものでした。
運動はカラダにとって有益なのだから、インスリン抵抗性は改善するはず。
と考えられます。
(もし運動でインスリン抵抗が高まるなら、糖尿病で運動なんか推奨されないはず。)
「肥満者は、インスリン感受性が高い。」
→ ×
「インスリン感受性」は、高い方が嬉しいものでした。
もし肥満になって高まるなら、肥満を推奨されてしまいます。
そうではなく、肥満になるとインスリン感受性が低下するので、糖尿病などのリスクになるはずです。
このように、インスリン感受性と抵抗性は、それぞれ上がる方が嬉しいか、下がる方が嬉しいか?というイメージをもち、運動や肥満ではどうなるだろうか?と順番に考えることがポイントです(^^
今日も勉強おつかれさまです。
marcy
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