見出し画像

パーソナライズシャンプー「MEDULLA」マーケティングトレース

こんにちは!Marcyです。
今回のマーケティングトレースは、日本初のパーソナライズシャンプー「MEDULLA」です。
シャンプー業界におけるone to one マーケティングの先駆者ともいえる当社をトレースしていきたいと思います。

自分が参加しているコミュニティ「マーケティングトレース」ですが、この度オンラインサロンが誕生しました!めでたい!ご興味のある方はぜひ!

MEDULLAの運営会社について

まずは、MEDULLAがどんなブランドなのか、紹介していきます。
MEDULLAは株式会社Sparty(Sparty, Inc.)のブランドです。

運営会社 株式会社Sparty(Sparty, Inc.)
設立 2017年7月19日
VISION “色気のある時代を創ろう”

MEDULLAは利用者の髪質や髪の毛の状態に合わせて、シャンプーやトリートメントをカスタマイズできる女性向け定期購入ブランドです。ユーザがスマートフォンから、頭皮や髪の悩み、なりたい髪質など質問に答えると、ユーザ毎に処方されたヘアケア製品が定期的に送られてきます。
「スマホの中のサロン」をテーマに、オンライン上で個々人にあったシャンプーと手軽にカスタマイズして購入することができます。現在では3万種類以上のカスタマイズが可能だということです。
会員数は約8万人月商2億円規模のサービスで、最近は6億円の資金調達にも成功したようです。急成長中ですね!

MEDULLAのブランド詳細

続いてMEDULLAの詳細説明です。特徴を下記に示します。

・オンライン診断に&サロン(オフライン)での髪質診断
・化粧品OEM会社 サティスとの業務提携

一つ目は、オンライン・オフライン両方でカスタマイズ・購入可能であること。オンラインにおいては、UXデザインに力を入れており、実際にオンライン診断を体験してみましたが、9つの質問に答えるだけなので、非常に簡潔でわかりやすく、遊び心があるUIで利用者が最後まで答えたくなるよう設計となっています。下記のような髪質に関する質問と、今の気分のにおいを等を診断し、髪質だけでなく今の気分に合わせたシャンプーをカスタマイズすることができます。

スクリーンショット 2020-05-07 12.04.12

スクリーンショット 2020-05-09 11.27.35

また、オフラインにおいては、提携サロンで髪質診断をしてパーソナライズシャンプーを購入でき、直接利用者との接点を取っています。オンラインだけでは不安だという利用者には嬉しいサービスです。現在では14箇所程提携サロンがあります。提携サロンやスタイリストを介して販売することで、利用者だけでなく、業界人の認知度も挙げることができると考えられます。
他にも、ポップアップショップを開いたり、オフラインで利用者と交流する機会を増やすことで、認知度と利用者への安心感を高めています。

続いて二つ目は、化粧品OEM会社サティスと業務提携していることです。製造委託ではなく、あくまで業務提携で共同開発していく姿勢であることがポイントです。実はSparty、過去にOEM会社先(製造を委託)のトラブルで商品回収を行なっています。そんな過去のトラブルがありながらも、見事に復活をとげ、無事新取引先を見つけることができたようです。公式noteにも記事が挙がっており、読んでいるととても応援したくなりました。
実はこのサティス、人気Youtuberのゆうこすさんのブランド「youange」にも協力していて、新しいブランドへ協力的な会社であることがわかります。


STP分析

続いてはSTP分析です。
各段階を記事や概算でまとめてみました。

【セグメンテーション】
・地理的変数:東京が主だが、地方(例:福岡)でも認知度あり
・人口動態変数:20代〜30代の女性(ミレニアム世代)
・心理的変数:美容意識が高い、エシカル思考、流行に敏感
・行動変数:定期購入(2〜3ヶ月に一回)、初回のみ購入

【ターゲティング(6R)】
・市場規模:<シャンプー市場規模>
      約1550億円
      (引用:https://netshop.impress.co.jp/node/5936)
      <ユーザー数>
      約120万人(東京都のF1層)+ 地方都市の女性F1層
      全国=約920万人
      <美容室数(東京)>
      約22万店舗
      <勝手に概算↓>
      ユーザー数割合概算(東京)
      =6.4万(ユーザー数全体の8割と想定)/120万
      =約0.053%
・成長性:海外でもパーソナライズシャンプーは注目されている
     日本では初のパーソナライズシャンプーとなるので、
     関係業界からの注目もあり、成長性は高い
・顧客優先順位:美容意識の高いそうであればヘアケアの優先度は高い
・到達可能性:オンライン販売が主体のため、販売範囲は広い
       美容室販売においても、順調に店舗数も増やしており、
       原宿や渋谷などの激戦区にも専門スタリストがいるため、
       東京都在住の人は比較的訪問しやすい
       ブランドHP上でもスタイリストを紹介
・競合状況:I-neの「My BOTANIST」
      既存商品である「BOTANIST」のパーソナライズシャンプー
      販売価格は若干高価
・反応測定可能:ヘアケア用品の口コミサイト等で調査可能
        美容室やポップアップショップでも直接反応が見れる

【ポジショニング】

スクリーンショット 2020-05-09 16.20.54

4P分析  

続いては4P分析です。今回は競合である「My BOTANIST」と比較して分析してみました。
やはり気になるのは値段です。市販のシャンプーが300円〜1000円程度だとすると、やはり価格設定は高めです。
実はシャンプーの主成分は水と界面活性剤であり、そのうち水が60〜70%を占めるため、利益率はそれなりにあると言われていますが、パーソナライズシャンプーは成分にもこだわり、容器や販管費もかかっていることを考えると、やはり売上数を上げていく必要はあります。
それには高価格に見合うだけの費用対効果がどれだけあるかをアピールしなければなりません。両社共に直接シャンプーを体験できる手段を持っているため、オフラインの体験が鍵となりそうです。

スクリーンショット 2020-05-09 16.51.26

SNSの分析

一般消費者向けの商品ということもあり、両社SNSには力を入れています。
BOTANISTについては、既存商品からSNS中心に宣伝をしていたこともあり、Twitter・Facebook・Instagram全てにアカウントがありました。
特にInstagramでは、両社の特徴が見えてきます。
どちらも二日に一回程度の頻度で更新していますが、BOTANISTは通常のシャンプーの投稿が多いのに対し、MEDULLAはパーソナライズシャンプーの良さをアピールする投稿が目立ちます。
また、コロナショックを受けて、BOTANISTはハンドソープの宣伝をしたり、MEDULLAは家庭でできる美容に良いレシピを公開する等、両社流行や季節に合わせた投稿が目立ちます。個人的には、BOTANISTの方が季節感のある写真だと感じました。
これは若干余談ですが、2019年の11月にMEDULLAが投稿した、下記のような投稿一覧画面全体を使った投稿をしたのに対し、BOTANISTも同じような投稿を2020年に行なっています。SNSだけでも色んな気づきがあるので、みなさんもぜひ一度見てみてください。
知名度と商品バリエーションはBOTANISTが優勢であると考えられるので、MEDULLAはパーソナライズにフォーカスした内容を今後も発信していく必要がありそうです。

画像5

画像6

自分がCMOだったら

では最後に、自分がCMOであれば、以下のような施策をうちます。

<効果実感→拡散のサイクルを作る施策>
・試供品・少量商品の販売
・人気Youtuberとのコラボ企画
<パーソナライズシャンプーのニーズを作る施策>
・ヘアケア専門メディア開設
・ブライダル業界とコラボ

パーソナライズ商品は、値段が高い分、その商品の良さを直接実感しなければ友達やSNS発信で広まっていかないことを考えると、そのサイクルをより早く・多く回す必要があります。そのために、まずは使用してもらうハードルを下げる必要があると考えます。そのため、低価格の試供品や少量商品を販売し、まずは使ってもらうことを優先します。そのあと、SNSで発信してもらえればいいのですが、正直3大SNSの情報は飽和状態にあるので、動画コンテンツで影響力のあるかつ身近な存在である美容系Youtuberに使って宣伝していけば、他社と差別化をはかれると思います。

また、ヘアケア領域全体のメディアを自社で立ち上げるのも案としてあります。市販のシャンプーではなぜいけないのか、パーソナライズの良さや日本人の髪質の特徴等、ヘアケア情報を中心としたコンテンツを発信し、パーソナライズシャンプーの需要を底上げしていく施策です。

さらに、ターゲットである20代〜30代は結婚が多い世代でもあるので、結婚式までに綺麗になりたいとい女性に対し、ヘアケアもその一つであるという常識をブライダル業界と連携して作っていくのもありかと思います。結婚式に向けてヘアアレンジをするため、髪を伸ばす女性も多いですが、ロングヘアーは毛先も傷んでケアが大変です。自分にあったケアができるとなれば、需要はあるかと思います。

日本はまだまだパーソナライズ商品の良さを実感している人が少ないため、そのニーズ自体を底上げしていくような施策が大切だと考えました。

以上、MEDULLAのマーケティングトレースでした。
個人的には、少し価格帯を抑えたメンズケア商品も作ってくれないかな、、と期待してます(笑)






      


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?