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2023年に観たアニメとベスト10

毎年恒例、今年観たアニメを振り返ります。

ちなみに2022年の記事はこちら。

https://note.com/marcus_st/n/n9e4d850652cf

今年は3月ごろまでは近年同様たくさん観ていましたが、それ以降は各期の新作を観る程度で、過去の作品をガッツリ観ることは大幅に減りました。

それなら観た本数も少ないだろうなと思い、数えてみると86本。昨年は数えていないものの「100本以上はあるだろう」と書いてあったので、かなりの変化。そして全話しっかり観た本数は41本。これは昨年の半分ほど。アニメを観る時間が相当減ったことが分かります。

その減った時間は昨年には無かった「麻雀ファイトガール」や、久しぶりにモチベーションが戻った家庭用ゲームのプレイ時間になったということですね。ここ数年の自分と比べるとこの差は異常にも思えますが、元々の自分(ビデオゲームが中心の生活)に戻りつつある1年だったかなぁと思います。

というわけで2023年に全話しっかり観た作品はこんな感じです。(1話切りなどは省いてます)

そしてこの中からベスト10をピックアップします。

■1位「SHY(シャイ)」(2023年・秋)

世界各国に平和を守るヒーローが現れ、地球から戦争が無くなった21世紀半ばが舞台。主人公は日本のヒーロー「シャイ」。その名の通り恥ずかしがり屋の女の子。ある日、遊園地で起こったトラブルをきっかけに物語が動いていく…というお話。

最初は「恥ずかしがりの女の子ヒーローがその性格を克服していく話か」程度のイメージだったんですが、1話からかなりヘビーなやり取りやシーンがあり、「これはなかなか…」と先に期待出来る内容でした。
続く2話も感情にぶっ刺さる内容で、「これはすごい!」と思うようになりました。その後も考えさせられる話や魅力的なキャラが多数登場し、非常に面白かったです。

単なる勧善懲悪や派手なアクションを見せるヒーローモノではなく、「ヒーローとは何か」を丁寧に描いた独特の作品になっています。ただ、ずっと真面目な話をしているというわけではなく、コミカルなシーンも多く、それもまた独特のノリで面白いので、その辺りのバランスが上手く取れています。演出、音楽も良く、作画も終始安定しているため、全体のクオリティも高かったです。

ちなみに自分は原作マンガの単行本を少しずつ買って全巻手元に揃え、アニメを全話観たあとから読み始めました。アニメの続きとなるお話もかなり面白いので、その辺りを描くであろう2期(制作が決定しています)も楽しみです。
また、劇伴サントラやフィギュアを買ったり、ブルーレイも全巻買う予定をしてるほどで、相当ハマってしまいました。

アニメだけでなくマンガの中でも今年一番の名作だと自信を持って言えるので、ぜひ触れてみてください。

ちなみに記事トップの画像はこちらのものをお借りしました。


■2位「16bitセンセーション ANOTHER LAYER」(2023年・秋)

美少女ゲームの制作会社に勤める女の子が、あるとき2023年から1992年にタイムリープ(タイムスリップ)し、その先で昔のゲームやゲーム制作に触れていくお話。

作品説明などでは「美少女ゲーム」と表記されていますが、登場するゲームのほとんどはいわゆる「エロゲー」、18禁のアダルトゲームです。しかし本作で過激な表現は出てこないのでそこはご安心を。深夜とは言え今の時代のテレビで放送するものですからね…。

序盤は懐かしい美少女ゲームや昔の秋葉原の風景など、当時を知る人が楽しめる懐古系の作品に見えるのですが、少しずつ不思議なお話になっていきます。詳しく言い過ぎるとつまらなくなるので、「非常にリアルで考えさせられるお話も出てきます」とだけ。単なる懐かしアニメで無いことは確かです。

話の展開の仕方が非常に上手く、笑わせつつも意外な方向に持っていって視聴者の期待を良い意味で裏切り、また、めちゃくちゃな話のように見えて筋が通っていたり説得力があったりするので、脚本を書いた人は天才かと思いました。毎週「次はどうなるんだろう?」とあれこれ考えてしまうほどでした。

ちなみに、メインストーリーを手がけた若木民喜さんは「神のみぞ知るセカイ」を手がけた方です。自分は「タイトルぐらいは聞いたことある」程度でしたが、これを機にアニメを観てみようかなと思いました。

お話に加えて演出や音楽も素晴らしかったです。声優さんも豪華で、特に美少女ゲームが好きな人にはたまらない布陣となっています(なっているらしいです)。

唯一の欠点としては、作画が低〜並程度で見栄えがよろしくない話数がけっこうあったことでしょうか。しかし、そこはお話の面白さでカバー出来ていたように思いますし、厳しく批判するほど気にはなりませんでした。

原作となる同人誌(一部商業誌)の「16bitセンセーション」もありますが、同じキャラクターが出てくるものの、内容はかなり違います。そもそもアニメの主人公である秋里コノハはアニメオリジナルキャラですし、アニメを観るにあたって原作を読む必要はありません。原作は原作で面白いので、そちらもオススメです。

ちなみに自分は元々ギャルゲーやエロゲーの分野に疎いどころか、苦手意識や嫌悪感を持っていたんですが、原作を読んで「ああ、ギャルゲー(美少女ゲーム)にもこんな歴史があったんだな」ということを知ることが出来て多少認識が変わりました。そしてアニメを観て「遊んでみてもいいかも…」と思うようにもなりました。

まあ、近年はプリコネやウマ娘を遊んだりしてますし、今年はついに「ときメモ」を遊んでしまいましたし、すっかり抵抗が無くなってるとも言えるんですけどねw

■3位「マクロス7」(1994年・秋〜1995年・夏)

超大型の宇宙船マクロス7とそれに属する船団が舞台のSFロボットアニメ。バンドグループ「Fire Bomber(ファイヤーボンバー)」のリーダー、熱気バサラが主人公。あるとき謎の敵が現れ、軍が戦闘で排除しようとする。そこへバサラがファイヤーバルキリーに乗って戦場に割り込むも、歌うばっかりで戦わず…というお話。

戦場で歌ってばっかり、人の話も聞かないバサラを見て「こいつやべーなw」と思っていましたが、話が進んでその狙いが分かってくると非常に好感が持てるキャラに変化していきました。

ロボットが出てきて宇宙でガンガンやり合うシーンも出てきますが、個人的にはバトルシーンよりもお話の内容が良かったですね。

本作はバンドグループが主役ということもあり、音楽も良かったです。サントラCDも探していくつか買い集めるほど。
また、全話観てから知りましたが、本作には劇伴曲が無く、全て作中の歌手たちが歌う曲が背景で流れているということで、その世界観の徹底ぶりに驚かされました。

OP映像が擬似的な3Dで始まったり、1994年当時としては高クオリティなCGのバルキリーが映っていたり、技術的にすごい作品なのも評価すべきところですね。

シリーズ第1作の「超時空要塞マクロス」から30年以上経った世界が舞台で、世界観や一部キャラの繋がりはあるものの、本作単体でも問題なく楽しめます。
昔の1年アニメなので話数が多くて観るのが大変ですが、しっかりとその世界に浸れるし、エピソードも面白いものが多いので、ぜひ観てほしいですね。

■4位「私の百合はお仕事です!」(2023年・春)

リーベ女学園という女子校をテーマとしたコンセプトカフェで働く女の子たちのお話。
女同士の絡みをウリにしているカフェなのですが、営業中とそれ以外での姿や関係性が違っていたり、カフェでの振る舞いにより変わっていく女の子たちの様子とお話が面白かったです。

少し前にも別記事で書きましたが、自分は近年のマンガやアニメにおける百合(女性同士の絡み)の流行があまり好きではありませんでした。「百合要素さえ入れとけば売れるだろ」という雑な考えで売り出してるように思えてしまい、ちょっと呆れていました。
そしてタイトルに直球で「百合」と書いてある本作。どう考えても見向きもしないのですが、「なんだ、こんなもん」と思いながら読んだ1巻が面白かったので、本作に関しては特例で認めることになりました…w
ちなみに結局1巻しか読んでません。(2巻以降も何冊か買ってはいます)

さて、原作を読んでからかなり経って始まったアニメですが、こんな感じだったかなぁと思いながら観ていると、音楽に惹かれました。
全体的に高貴で上品な雰囲気の音楽で構成されているのですが、綺麗だったり明るいものだけでなく、暗くて深刻な場面で流れる曲、それぞれの心情を表現した曲、不穏な空気のときに流れる曲など、非常にバリエーション豊か。
バリエーションに富んだ曲の作品は珍しくありませんが、本作はピアノメインの曲が多く、どれも美しいのが特徴です。ピアノの音が好きな自分には強く刺さりました。また、その音楽の使いどころも上手かったし演出も抜群に良かったです。
ちなみに音楽を手掛けられたのは大橋恵さんという方です。過去に手がけたタイトルは「ガンダムMS  IGLOO」「ガンダムSEED スターゲイザー」など。

あまり詳しくは書きませんが、話が進むにつれてだんだん変化していくキャラクターがいたのも面白かったです。毎週「やばいやばいやばいw w w」と思いながら観てましたw

アニメ版は1クールで区切りをつけていますが、原作はまだまだ続いていますし、ぜひとも2期が観たいですね。
また、本作の影響で制作会社の「パッショーネ」の名前をしっかり覚えましたし、高く評価も出来ました。

■5位「ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー」(2023年・5月)

ご存知、マリオの映画。シンプルに面白かったですね。個別記事で感想を書いてるので、そちらをどうぞ。

https://note.com/marcus_st/n/ne91da66ea049


■6位「トモちゃんは女の子!」(2023年・冬)

男勝りな女の子、トモちゃんが幼なじみの淳一郎(ジュン)に告白するも女扱いされず、一人で勝手にドキドキしてる…というお話。

男らしい、女らしいという言葉が排除されがちな現代にこんな作品が登場するのも驚きですが、なんと本作は1話2本構成。ちびまる子ちゃんやクレヨンしんちゃん、サザエさんなど2〜3本構成の作品は昔はたまにあったように思いますが、今ではほとんど見かけません。調べてみると本作は4コママンガらしいので納得でした。

ギャグのテンポやノリがどこか懐かしい感じで気持ちよく観られました。そして独特な雰囲気かつ天然キャラのキャロルと、毒舌キャラの郡堂みすずが非常に魅力的で、本作の見どころでもありました。

懐かしいノリの笑えるラブコメが観たい方はぜひ。

■7位「君のことが大大大大大好きな100人の彼女」(2023年・秋)

中学で100回失恋するも、変な神様に「これからはモテまくる」と言われ、実際に二人同時にぶつかって一目惚れされる、というお話。
よくあるハーレムラブコメではあるんですが、あまりにもぶっ飛んだ設定や内容と、予想もつかないオチが面白すぎて、けっこうな数笑わせてもらいましたw

普通のラブコメ、特にコメディ寄りの作品に飽きた方にはぜひオススメしたいですね。

■8位「AKB0048」「AKB0048 next stage」(2012年・春、2013年・冬)

分割2クールですがタイトルが違うので別個に扱うか迷いましたが、1つにまとめました。

芸能が禁止されている世界。しかしそれに反発しライブを行う女性アイドルグループAKB0048。ある日彼女たちがライブをやると聞き、見張りをかいくぐってライブを観に行き感動した少女たちはアイドルを目指すことを決意する。というお話。これだけ見ると普通のアイドルアニメですね。

しかし、本作の制作はマクロスF、Δ(デルタ)を手がけたサテライト、監督は同じくマクロスシリーズの監督 河森正治さんです。なんとアイドルが戦闘機っぽいものに乗って戦ったり、UFOのような空飛ぶ足場に乗ってライブをします。
もう、1話を観た時点で大爆笑でしたねw これ完全にマクロスやんけ! とw

そして作中のアイドルの名前はAKB48、歌う曲もAKB48のもの。「13代目前田敦子」と、前田敦子の名を襲名するキャラクターがいたり、「会いたかった」などAKB48の有名な曲がたくさん流れます。

とまあ、何を言ってるのか分からないかもしれませんが、とにかく設定がハチャメチャです。しかし、お話はしっかりしてるし、内容もなかなか面白いので、けっこう楽しめました。まあ1クール目終盤と2クール目は微妙な感じでしたが…。

本作の見どころとしては、当時のアイドルが声を当てていることと、AKB48の楽曲がオーケストラで劇伴曲として流れることですね。

アイドルの歌がオーケストラで流れることなんてそうそうありません。なので本作の劇伴曲は非常に珍しく、豪華だと思います。DVDやブルーレイにサントラCDが付属しているらしいのですが、全く見かけないので入手はほぼ諦めてます…。いつかどこかで手に入ったらいいなぁと夢見てます。

さて、「アイドルが声を担当かよ、下手くそで棒読みなんだろう」と思われるかもしれません。実際聞いてみるとプロの声優には及ばない演技力です。しかし、オーディション時点で全員かなり練習されたと聞いていますし、熱意は感じられる演技でした。
そしてこの作品を経て現在プロの声優となった方も何人かいてます。
佐藤亜美菜さんはアイマスシリーズの橘ありすなど、秦佐和子さんはFE風花雪月のマリアンヌなど、有名タイトルのキャラクターを演じていますし、いずれも本作があってこその結果だと思います。そう考えると、未熟な人を抜擢することを簡単に否定出来ないです。

本作のおかげでAKB48ってすごかったんだなとか、良い曲が多いなと思えたので、観て良かったです。

■9位「UniteUp!」(2023年・冬)

ヒーローモノや歌が好きな高校生の男の子が主人公。あるとき、カラオケで友達にこっそり録音された歌唱音源を勝手にネットにアップされ、それが芸能事務所の目に留まりスカウトされ…というお話。

流れとしては王道の男性アイドル作品ですが、演出やセリフ、雰囲気が良く、1話冒頭のライブシーンも高クオリティで、「これはとんでもない作品では…!?」と感じさせる内容でした。

中でも自分が惹かれたのはプロトスターの青髪の少年、五十鈴川千紘のエピソード。その話数の構成と演出が神がかっていて思わず泣きそうになりました。

しかし、本作はプロトスター以外のキャラの話が微妙で、最終的には半端な評価となってしまいました。2期の制作が決定しているので、そちらで挽回してくれたらいいなぁと期待しています。


■10位「君たちはどう生きるか」(2023年・7月)

スタジオジブリの新作。映像が非常に綺麗でした。これも個別記事があるのでそちらを。


■総括

昨年と比べると映画作品が入っていたり、上位と下位でかなり差がある選出となりました。正直なところ、「AKB0048」や「UniteUp!」は選ぶかどうか迷うところでしたが、印象に残っていた、感動した話数があったということで選ぶに至りました。
「君たちはどう生きるか」に関しても、映像は抜群でしたが話としてはなんとも言えないのでこの位置です。ただ、何の情報も全く仕入れない状態で観たジブリ作品という貴重な体験をしたからやや特別扱いとなり、選ぶことにしました。

他の候補としては「デンキ街の本屋さん」「ウマ娘 プリティーダービー ROAD TO THE TOP」「SYNDUALITY」などがありましたが、総合的には選んだ作品ほどでは無いかなということで外しました。

昨年と比べると不安定で「10本も選ぶ必要無いんじゃないか?」と思われる結果ですが、まあ昨年も選ぶのにけっこう迷っていたようなので、毎年こんなもんじゃないかなと思ったり。

ともあれ、今年も良作に出会えたので楽しい1年でしたね。来年もまだ見ぬ知らない作品と出会えることを期待しています。

最後に、これらの素晴らしいアニメを制作していただいたスタッフの皆さんに感謝します。ありがとうございました!

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