『ジャック・ドーシー: ツイッターが必要としている変革』② 和訳
Q Twitter上で広がっている誤った情報などが民主主義に与える影響に対して、あなた方は具体的にどのような対応をおこなっていますか?
JD 少し補足すると、我々は自分達に対して一つの疑問を問い続けています。
それは、我々がネット上における『対話の健全性』という物に対してしっかりとした測定基準を持っているか?ということです。
気温が高ければ顔が赤らむ様に、人間であれば誰しもが変化を客観的に理解できる指標と言うモノがあります。
同じ様にネット上における『対話の健全性』についても、明確な客観的指標というものを見つけることができると思うのです。
我々はMIT(マサチューセッツ工科大)のCorticoというラボと共同で健全性を測る4つの指標を開発しました。
① 関心度の共有
同じトピック上での会話が、そうで無い会話と比較した時、どれくらい関心度が高まっているかを測定する。
②リアリティの共有
我々の会話における何%が同じファクトを共有できているか。ファクトに信憑性があるかどうかでは無く、そもそも同じファクトをベースに会話が出来ているか。
③感受性
どれくらい受容的な会話が行われているか、あるいは礼節のある会話であるか、また逆に暴言性のある会話がどれくらい行われているのか。
④多角的視点
会話上で、我々はフィルターバブルやエコーチェンバー状態に陥っているか、あるいは様々な意見を、しっかりと取り込めているか。
これら4点に着目することでユーザー間の会話がより健全になると考えています。
我々がまず始めに行うことは、これらのことを、オンライン上で測定出来ているかの確認することです。
③の感受性の指標に関しては我々は最も強い推進力を有しています。
我々は自社システム上に有害スコアや有害モデルといったものを保有しています。
それによってユーザーがTwitter上での会話の内容からその有害性によって離れてしまったのか否かといった可能性をとても高い精度で測定することができます。
また他の3点に関しても測定ができる様、日々研究をおこなっています。
そして次のステップはこれらの測定傾向を時間の経過とともに観測し、それぞれの解決策を構築することです。
我々のゴールはこれらのバランスをうまくとることです。
なぜなら、どれかが増えれば、どれかが減る。例えば、多角的視点が増幅すれば、リアリティの共有化は縮小したりするからです。
Q 多くの人々が困惑していることとして、なぜTwitter上からナチスを排除できないのでしょか?
JD 我々は暴力的過激派グループに対しての方針があります。
それは、我々の仕事の大部分や利用規約は行為にに対して発動するのであって、思想に対して発動するものではありません。
ですので、我々は常に行為に目を向けています。
Twitterのサービスを利用して、他者に対して継続的、あるいは偶発的に嫌がらせをおこなったり、KKKやアメリカン ナチ グループとの関連がある様な画像を使用するなど、そういったモノに対して、我々はすぐに行動を起こします。
ただ現状のルールでは、そのような規約はかなりゆるいものになっていて、我々は他者を非難するような言葉だけを取り上げて厳しい対処を行うことができません。
本来であれば、そのような人達はTwitterのプラットフォームから排除されるべきです。
ですので、現在は沢山の規約を基にして、対策を試みています。
対策①
このアカウントは暴力的過激派グループと関連があるのか?そして、もしそうであれば、対処手段を講じ、KKKやアメリカン ナチ グループ、その他のそう言った集団を排除する
対策②
同グループに通ずる様な画像やイメージを使用しているか?そうであれば (以下同文)
Q ツイートの内容の精査に関して、あなた方はどれくらいの人々と一緒に対応に臨んでいるのですか?
JD 人数は定まっていません。
我々はこの対応に関しては我々の手で柔軟に対応していきたいと考えています。
対応の1つは、大勢のスタッフを雇う代わりに問題に対応できるアルゴリズムを構築することです。
なぜなら、このような問題の規模を明確に把握する為には、現状の人数では足りないからです。
ですので、我々はまず、人がレビュー可能な誹謗中傷ツイートに対して、先回りしてツイートを阻止できる様なシステムの構築を重点的に行なってきました。
我々には、各ツイートを一つずつスコアリングし、最も興味深いツイートをトップに持ってこれるアルゴリズム、そう言ったものを実装できる環境が必要です。
それが出来れば、我々のサービス規約を基に、ユーザーがそのようなツイートに対して、運営側の対処が必要か否かをジャッジすることが出来るようになります。
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