見出し画像

41. 振付師が "キモチ悪さ" に挑戦すべき3要素|中川 真太郎

中川 真太郎

こんにちは、カラーガードのShintaroです!
普段はIT企業でサラリーマン、
週末はマーチングバンドを指導・振付、
をしているハイブリッド型30歳です。

MIX3元年にガードショーを創ってみての様々な気づきであったり、wgiでのプレイヤーやクリエイターの経験なんかも思い出しながら、皆さんに共有していきます。

今回は「振付ってどうやって作っていくの?」という疑問に対し、2部構成の前半「振りのバリエーションの広げ方」についてお伝えします。


「やっぱりスピルバーグだよね」

って映画を観終えて感じる(というかもはや確信する)ことありますよね。

クリエイターである以上、誰しもが自分の個性を表現したいし、評価されたいって思いますよね。
少なくとも僕はそうです。
カラーガード界でも同じことが言えるし、振付みて振付師が大体想像つく事も多々です。

あなたの個性を引き立たせる第一歩として、あなたなりのユニークな振りを生み出して世に送り出したい訳ですが、苦戦する事も多いと思うので、そんな方はぜひ参考にしてみてください。(生まれながら天才的な振付師の方は、こちらでお別れとなります笑)



「振りのバリエーションを広げる」

あなたが引き出しとして持てる振りのバリエーションの増やし方は、主に以下の2つです。

  1. 他の人の振りをマネる
    DCI、wgi、最近ではInstagramやTikTokでも色々な人の新技研究ができますよね

  2. 自分で新しい振りを創作する
    …今回お伝えするのはこちらです!


新しい振りの生みの親は「キモチ悪さ」

今までにないニュアンスの振りを生み出すには、
「キモチ悪い」に都度挑戦すれば良いのです。
カラーガードの人なら分かると思いますが...

"こう来たらその後こっちに 回りたいよね〜"
"これ右手でキャッチしてからの~ こう行くよね〜"
"ここからのこう来て、あーこの瞬間気持ちいい〜"

みたいなデフォルトの気持ち良い流れ、
みたいなものありますよね。
この「気持ち良さ」を断ち切って下さい。

「ここからこう行く、と思いきやこっち~!」
を創るんです。

具体的には
1|手具の導線
2|カラダの動き
3|リズム

の3つの要素です。
僕はいつもその裏切りを創っています。

1|手具の導線

⑴ 左右
・いつも右手なら、それを左手でやってみる
・いつも右回りしているなら、左回りに変えてみる
・左に流れるのが気持ち良いなら、あえて右に流してみる
 
・いつも正面にシルクの面が向いてるなら、右上斜め45°にしてみる
・さっきからずっと正面向いてるなら、ここからは地面と平行の振りにする
・トスは、いつも正面じゃなきゃいけないっけ?
⑶ 角度/回転数
・キャッチは、いつもこの角度じゃなきゃだめ?
・トスは、いつもこの形(持ち方)から投げなきゃいけない?
・いつも1回転半なら、2回転で縦キャッチにしてみる

2|カラダの動き

⑴ バランス
・いつも右重心だから、左重心で振ってみよう
・いつもなら足閉じるけど、あえて開いてみたらどうかな
⑵ ボディワーク
・ トスの下でこんな振りしてみよう(フリーハンド)
・ ここでフラッグを足の下通してみようかな
⑶ 持ち手
・ いつもアンダーで握っているなら、オーバーにしてみる
・ バックハンドでキャッチしてみる
・ 手の甲で振ってみる

3|リズム

リズムに関してはちょっと上級編です。
音楽理解も必要になってきますが、
使えると楽しくなってきます。
4拍子の曲であれば、
アクセントやシルクが上にくるのが
1, 3, 5, 7拍目になりがちなのを
あえて外してみて下さい。

4拍子の曲であえて3拍子の振りにするのも効果的です。
・音楽的に
・ショー的に
・バンド全体的に
しっかりキメたい場面でちゃんと振りがハマれば、それ以外(ショーの7~8割程度)はリズムや拍子に遊び心があって良いと思います。

要は、"振りのシンコペーションを創ってください" ということです。
キレイにハマりすぎていないからこそ、ハマった瞬間(プッシュの時など)の爆発力がグッと上がります。

以上、「キモチ悪さ」に挑戦すべき3要素でした。

この「キモチ悪さ」が今までにない新たな動きを作り出すと共に、クセになってきます(笑)。
僕は2年間 Santa Clara Vanguard の winter guard で、
Jim MooreやGreg Lagolaに師事していました。

彼らは
「キモチ悪い」
「んもぅ本当にやりづらい!」
「へっ?」
という振付の天才です。

2014年には、
どちらがよりメンバーが苦戦する振付ができるか賭けていた
という噂も...。
ただ彼らの振りがユニークで、美しくて、
振れば振るほどヤミツキになるのは、
彼らが
「あたりまえ」から逸脱して新しいものを創り続けている証 
なのだと思います。

僕も「やっぱりしんちゃんの振付だね!」って言われる日が来るまで頑張りますので、みなさんも、みなさんのユニークさを創造してみてください。

日本中が個性で溢れかえりますように....!

後半は、あなたの広がったバリエーションを、ショー全体にどのようなバランスで落とし込んでいくかのお話をします。
ご興味があればぜひ次もご一読ください。


41. "キモチ悪さ" に挑戦すべき3要素|中川 真太郎


[ 中川真太郎 - Shintaro Nakagawa - ]
Location : Tokyo
Color guard
- Instructor
- Choreographer
- Show Designer

SENDAI Verdures出身
ネバダ州立大学リノ校 コミュニケーション学・ダンス専攻卒
2012 The Cavaliers
2014 Santa Clara Vanguard Winterguard (WGI World Class 2nd place)
2015 Santa Clara Vanguard Winterguard (WGI World Class Champion)
2015-2016 Santa Clara High School, Color Guard Instructor

Instagram : @sintancos
Twitter : @sintancos24
Facebook : Shintaro Nakagawa
LinkedIn : Shintaro Nakagawa
Email : shin.nakagawa24@gmail.com

https://www.marching-matsuri.com/

https://www.youtube.com/channel/UC4k9RWxkryjqTtQwkEo07Bg

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?