民藝館通りプロジェクトについて

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note第4回の今回は、ゲストに株式会社まるにわ代表の齋藤さんと、「MARCHING bldg.」の住人の田畑さんをお招きし、「MARCHING bldg.」が生まれるきっかけとなった「民藝館通りプロジェクト」について振り返ってみたいと思います。

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よく晴れた土曜の午後、お二人には実際にまちあるきをしていただきながら、お話を伺いました。


インタビューの前に、まず「民藝館通り」はどんなところなのか簡単に説明しますと、地図上では鳥取市栄町と今町にまたがる「錦通り」のことを指します。
「若桜街道」交差点から「今町1丁目」交差点までの一本道で、代表的な建物として「鳥取民藝美術館」、併設された「たくみ工芸店」、「たくみ割烹」が在るのが特徴です。そのため、地元の人から「民藝館通り」と呼ばれています。

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鳥取駅南口正面からまちなかまでを貫通する商店街「サンロード」の出口であり、通り沿いには花屋や衣料店、美容室、ゲストハウス、個人経営の飲食店などが密集しています。…こうして書くと、賑やかな繁華街を想像するかもしれませんが、実際は、背の低い建物がちょうどいい間隔でゆったりと立ち並び、歴史を感じさせる建物が存在感を放つ、どこか落ち着いた印象の通りです。

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さて、この民藝館通りを舞台とした「民藝館通りプロジェクト」は、民間まちづくり会社「まるにわ」が、鳥取大丸の屋上芝生化や駅前マルシェ「山陰三ツ星マーケット」の開催に続き、第3弾の企画として2018年頃から始めた活動です。
これまでに、勉強会イベント「What’s 鳥取民藝」(2018年5月)、「History of 民藝館通り」(同6月)と、web発信者をゲストに招いたまちづくりトークイベント「ミレニアル世代から見た民藝」(同10月)が開催されました。

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Q.「民藝館通りプロジェクト」を始めたきっかけはなんでしたか?

(齋藤さん)きっかけは、当時、鳥取市の中心市街地整備課に所属していた田中慎一郎さんから、『所有している空き店舗を活用してほしい』と言ってくださった方がいる、と聞いたことでした。リノベまちづくりは、単にひとつの空き物件を改装して新しいお店にする、ということではなく、その建物のあるエリア全体を考えてリノベーションすることが目的です。

それまでの活動から、プロジェクトを動かす際はまちの人たちを巻き込むことが重要だと学んでいたので、まずは興味のある人を集めるために、勉強会という形を取りました。

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「What’s 鳥取民藝」では、鳥取民藝美術館の木谷常務理事を講師にお迎えし、民藝(=無名の職人が作った工芸の美)の概念や、鳥取民藝の父・吉田璋也についてお話しいただきました。

次の「History of 民藝館通り」では、新鳥取県史歴史編さん調査委員会の佐々木孝文さんを講師にお迎えし、鳥取駅前民藝館通り周辺エリアの歴史について勉強しました。


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30年以上住んでいるまちのことですが、知らないことがたくさんあって、僕たちも非常に勉強になりました。

その後、鳥取の人気ブロガーさん達を呼んでトークしてもらう「ミレニアル世代から見た民藝」を開催したんですけど、その頃にはもう「MARCHING bldg.」の構想は出来ていましたね。
例えば東京から鳥取へIターンをしてくるような、ミレニアル世代の新しい価値観で暮らしをとらえている人が住んだりして、そこからまちとつながる新しい暮らしが生まれるような場所になったら面白いんじゃないか、という風に」

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Q.「MARCHING bldg.」の住人になる田畑さんは、「民藝館通りプロジェクト」に関わったきっかけは何でしたか?

(田畑さん)きっかけは、斎藤さんからイベントに誘われたことでした。私が東京から鳥取に移住して1年目の頃、当時はまちづくりに関わる業務を担当していて、「空き家の活用を考えるイベントがあるんだけど、興味があったら来てみない?」と言われて。齋藤さんが「まるにわ」の活動をしていることは、就活時代から知っていたので、すぐに興味を持ちました。

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田畑さんが東京から地方に就職しようと考えて、ネットでいろいろ調べていたときに、まるにわの記事が出てきたそう。

Q.「MARCHING bldg.」に住むと決めた理由は?

(田畑さん)イベントで旧「バラエティ雑貨まつき」ビルを見学させてもらったとき、入口は普通のお店という雰囲気なのに、中に入るとかなり奥行きがあって、本当は5階建てだったり、3階は屋上があったり、外から見ただけでは分からない面白い特徴がたくさんあって、そのギャップがいいなと思いました。

この物件をリノベーションしてシェアハウスにするにあたって、住人を募集しているということだったので、住んでみたいなと思って。シェアリビングや自分の部屋をどんな風に作っていくか、「まるにわ」の人たちとも話し合って、みんなで一緒に「MARCHING bldg.」を作っています。今は、これからどんな建物になっていくか、とても楽しみです。

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次回は、工事が進んでいる「MARCHING bldg.」の現在について触れられればと思います。今回掘り下げなかった”鳥取民藝”についても、今後まとめていきたいと思いますので、引き続き無料購読よろしくお願いします!



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