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悲しくなって人狼をやめた話

自分にはどうしても許せない人がいます。
どうせその人と会う機会なんて今後ありませんが、思い返すたびに許せないという気持ちになるので、今回はのうのうと暮らしているであろうそいつの話をします。

5年ほど昔のこと。
浪人期間が終わった佐藤弥生ちゃんは、新しい趣味を見つけたくて、都会でこそできることを見つけたくて、対面で人狼ゲームができるお店に遊びに行くことにしました。
(中高で遊んでいたとはいえ)人狼ゲーム初心者なので、週に1回ある初心者向けの日にお邪魔することに。

その日の1回戦の参加者は、自分よりも人狼経験のない人が8人くらいと、人数合わせの常連さんが3人くらい。中にはスリアロチャンネル(麻雀・人狼のネット上のチャンネル)に出演したことのあるプロ雀士もいて「東京ではそんな人と会う機会があるんだなあ」と思ったことを覚えています。
店のルール説明やハンドサインの説明が終わった後、店員さんは「常連さんは初心者に配慮したプレイをお願いします」と伝え、ゲームスタート。
自分の役職はいきなり人狼で、相方の人狼は超初心者。昼のターンが始まっても超初心者も常連もしゃべりづらそうだったので、率先して誘導をかけてなんとか勝利することができました。

問題は2回戦に起こった。
初心者向けの日だったので、1回戦に間に合わなかった超初心者がさらに増え、初心者12人常連4人くらいになり、再度軽くルール説明をしたのちにゲームスタート。
私の役職はまたもや人狼。心臓バクバク。もう2人の人狼は新たに来店した超初心者2人。
3人の人狼のうち誰かが占い師のフリをするのが定跡。かつそういう役職を騙ったほうが立ち回りもしやすいかなと考えて、譲ろうと思い、そういうジェスチャーはしましたが、やはり心理的なハードルが高かったようで、私が占い騙りをすることに。
結果から言えば惨敗も惨敗。私の言動も不自然だった上、本物の占い師(超初心者)の定跡外れの行動が刺さりまくって私が2日目に処刑され、超初心者狼2人の援護射撃することもできずそれはもうコテンパンにやられてしまいました。
でもまあ、いいじゃないですか。初めてなんだし。私だって反省するところは反省するべきなんですけど、初心者なんだしそこまで気を使う必要もないでしょう。
ただ、その体たらくを許さなかった男が一人いました。


「なんだよあの夜の襲撃!勝つ気あんのかよ、そんなことしたら勝てないってちょっと考えたらわかんだろ!」


とまあ、こんなことを人狼陣営の役職・狂人が大声でくどくどと言いだしたのです。

それが、自己紹介で「スリアロチャンネルに出演したことがある」と鼻高々に語っていたあのプロ雀士でした。

百歩譲って、これが人狼の手練ればかりの試合だとして、こんなミスでこんな惨敗をするのはありえないと考えていても、マナーとして最悪です。
同じ内容を「これはこうだから、このプレイはこうしたほうがよかったと思う」と落ち着いて伝えるべきでしょう。(それでも初心者相手にはやりすぎだと私は思いますが)
ましてや、超初心者のミスを糾弾するというのは、正直ありえないと私は考えます。初めての人狼ゲーム、さらにその中でも負荷のかかる人狼役で正しく襲撃出来たらそれはもう天才ですよ。
さらにましてや、人狼番組に出演していると自己紹介をした、人狼プレイヤーの顔の1人となりうる立場の人間が、初心者への門戸をこのような形で閉ざしてしまうのはプロ意識にかけているとしか言いようがありません。

実際に私含めた人狼3人は完全に萎縮してしまいました。それどころかその場にいた初心者は勝ったはずなのに「ミスをしたらこんなに怒られるんだ……」と暗い顔をしていました。修学旅行のバス中で先生にブチギレられたときと同じ空気でした。
他の常連客は彼をなだめながら他の場所に連れていき、そして気分を悪くした私は店員さんに謝られながら退店しました。店も店員さんも何も悪くないのに。これは感情が顔に出やすい自分が悪い。
それ以降のことは全く知りませんが、その場にいた初心者で人狼にハマった人はいなかったのではないかと予想します。私がいなくなった後大盛り上がりしてたらとてもさみしいです。

そしてそれ以降、私は「人狼は友達とワイワイやるもの」と心に決め、人狼の放送も見なくなりました。
でもまあ、いいじゃないですか。その狂人にとっては程度の低いプレイヤーが消えて、格式高い人狼ゲームが広まる一つのステップとしての合理的な行動なのですから。

あ、そうそう思い出しました。その狂人がネームプレートに下げていた名前。

「だぁつぅ」だったっけな。

麻雀見るようになって、プロ雀士のツイッターのRTでお前の顔見て思い出したわ。絶対に許さないからな。

ただ、当時の彼と現在の彼にはつながりはあるものの、確実に変化もあるはずなので今さら「許せない!活動をやめろ!」なんて思っていません。
また、一方的な視点からのこのnoteをきっかけにこれを読んだ無関係なあなたが彼を許さないと考えるのは間違っています(が、個人として彼の意見を聞くつもりはありません)。
あのときのあんな態度からは変化して……ますよね?

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