だまされますか
安すぎる!
ヨーロッパにある、とある国営美術館の倉庫には大量の贋作(ニセモノ)が眠っているという。
本物だと思って購入したものの、のちに贋作だと判明し、展示できなくなった作品?たちだ。
贋作を掴まされたことのある美術館なんて、きっと世界中にあって、今だに本物として展示されているニセモノだっていっぱいあるだろう。
その国営美術館では、ある時、贋作だけを展示するイベントをやったところ意外にも大盛況だったそうだ。
プライベート美術館ならまだしも、国営ということは、公金で絵画を購入しているわけだから「ニセモノ掴まされてごめんなさい展示会」だ。
間違いを認める姿勢は潔い。日本だったら、不都合な真実は闇に葬り去られるだろう。
ニセモノの悩み。自分にとって看過できないのは、タラバガニだ。同じ悩みを抱えている人もいるかもしれない。
タラバガニと称され売られているものの中に、アブラガニが混じっている
ことがあるという。元値は少々お安めだからね。
どちらもタラバガニ科タラバガニ属の近親種。海の中では、タラバガニが青いのに対して、アブラガニは紫がかっている。しかし、ボイルするとどちらも赤くなる。
よく知られている見分け方は、甲羅の中央についているブツブツ(トゲ)。タラバガニの6つに対して、アブラガニは4つ。しかし、脚の数はどちらも8本。甲羅から外して、脚だけで売られていたらお手上げだ。
タラバガニ食べ放題の店で、我々の防衛策としては、ボイルされた脚の裏側を見るといいらしい。
すべて真っ赤なら、タラバガニ。紅白まだらならアブラガニだというが比較対象がないと、ぶっつけ本番では識別は難しそうだ。
絵画の贋作にしろ、タラバガニにしろ、リアルかフェイクか見分ける力は
欲しいが、鑑識眼を養うことにカロリー使うくらいなら、いっそ「それはそれとして、楽しもうぜ!」の精神の方がハッピーかもしれない。
人間だってそうだ。目の前に本物のイチローが現れたら緊張するけど、ニッチローだったらホッとするし、安心して楽しめる。
ところで、知り合いが台湾に行ったときのこと。おみやげを買い過ぎたので、まとめて入れられるものを探していたら、屋台でバッグが売られているのを見つけた。
大きめでちょうどいい。買おうと見たら、ボッテガ・ヴェネタのロゴとデザイン。値段を訊くと、日本円で2000円くらい。マジかよ?安すぎだろ。店の人は、本物だと言い張る。この際、バッグの真贋よりも、おみやげが入ればいいので、その場で入れ替えた。結構パンパンに詰め込んで、ホテルに戻ったところ、ブチっと大きな音を立てて、持ち手の部分からバッグ本体が落っこちてしまったという。重さに耐えられなかったのだ。やっぱりね… 2000円のボッテガ・ヴェネタだから仕方ない。
アジア旅行ならではのエピソード。知り合いは、最後にこうまとめた。
「ボッテガ・ヴェネタの取っ手がとれた」
口に出して言ってみよう。きっとがっかりするはずだ。
私は「おいおい、よくできた話だなぁ!」と、半笑いでツッコんでみたが、冷静に「本当だよ、リアル、リアル。バッグはフェイクだったけど…」だってさ。
話まで安っぽすぎる… 最後まで聞いて、がっかりだ。
沖縄出身のお笑い芸人さんが命名してくれたペンネーム/テレビ番組の企画構成5000本以上/日本脚本家連盟所属/あなたの経験・知見がパワーの源です