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「燕は戻ってこない」というドラマ

NHKのドラマ10は、「大奥」といい「育休刑事」といい良作が多い印象。
現在この枠で放送されているのは、桐野夏生さんによる同名の小説が原作の「燕は戻ってこない」というドラマです。

どういう話かというと、貧困に苦しみながらも引っ越しを望む(近所の人がヤバい)ためお金が欲しい29歳の女性・大石理紀(通称リキ、リッキー)が、お金欲しさに世界的バレエダンサーの草桶基・悠子夫妻の代理母を引き受けるが…という話。

主人公の理紀を演じるのは「鎌倉殿の13人」で静御前役を務めた石橋静河さん。

脚本を担当されているのは「らんまん」の脚本を手がけた長田育恵さん。
らんまんは全力視聴していたわけではないのですが、万太郎・寿恵子夫妻の絆に涙しました。

このドラマが色々と凄い。
悠子の、「女には2種類しかない。子供を産んだ女と、産んでない女」という台詞が強烈なインパクトを持ちます。

悠子は基と不倫で結婚したものの、不育症と診断されたため、「子供ができないのは自分のせい」という負い目を持ちます。
一方の基は、母ーー自分とつないできたバレエダンサーの遺伝子を引きつぐ子どもをもうけることに異常なまでの執着を持っています。しかし悠子と別れるという選択肢は一切考えておらず、代理母によって子供をもうけることを考えます。
しかし悠子は納得しきれていないようで…?

代理母は、究極の人助けなのか。それとも女性性(「子供を産むことができる」という能力)の搾取なのか?という問いを、女性の生き方とともに描き出しています。
午後10時からという時間帯もあってか、きわどいシーンもあるのですが考えさせられるのでお勧めです。気軽におすすめできる作品ではありませんが…

うーん、突っ込んだ感想を書くのが難しい。
今年は「光る君へ」「虎に翼」「燕は戻ってこない」と、女性の生きざまを描くドラマが豊作ですね。
昨日の放送回はかなり修羅場の予感でしたが…さてどうなるのでしょうか。





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