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B面とジェイムズ・ディーンの隈

場所を変えるかつ朝早いうちから動くって
やっぱり気持ち良い。
気持ちが、ぶん、と晴れる。


誰の目にもふれる看板のようなA面も良いが、
ちょっと翳りのあるB面に心惹かれる。
だれにでも分かるってつまんない、と時々思う。
単にわたしが穿っているだけかも知れないが。
ほんの僅かにずれた瓶の蓋から立ちのぼる煙のように、
微かなでひそやかなもの。
そこにひそむ闇と艶が好きだ。

負の印象がつよいものが魅力になることだって、ある。
ジェイムズ・ディーンの隈などその典型ではないか。
不健康で怠惰で不規則で。
そんな陰をひき受けている”目の下の隈”だけれど、
ジェイムズ・ディーンから目をそらせないのはあの隈ゆえだと思う。
彼のポートレートは白黒が多いせいか、
あの隈がよけいに奥行きを与えている。
なにか隠しごとをしているような、
誰にも明かせない秘密を想わせる。


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