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御礼状をたくさん書く人生がいい

御礼状が好きだ

深い意味はない。
「手紙を書くのが好き」というのはたびたび聞くが、
「御礼状を書くのが好き」というのはあまり聞かない。

ずっと、自分は手紙を書くのが好きなのだと思っていた。
つい最近、と言っても数年前だが、御礼状が書くのが好きなのだと気がついた。
数年前、親戚からの出産祝に、
「御礼状を出しなさい」
と親から言われたときは、
「睡眠不足で意識も飛んでるこの非常事態にこの鬼軍曹が」
と思ったが、御礼状に罪はない。
御礼状がいやになったのは、後にも先にもそのときだけである。

学生時代、合宿でお世話になった旅行会社に御礼状を出したとき、
「葉書をくれるひとは珍しいです」
と言われたのを今でもおぼえている。
気持ちを綴ること、気持ちを文字にのせることが好きなのだと思う。

手紙にまつわる小物、いや大物

レターセットやシール、封筒、ペンを見ると、つい手にとってしまう。
ちょっとしたメモも好きだ。
「こんなに書く機会なかろう」
「この間買ったのが、まだあったよな…」
と思いつつ、買い物かごにぽんぽん入れてしまう。
この一年くらいで、切手を買うのも好きになった。
手許においておくよりも、相手に届く方に歓びを感じる。
オードリー・ヘップバーン主演の映画『シャレード』での切手は、心憎い。
また観たくなってきたねえ。

博物館や美術館に行くと、記念にポストカードを必ず買う。
それを眺めるのも投函するのも好きだ。
チェ・ゲバラが7年ぶりに母親に再会したときの写真が葉書になっており、
その葉書だけは出せずにいる。


御礼状をたくさん書く人生がいい

ものをたくさん貰う人生ではなくて(いや、それももちろん有り難い、嬉しい)、
「ありがとう」をたくさん言える人生がいい。
それを言う相手がいて、それを伝えることのできる人生がいい。
だから手紙を書くし、やっぱり葉書を集めてしまう。

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