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リザードンHR争奪戦完全攻略徹底ガイド ~大丈夫?まっぷるの攻略本だよ?~【4万字超ボリューム】

ゲームもカードもサボりまくっているまっぷるです。某ウイルスの影響で公式大会の開催自体が久々であり、また、例年と異なり参加チャンスが一度しかないということで、かなりモチベーションを上げて挑みました。今年のシールド戦環境である伝説の鼓動のカードリストが発表された時点での印象は、「非常に運要素が強く実力に比例した成績は出にくいのではないか」というものでした。また、去年のシールド戦環境であるリミックスバウトを踏襲したような性能のカードが収録されているものの、一回り使いにくく設計してあることで、安定して勝つということが今年は難しいであろうという前評判もあったかと思います。しかし、改めて考察を重ね、練習を繰り返していくうちに、伝説の鼓動環境が絶妙なバランスで調整されていて、しかしながら構築の絶対的な正解がない(人によって理論が異なる)ということがわかりました。端的に言うと、「引き当てたピック自体では差は出にくく、構築段階で実力により大差が出てくる」というのがリザードンHR争奪戦の特徴かと思います。ちなみに、去年のミュウツーHR争奪戦の特徴は「引き当てたピックの差は比較的小さいが、TR枠、SR枠の影響は大きい。構築の正解は概ね決まっているが、プレイングによる実力の差が特に大きい」であると個人的には思っています。

さて、下の記事にあるように私は過去5回のシールド戦において必ずSR以上を獲得しています。去年のミュウツーHR争奪戦では優勝してHRも獲得することができました

今年も優勝してHRを2年連続で獲得と自慢したかったのですが、残念ながら決勝戦で先攻2ターン目にたね切れという呆気ない結末を迎えてしまい、SR獲得に留まりました。ただ、最低限SRは獲れたということで高いアベレージを維持できていると自負しています。下馬評でパックから出てきた時点でお通夜と言われているマホイップVmax(しかもVはマホイップのみ採用)を使用して決勝戦まで進めていますが、それなりに練習と考察を重ねて自分なりの理論を確立した上で参加したので、正直SRは獲得できて当たり前くらいの気構えでした。
今年はもうHR争奪戦に参加する権利がないため、私の理論を本記事にまとめることでリザードンHR争奪戦を卒業しようと思い、全てを公開することにしました。これから参加する予定の方のヒントになる情報を詳らかに載せますので、興味のある方、右も左もわからない方、生活に困っている方は必見です。後悔させない自信はあります。

昨今リザードンHR争奪戦の記事は非常に多く投稿されており、特に有料記事に関してどのような内容で書かれているかを把握できていませんが、本記事の特徴としては

・引けるかどうかわからないRR、RRR、AR等の高レアカードよりもC、U、Rのカードの評価・解説に比重を置いている
・全てのカードに対して、採用・不採用の基準、採用理由を明確にしている
・ポケモン、エネルギーの適正な採用枚数を明確にしている
・Vmax3種×その他V3種の基本9パターン全てに対してベース構築を用意している
・基本9パターンのベース構築それぞれについて、各Vmaxに対するプレイング方針についてまとめている

以上の点が挙げられます。要は本当に理論の全てをまとめるつもりです。ただし、非常に情報量が多く、細か過ぎる嫌いがあります。重要ポイントは太文字にする等できるだけわかりやすくするようにしますが、活字アレルギーの方はご注意ください。

ちなみに、当日のピックと戦績は

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予選
vsマホイップザルードハガネール 4-2
vsトゲキッスデンリュウ 4-1
vsマホイップザルード 4-1
準決勝
vsトゲキッスハガネールタフネスマント 4-1
決勝
vsトゲキッスザルードハガネールライコウ 0-1(たね切れ)

というものでした。ピックが強かったか弱かったかは後で触れますが、皆さんがこれを見て決勝戦まで進むのが難しそうと感じたのであれば、是非この記事を読んでいただきたいです。

1.リザードンHR争奪戦の前提

本シールド戦は、伝説の鼓動1boxを左右で10パックずつを2人で分け、それを開封した70枚+基本エネルギー各種15枚から40枚デッキを作って対戦するという形式になっています。一見パックの引きに大きく左右されるような印象を受けますが、伝説の鼓動(未開封)は納品段階でシールド戦でなるべく公平になるように調整されており、左10パック・右10パックでそれぞれVmax及びその進化前のVが必ず引けるようになっています(Vmaxを含むパックに進化前V確定封入)。さらに、Vmaxライン以外のVが基本1枚は引けるようになっています(稀にVmax封入なしの進化前Vの場合あり)。また、1パック7枚の構成はC、C、C、R(RRorARorSR以上)、U(RRR)、U(トレーナーズor特殊エネ確定枠)、Uとなっており、トレーナーズ+特殊エネルギーは必ず計10枚になるように調整されています(SR以上を除く)。しかし、残念ながら左右一方にARとSR以上が偏る場合があります。
このパック構成の性質から

・Vmax3種×その他V3種=9パターンが基本となる組み合わせである
⇒デッキ構築において基本9パターンに対する解答を用意する必要がある
・トレーナーズ+特殊エネは計10枚である
⇒対戦中に相手のグッズの残り枚数を予想できる、11枚以上あればイカサマ

の2点は押さえておきましょう。

2・伝説の鼓動環境の特徴

伝説の鼓動のカードリストを眺めた印象は、とにかく難しいというものでした。パッと見でわかりやすい強さを持つカードがほとんどなく、闇雲にデッキを組んでひたすら回すだけでは絶対に結果は出せないだろうと思いました。実戦練習も大事なのですが、そこで得られる感覚的なものよりも勝つためにはどうすればいいかという道筋を明確にした理論の確立が今回は必要でした。事実、人によってカード評価は現在でも大きく異なり、“強そう”、“弱そう”という曖昧な評価では練習をする度に考えがぶれることになり、そのような状態では本番までに上手くまとまらないだろうと考えました。そこで伝説の鼓動という環境の本質を理解するには、まずその特徴を捉える必要があります。

昨年のシールド戦に引き続き、全体的に逃げエネが2以上と重く設定されており、逃げるという選択を気軽にすることができません。その問題を解決できる特性〈ふゆうじば〉を持つメタグロスは2進化であり、ゲームプランとして組み込むのは厳しいです(昨年では1進化のキテルグマが同様の役割を果たしていた)。ポケモンいれかえがピックにないことも珍しくなく、逃げるには基本的に逃げエネの高いコストを支払う必要があります。
反面、ベンチに逃げてしまえばそれを呼び出す手段は成功率50%のポケモンキャッチャーしかなく、また、ベンチ狙撃も非常に限られるため、ポケモンキャッチャーに勝敗が委ねられる場面は多いです。これに関しては本大会において最も運要素が強いところだと思います。むしろ唯一の理不尽な運要素と言っても差し支えないかもしれません。この運要素を除けば、昨年に比べて最後までしっかり対戦しやすい環境だと思います。
目玉カードであるVmaxは昨年のTAGTEAMに相当する高耐久高火力のデッキの主軸を担うポケモンです。昨年との違いは、一撃で倒されることがほとんどないということです。昨年はTAGTEAM同士で三竦みの関係が設定されており、弱点を突くだけでお互いに一撃で倒せてしまうというサドンデスを常に課されていました。確定呼び出しカードのグレートキャッチャーの存在がさらに拍車をかけており、為す術もなく敗北してしまうことも珍しくありませんでした。今年のVmax同士は弱点を突く関係になく、Vmax以外も含めて容易に倒せないようになっています。また、Vmax自体が1進化であり、盤面が完成させるのに時間がかかるため、ワンサイドゲームにはなりにくいです。最後まで対戦しやすいというのはこういうことです。

タイプについては、草・雷・超・闘・鋼・無の6種が存在します。Vmaxに限らず三竦みの関係にはなく、
弱点×2:鋼→超 草→闘→雷→無
抵抗-30:鋼→草 無→闘
という一方通行の関係があります。ポケモンカードでは弱点を突くと2倍のダメージが入るという一見すると致命的な設定がされています。しかしながら、本シールド戦においては弱点を突くことが多くの場合に致命的になるほど大きな意味を持ちません。なぜならば、弱点を突くことで一撃で倒せるようになる火力を持つポケモンが一部に限られているからです。元々一撃で倒せる火力があるor弱点を突いても耐えられる場合がほとんどで、弱点を突いたからといってそれだけで戦局がひっくり返ることはありません。抵抗に関して、無の闘-30は影響としては小さいですが、鋼の草-30は影響力が大きいです。草(主にザルード)を主軸に据える場合は、抵抗-30の計算を忘れないように注意しましょう。以上から、タイプ間の有利不利は特にないと考えています。強いて言えば鋼タイプは確かに強いということだけです。

他に細かい特徴としては、

・Cにサポートがないことで昨年よりもサポートが貧弱である
・進化ポケモンを確定サーチする手段がないに等しい
・山札をシャッフルすることが非常に少ない
・トラッシュに送る手段がほぼオニオンだけである
・エネ加速が難しい

ということが挙げられます。
サポートの枚数は3~4枚になることが多く、昨年と比較すると1~2枚ほど少なくなります。さらに、サポートの内容もポプラ以外縦引きしかなく、そのポプラですら25%で効果なしになってしまうという枚数・効果共にあまりに心許ない構築を強いられます。また、ポケモンをサーチする唯一のグッズがスーパーボールであり、これも上から7枚の範囲でしかサーチすることができません。これは、仮にボトムに最初のカットでVmaxが落ちているorマリィで手札から流されるとすると、山札をシャッフルしない限り対戦が終わる頃になってもVmaxに触れないということもざらにあるということを意味します。しかし、そのシャッフルする手段自体も少なく、シャッフルしてもボトム落ちのケアができるかもしれないだけで、手札に加えることを保証するものではないので、Vmaxに限らず確定サーチが限られるこの環境で「あのカードが引けなくて負けた」というのはよくあることかと思います。ただ、よくあるからといってそれに甘んじるようでは当然勝てません。極端な話、「Vmaxのみをアタッカーとして想定して組んだ結果、Vmaxに進化できず負けた」ということであれば、私は「そもそもサブアタッカーを組み込んでないのが敗因ですよね」と言いたいです。ボトム落ちに限らず、ポケモンカードはそもそもサイド落ちという概念があるので、それでもなんとかなるように組むのはシールド戦だろうが通常のルールだろうが同じではないでしょうか。
話が脱線しかけましたので戻します。本シールド戦ではトラッシュに任意のカードを送る手段がオニオンしかありません。これはどう影響するかというと、ディアルガの上ワザのエネ加速の手軽にできないことに繋がります。無1エネで鋼2エネを加速できるのは非常に強力ですが、最序盤に鋼エネを落とす手段はオニオン以外ありません。そのため、逃げエネで支払ったコストをエネ加速に利用するという使い方になるのですが、それはつまり今まで手貼りしていた分を回収して付け替えているだけに過ぎず、エネ加速とは少し違うように感じます。また、ワザのコストでトラッシュすることもありますが、そのワザ自体の必要エネが多く、結局テンポを作りたい序盤のエネ加速には繋がりません。
他のエネ加速手段となると、ケララッパは比較的手軽ですが進化時にのみ使える特性であり、やはり使い辛さが目立ちます。ザルードV、セキタンザンVmaxもエネ加速をすることができますが、どちらもデッキの主軸を担うポケモンであり、そもそもパックから引けるかどうかという問題があるため、どのエネ加速手段も難があります

3.例年のシールド戦との差異に付随する注意点

昨年までにもシールド戦は開催されてきましたが、そこで培ってきたシールド戦特有の考え方やテクニックが本シールド戦においても流用できる部分は大いにあります。しかし、それが全てではなく、むしろその昨年までの考え方やテクニックをバージョンアップしないまま臨んでしまうと、思ったように勝てないはずです。今年のシールド戦には今年なりの考え方やテクニックも必要になってくるので、特に昨年と比較しながら注意しなければならない5つのポイントを押さえていきたいと思います。

①エネ加速が限定的であり致命的である
本シールド戦では昨年のロトムやグラードンのような低レアリティのたねポケモンでお手軽エネ加速はできません。ディアルガはワザだけであればお手軽エネ加速ができますが、先述のとおり噛み合うカードがなく、活かすのが難しいのが現状です。また、低レアリティであればケララッパがいますが、1進化であることと、ランダム性のあるエネ加速で使い辛さがあります。ザルードVであれば唯一お手軽エネ加速と言えますが、高レアリティゆえに引けなかった場合の戦術は考えなければなりません。セキタンザンVmaxやマホイップVmaxも同様です。
しかしながら、シールド戦におけるエネ加速は意味合いがあまりにも重く、エネ加速ができるのとできないのとでは盤面に差が大きくつきます。容易ではないですが、エネ加速自体は可能な環境のため、必ず何かしら構築に盛り込まなければなりません。

②ワザのコストパフォーマンスを考える必要がある
逃げエネが全体的に重いという特徴については触れましたが、よくみるとワザに関しても全体的に重いです。強いワザが要求3エネ以上がほとんどであり、要求2エネはそもそもワザ自体が少なく、その中で強いワザはさらに限られます。となると、要求1エネのワザが使う回数も多く重要になるのですが、攻撃ワザになると30ダメージ出せるものが少なく、それが優秀なワザのラインであることがわかります。また、補助ワザになると序盤に使いたい2ドロー以上のワザが今年はなく、代わりにシロナと同じ効果を使えるワザがあるくらいです。他にベンチに直接2体サーチできるワザや基本エネルギーを2枚サーチできるワザもそれ自体は優秀です。
つまり何が言いたいかというと、3エネあれば強いワザを使えるのは当然なので、要求1エネと要求2エネの中で強いワザを意識しましょうという話です。特に、要求2エネのワザは通常必要な3エネよりも一手少なく使えます。エネ加速が難しい本シールド戦ではいかに限られた数のエネルギーを有効に使えるかが鍵になるので、ワザのコストパフォーマンスはポケモンの評価で重要視すべきです。

③サポートが貧弱であり、サーチ手段も山札シャッフル手段も限られる
昨年のシールド戦と圧倒的に異なるのは、枚数が少ない上にその内容も強力でないサポートの状況です。昨年のシールド戦の経験者であれば、デッキが明らかに回りにくくなっていることが体感的に理解できると思います。サポートはポプラを除き全て縦引きであり、グッズのスーパーボールも縦7枚の範囲でしかサーチできません。他のサーチ手段もほとんどなく、それゆえに山札の一番下に主軸となるカードがいってしまうことはサイド落ちとほぼ同義になります(サイド落ちならぬボトム落ち)。本シールド戦ではマリィの存在で、例えばVmaxが山札の下に流されてしまうことも珍しくないため、それでゲームエンドにならないよう山札のシャッフル手段があるか意識すべきです。ただし、その山札シャッフル手段自体がサポートの貧弱さに由来して少なく、注意が必要です。

④ベンチ呼び出しのリスクが小さく、ベンチ狙撃手段も限られる
カードリストで明らかですが、ベンチのポケモンをバトル場に呼び出す手段はポケモンキャッチャーしか存在しません。さらには、そのポケモンキャッチャー自体の成功率が50%であり、そもそも引けないピックもざらにあります。となると、1対戦の中でポケモンキャッチャーを有効に使われて成功する確率を考えると、少なくとも50%は下回っていることがわかります。これにより、戦術として呼び出しリスクを考慮せずにバトル場の壁役のポケモンが倒されるまでベンチをゆっくり育てるということが本シールド戦においては有効です。ベンチ狙撃手段が限られるのもベンチが安全地帯と見做せる一因になっています。

⑤逆転要素があまりにも少なく、逆転するのが困難である
通常サイド6枚で対戦が始まりますが、シールド戦ではサイド4枚と少ない状態からスタートします。そのため、本来なら0-5からの6-5で逆転できるプランが存在したとしても、サイドが4枚取られた時点で負けになってしまいます。このように単純にサイドの有余がないというのはシールド戦の共通の特徴ですが、それに加えて本シールド戦では逆転の可能性を秘めたような状況を一変させるようなカードが非常に少なく、また使いにくいです。昨年では主軸となるGX全てに特性やワザの効果で相手の足止めができる性能が備わっていました。本シールド戦では妨害ができるVとして挙げられるのはデンリュウVとマホイップVのみになりますが、どちらも妨害性能としても攻撃性能としても微妙であり、特にマホイップVはVmaxに進化する前に前線で戦わせるのはリスキーなので避けたいところです。最も足止めしたい相手はVmaxですが、それを確実に止められるのはメタグロスやゼクロム、ザマゼンタといった扱いが難しいポケモンになります。準備している間にサイドが間に合わないことも多く、逆転要素がないわけではないものの現実的に厳しいというのが本シールド戦では要注意です。

4.ゲームプランの基本方針

通常のルールと異なりサイドが4枚しかないので、どう取っていくかということと、どのように取られていいのかを明確にしておかなければなりません。
ベンチを狙われる心配があまりないため、基本的に差し出すサイドの枚数は自らコントロールすることが可能です。最も都合が良いサイドの取らせ方は当然ながら1-1-1-3や1-2-3のような結局計6枚取らせるようなプランになります。どのタイミングでもVmaxが倒されたら基本的に負けになるので、Vmaxは最後の砦として踏ん張ってもらい、詰めていく運用になります。序盤からVmaxを削らせながら戦わせるのは非常にリスキーだと言えます。また、非Vだからといって簡単に倒させるのも後々取り返しのつかない状況になりかねないので、できるだけ生存させる方向で考えましょう。
逆に、こちらにとっての理想のサイドの取り方としては1-3や1-2-1のようなちょうど計4枚取るサイドプランになりますが、そう都合良く取らせてもらえないのはお互い同じなので、どのタイミングでもVmaxをしっかり処理できるルートを確保しておかなければなりません。進化前のVが出た時点で、せめて二撃で倒せるような盤面を作ることを意識しましょう。当然ながら、そういった処理ルートをデッキに盛り込んでいなければその盤面を作るのは不可能なので、構築する時点で想定しておかなければなりません。

5.採用する可能性が(ほぼ)ないカード一覧

伝説の鼓動カードリストで使用できるのは全部で79種類のカードがあります。どのカードを採用するかを考える上で、思考の妨げになるカードは先に排除してしまった方が、効率的に最善のデッキ構築ができるでしょう。したがって、先に不要リストとして列挙して整理します。ただし、()付きのカードについてはごく一部の特殊な状況下でのみ採用する可能性がゼロではないことを示しています。その特殊な状況も含め各カードの詳しい解説については後述します。

不要カード一覧【カードリスト順】
草:(ビードル)、コクーン、スピアー、クヌギダマ、シェイミ、ダダリン
雷:バチンウニ
超:カゲボウズ、ジュペッタ、(ゼルネアス)、(ディアンシー)
闘:ウパー、ヌオー、ツボツボ、レジロック、リオル、イワンコ、ルガルガン
鋼:フォレトス、ルカリオ
無:ルギア、レックウザ、ペラップ
トレーナーズ:英雄のメダル
UR:(ヤレユータン)

計25種が不要でした。皆さんと評価は一致していたでしょうか。一致していなければ、なぜそのカードを評価しているのか、またはそれが必要なのかを今一度考えてから後述の解説を参考にしていただければと思います。

6.ほぼ必ず採用するカード一覧

さて、不要なカードを除くと残り54種となりました。汎用的なカードが非常に少ないカードリストですが、やはりほぼ必ず採用すべきカードはあります。“ほぼ”としているのはそれでも絶対とは言い切れない場合があるからです。一応、私が煮詰めた全パターンのデッキには採用しているので基本的には採用するという認識で問題ありません。先述の不要カードと同様にリストとして列挙し、詳しい解説は後述します。

採用確定カード一覧【カードリスト順】
草:ザルードV
雷:―
超:マホイップVmaxライン
闘:セキタンザンVmaxライン、ザマゼンタ
鋼:ハガネールV、ダンバル、ジラーチ、マギアナ
無:トゲキッスV、トゲキッスVmax、ケララッパライン(ドデカバシ除く)
トレーナーズ:スーパーボール、ポケモンいれかえ、ポケモンキャッチャー、ゴツゴツメット、おとなのおねえさん、オニオン、ポプラ、マリィ、ジムトレーナー
特殊エネルギー:ツインエネルギー
UR:タフネスマント

主軸となるVmaxラインは当然採用です。SRやRR単体で進化前Vを引いた場合は、Vmaxラインが揃えば当然採用します。トゲキッスVは単体で優秀なので確定採用です。マホイップVはワザが優秀なので採用の可能性はありますが、セキタンザンV単体では採用はほぼないでしょう。
その他VについてはデンリュウVのみ確定採用ではないものの、基本的には採用します。これは特にRの引きによって採用するかどうかが変わるためです。
英雄のメダルを除くトレーナーズは思考停止で全て採用するのがセオリーですが、モーモーチーズのみ確定とはしていません。基本的に採用して問題ないのですが、どうしても1枚抜かなければならない状況になった場合、モーモーチーズが強いて言えば優先度が低いです。
特殊エネルギーであるツインエネルギーも基本的に採用します。ツインエネルギーに対応するポケモンを1枚も採用しない場合は別ですが、それはほとんど起こり得ません。対応するポケモンに付けられれば実質エネ加速であり、逃げエネ2を実質1にすることもできるというメリットが大きい割に、エネルギーとして無駄になることはほぼないため、採用しない理由がありません。
AR枠ですが、必要エネルギーの種類の多さから構築に組み込むのは難しいです。しかし、ザマゼンタはその中でも比較的組みやすい鋼・雷タイプを含みながら、2つのワザの性能が非常に高いです。ザマゼンタはVmaxと同等レベルの性能であると私は認識しています。ジラーチについては、特性により実質0エネで1ドローであり、ジラーチでデッキを掘りながらベンチにエネルギーを貯められるので採用しない理由はありません。ただし、ワザを使おうと考えてはいけません。

さて、最重要であるC、U、R枠からはダンバル、マギアナ、ケララッパラインの3種は採用確定と考えています。

・ダンバル

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ドロサポ、サーチ手段が貧弱であるこの環境において鋼1エネで任意のたねポケモンを2体もサーチできるという非常に優秀なポケモンです。昨年のロトムに比べると圧倒的に見劣りしますが、それでもカードリストを眺めればダンバルしか適任がいないことがわかります。特に逃げエネ2が重く、ベンチに展開する役割を果たした後に置き物になりがちなところは否めません。しかし、それを差し引いてもメリットの方が大きく、最もくだらないたね切れで負ける可能性を下げることもできるので、採用しない理由はほとんどありません。レアリティがCなので、1~2枚は引ける前提でデッキを考察して問題ない点も高評価。進化先も収録されていますが、メタグロスは流石に2進化だけあって優秀なもののメタングはかなり弱いので、進化ラインをまとめて採用するかどうかはピックによります。
また、ダンバルは山札をシャッフルできる数少ない手段でもあります。ワザの効果で進化前Vがボトムにあったとしても直接サーチできるのは当然として、ボトムに存在するVmaxの位置をリセットできる手段としての側面にも注目です。

・マギアナ

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ダンバルと同じく鋼1エネでワザが使え、ドロサポ、サーチ手段が貧弱の環境でなんと実質シロナを連打することができます。それだけでも優秀ですが、下ワザの〈からくりカノン〉は2エネで最高110ダメージを出すことができ、逃げエネ1と軽く、HP90の草抵抗でザルードVの攻撃を耐えるというベストオブ有能。ダンバルと同時に採用すると安定感がさらに増します。残念ながら、レアリティがRのため、マギアナありきでデッキを考察しにくいです。
また、ダンバルと同じくデッキをシャッフルできる数少ない手段の一つであり、マギアナの場合はVmaxを手札に加えられる可能性もあるため、ダンバルとマギアナは採用確定以外あり得ず、この2体だけのために3色目として鋼エネを採用する価値はあります。

・ケララッパライン

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どのデッキにも採用しない理由はない貴重なエネ加速手段の一つです。最高でエネ加速3枚できますが、1枚だけでも非常に強いです。進化したタイミングでしか特性が使えないため、できるだけダンバル、スーパーボール等でデッキを圧縮してから使用するのが基本となります。
また、ケララッパも山札をシャッフルする数少ない手段の一つです。ちなみに、3枚とも基本エネルギーで戻すカードがなかったとしてもシャッフルは必ずします

以上、低レアリティ3種で盤面を展開する基礎となります。そして、これにメインのVmaxと対応しなければならない仮想敵への必要なサブアタッカーを据えることでデッキを決めていきます。
根本的なところですが、この基礎からデッキを構築することでどういったメリットが得られるかというと、“再現性”に尽きます。この環境ではとにかくサーチ手段に乏しく、トレーナーズもポプラ以外縦引きのカードしかありません。サーチなしでデッキを回した場合、上から順に引いていったカードで勝負するしかなく、仮に最初のカットの時点でボトムにメインのVが沈んだとすると、その対戦では最後まで引けずに勝敗が付くということもあるでしょう。サイド落ちだけでなく、ボトム落ちというリスクまで抱えてしまうと所謂“運負け”が増えてしまいます。縦引きだけで揃うのはただの上振れでしかありませんし、最高で5戦もしなければ優勝できないので、再現性を求める私の方針は妥当であると考えています。

7.全79種カード評価・解説

採用する可能性があるカードは画像を載せています。また、評価・解説は主にカードリスト順になっています。

・ビードル

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実はワザが優秀で、草1エネで任意の草ポケモン2体を手札に加えることができます。ダンバルと異なり、草限定ではあるものの進化ポケモンもサーチできる上に逃げエネ1で軽いため、ダンバルより優先して採用することもありそうに思われますが、残念ながらその肝心の草ポケモンが軒並み弱いです。そのため、ビードルは基本的にノイズにしかならず採用することはありません。しかし、唯一採用する場合があります。それはザルードVを2枚引けた場合です。基本的にSRのザルードVを引き当てないと実現できませんが、ザルードVとザルードVで〈ジャングルライズ〉のループに入ると200以下のダメージを無効化することができるので、早急に場に2体用意できるビードルはこの場合のみダンバルと同等以上に評価が高いです。頭の片隅に入れておきましょう。
実は数少ない山札シャッフル手段の一つです。

・コクーン
何も評価するところがありません。

・スピアー
名探偵ピカチュウ収録のゲッコウガGXと同じ特性〈しんしゅつきぼつ〉が面白いですが、手札をスピアー1枚にする手段がありません。そもそも、特性を上手く使えたところで強くありません。素直に2進化などもってのほか。採用してもノイズにしかなりません。

・タマタマ - ナッシー

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上ワザの〈ドタマわり〉が優秀です。ワザが1つしかないポケモンに対して逃げられなければ完封することができます。特にマホイップVmaxやセキタンザンVmaxに対して効果的です。セキタンザンVmaxは攻撃できるワザが2つありますが、下ワザをロックすることで上ワザを耐えられるHP140により確実に1ターン止めることができます。〈ふんかだん〉の失敗が続けば最大3ターン止めることができるので、劣勢でもその間に体勢を立て直せる可能性があります。Vmaxを止められるポケモンは非常に少ないので、マホイップVmaxやセキタンザンVmaxが構築でどうしても重い場合のみに採用候補に挙がります。下ワザの〈ソーラービーム〉もツインエネルギーに対応しつつ90ダメージ出せるのはそこまで悪くはないです。〈ドタマわり〉で時間稼ぎができるようならエネルギーをナッシーに回せる場面もないことはないでしょう。

・ヤンヤンマ - メガヤンマ

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メガヤンマラインは無エネでワザが使えるため、どんなデッキにも草タイプとして入れることができます。草タイプを入れるメリットは当然セキタンザンVmaxへの対策になります。弱点を突いても一撃で倒す火力はないものの、メガヤンマの〈とんぼがえり〉→〈カッターウインド〉でセキタンザンVmaxを倒すことができます。〈とんぼがえり〉で弱点100ダメージを与えながらベンチに下がるのが偉く、倒されてせっかく付けたエネルギーがなくなるという心配がありません。また、ツインエネルギーにも対応していることでワザが使いやすいところも高評価です。ついでに、貴重な逃げエネ0のおまけ付き。
進化前のヤンヤンマもそこそこ優秀で、HP80とそこそこ高く、1エネで〈とんぼがえり〉が使え、逃げエネ1で軽いので、先発スタートしても悪くないです。
また、〈とんぼがえり〉はエネを場に残しながらダメージを与えるのが優秀ですが、エネを場に貯めるという性質上マホイップVmaxと相性が良いです。打点調整という意味でも、マホイップVmaxが倒すのに必要なエネルギーを節約できるので、マホイップVmaxの課題であるエネルギー不足を補ってくれます。

・クヌギダマ - フォレトス
フォレトスの〈あいうちボンバー〉が特殊なワザであり、Vmaxだろうがなんだろうが一撃で倒すことができます。しかし、こちらもサイドを1枚献上してしまうので、使い所が非常に難しいです。ワザを使うにも4エネが必要でかなり重く、エネ加速は必須かと思います。また、序盤にテンポで負けていると、サイドを1枚献上する余裕はないでしょう。逆に、序盤でテンポで勝っているのならあえて〈あいうちボンバー〉を使うプランでなくとも勝てるでしょう。したがって、明確に有効な場面がないと考えられるため、採用は不要です。

・セレビィ

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草1エネだけで30ダメージ以上が出せるコスパが良い〈エナジープレス〉が優秀です。特に、完成したセキタンザンVmaxに弱点込み240ダメージが見込める点はアメイジング。〈アメイジングブルーム〉は進化先をサーチできる貴重な手段になり得ますが、そのためにデッキを歪めてまで雷・超エネルギーを採用する価値はありません。

・シェイミ
〈はなはこび〉により50%で相手をボトム送りにできます。表が出せれば確かに強力なワザですが、HPの低さから試行回数が稼げず、必要な2エネを無駄にするリスクが高過ぎます。カウンターゲインのようなカードがあれば評価は変わるでしょうが、この環境では採用はしなくてよいでしょう。

・ゲノセクト

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貴重なベンチ狙撃ができる〈ちょくげきだん〉が優秀。逃げエネが全体的に重めに設定されている本シールド戦では、バトル場に置き物がある限りゲノセクトが一方的にサイドを取りにいくことができます。上ワザだけを使うプランで採用するのもアリです。

・ダダリン
〈スペシャルアンカー〉は条件を満たすと120ダメージと良い火力が出せますが、その条件が特殊エネが付いているというもの。アロマ草エネルギーorツインエネルギーを付けたいですが、サーチ手段はポプラしかありません。しかし、そのポプラを高々ダダリンの120ダメージのために消費するのは割に合いません。そして、条件を満たせなければ3エネ60ダメージしか出せず、逃げエネ3とかなり重いことから評価は非常に低いです。ダダリンよりも採用を優先すべきカードが必ずあるので、採用することはまずないでしょう。

・ザルードV

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貴重なエネ加速手段の一つです。迷わず採用しましょう。〈ジャングルライズ〉はエネ加速だけでなく、HPを完全回復させる効果もあるので、手負いのVmaxを復活させられると非常に強力です。
万が一、ザルードVを2体引けた場合は200ダメージ以下を実質無効化できるループができるので優勝です。

・デンリュウV

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弱いわけではないですが、決して強くはありません。同じV枠のザルードVやハガネールVに比べると明らかに見劣りしてしまいます。2エネで50ダメージ+混乱の〈せんこうだん〉を活かすことになりますが、Vを使ってまでやることなのかと疑問が残ります。確かに貴重な混乱要員なのですが、混乱自体が不安定な上にデンリュウV自身も決定打に欠けるのが難点です。ベンチ狙撃が少ないので、〈ダメージスパーク〉はコンボを狙うよりもベンチに逃げた相手を仕留める意味合いが強いでしょう。ゲノセクトと絡ませられればサイド2枚取りが狙えますが、3エネ起動は簡単ではありません。少々扱いにくいので、場合によっては採用しない場合があります。

・ライコウ

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AR枠の中では当たりカード。サイド複数取りが前提になるワザが非常に強力です。起動には3色必要ですが、ダンバルと組みやすい鋼、ザルードVと組みやすい草が含まれているので、デッキを歪めにくいのも高評価。

・ラクライ - ライボルト

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進化時に3ドローできる特性〈ハイスピード〉と逃げエネ0が優秀ですが、進化ラインを採用してまでやることなのかは微妙なところです。ドロサポが下振れた場合は採用せざるを得ないことがありますが、基本的には消極的に採用することになります。

・バチュル - デンチュラ

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進化後にも関わらずHP90と耐久面は心許ないですが、2エネで大ダメージを狙える〈おいうちショック〉が強いです。〈おいうちショック〉はわかりやすく解釈すると、相手のダメージを3倍にするという効果になります。予め110ダメージを与えておけばVmaxを倒すことも可能で、特に同じ雷タイプのゼラオラとの相性が良いです。また、火力の低いことがネックのトゲキッスVmaxの相方として私は高く評価しています

・ゼクロム

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〈ワイルドショック〉が確定マヒで非常に強力であり、Vに匹敵するほどの高性能であると評価しています。デンリュウVよりも強いです。ただし、反動ダメージで2回までしか〈ワイルドショック〉を連打できません。また、ゴツゴツメットを付けられていると反動ダメージ2回で倒れてしまうので、扱いには注意が必要です。
ハガネールVの反撃を許さず倒せるのはゼクロムとマホイップVmaxだけです。非Vのポケモンの中でも一つ頭が抜けています。
Vmaxに対しても〈ワイルドショック〉を2回撃った後、そのまま相撃ちにもできますし、逃げて他のポケモンでとどめを刺す選択肢もあり、単独でVmaxを処理できるというジョーカー的な役割が非常に重要です。

・ゼラオラ

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対V限定ではありますが、2エネ110ダメージという破格のワザを持ちます。逃げエネ0というのも非常に優秀です。しかし、HP100なのでザルードVのジャングルライズを耐えないのが唯一残念なところ。トゲキッスVは弱点を突いて一撃で倒せるので、場に出しておくと強い牽制ができます。先述しましたが、デンチュラとの相性が良いです。

・バチンウニ
貴重なベンチ狙撃手段ではありますが、流石に10ダメージではあまり意味がありません。デザイナーズコンボとしてはデンリュウVの〈ダメージスパーク〉と組み合わせることを想定しているのでしょうが、仮想敵が相手の場に出ていないと発揮できず後から出されるとプランが崩れやすいことから、思った以上に難易度は高いです。

・ピッピ

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コイントス次第ではあるものの、ツインエネルギー1枚で相手のワザを使えるのが強力です。正直コイントスには頼りたくありませんが、1回の手貼りでカウンターできる可能性があるのはこのピッピだけです。また、先発スタートしても悪くなく、相手のダンバルを利用できる等の器用さもあります。ツインエネルギーが引けていて、サブアタッカーならびにたねポケモンが少ない場合に採用候補になります。

・ピクシー

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状態異常対策とついでにHP回復ができます。マホイップVmaxやセキタンザンVmaxといった逃げエネが重くHPが高いポケモンと組み合わせると真価を発揮します。ただし、超エネルギーが付いていないと特性を使えないため、セキタンザンVmaxと組み合わせる場合は注意が必要です。採用する場合は積極的に利用しなければノイズにしかならないと思うので、2-2で引いた場合に採用を一考します。進化前のピッピが優秀なので採用しやすい点も評価できます。

・キリンリキ

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HP90と高めで、逃げエネ1と軽く扱いやすい貴重なベンチ狙撃要員です。超エネルギーが必要なので、当然ながらマホイップVmaxと組ませることになりますが、〈サイコパワー〉によりマホイップVmaxの打点調整が2体同時に可能です。トゲキッスVmax(HP310→300)やハガネールV(HP250→240)等に10ダメージずつ乗せることで、マホイップVmaxの〈キョダイホイッパー〉の消費エネルギーを節約することができます。打点は低いものの、キリンリキを壁にしながら打点を調整し、耐えている間にベンチにエネを貯めるという使い方を私は想定しています。
〈しっぽでさしず〉は相手だけジャッジマンさせるという効果があります。序盤でやたらドロサポを消費した後であれば刺さる場面もあるでしょう。相手の手札の枚数だけでなく相手のプレイングを見て、手札を戻させるかどうかを判断する必要があり、考えなしに手札を戻させると却って相手を助けてしまう場合もあるので、安易に〈しっぽでさしず〉を撃つのは控えましょう。

・カゲボウズ - ジュペッタ
進化時に特性〈たいかののろい〉で相手のベンチ1匹を退化させることができます。バトル場に居座る相手を退化できないので、使い勝手が非常に悪く、手負いのVmaxがベンチに逃げたのを仕留める使い方になります。しかし、カゲボウズがこちらの場に見えていれば、相手視点としては対応は難しくありません。それよりも、こちらのデッキのノイズになる方が問題です。採用価値はありません。

・デデンネ

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一見するとあえて採用するカードでもないように見えますが、私は「デデンネなしでは負け確になることが普通に起こる」という認識をしています。
シールド戦において序盤のテンポロスはそのまま敗北に繋がります。それはこちらの下振れで起こることもあれば、相手の上振れで起こることもあります。こちらの下振れは突き詰めれば自分の構築の問題と反省できる点もあるでしょうが、相手の上振れだけはどうしようもありません。例えば、相手に先2でセキタンザンVmax進化からふんかだん130を連打されることがあれば、それで今年のシールド戦は終了です。あまりに理不尽ですが、それは無視できるほど低確率というわけでもなく、それなりに起こり得ます。それを割り切れる方はいいですが、私はできなかったのでこのデデンネに注目しました。
上振れセキタンザンVmaxを想定すると、使い方としてはダンバルから呼び出す1体でデデンネを選びます。ダンバルが倒された後に超エネ手貼りからデデンネで混乱させ、時間稼ぎを狙います。ダンバルスタートでなかったとしても、デデンネまで突破された時点でまだサイドが1枚残っているので、敗色濃厚ではあるもののその後の展開次第で逆転の芽はあります。しかし、デデンネで混乱させなければ確実に負けています。ここに採用価値を見出すかは人それぞれでしょうが、私は評価しています。たねポケモンで1エネで逆転要素のあるカードがデデンネしかいないので、カタログスペックだけで採用候補から除外するのは早計かと思います。

・ゼルネアス

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〈ジオハント〉が非常に優秀で、序盤から一度使用したドロサポを連打することができます。しかし、そのドロサポを最初に素引きしなければ使えません。書いてあることは強いですが、使い勝手は思った以上に悪いです。デデンネとは逆の意味でカタログスペックだけで判断してはいけません。また、〈ジオハント〉以外は弱く、逃げエネ2と重くて柔軟性がなく、〈オーロラゲイン〉も必要エネの割には火力が低くてゼルネアスで攻撃することはほぼないでしょう。採用する場合は、サポート5枚以上+スーパーボールが引けているのが最低条件、かつマギアナが引けていない場合に限ります。引けているならマギアナに寄せた方が強いです。練習で採用した感想を言うと、「一度も役に立ったことはない」です。

・ディアンシー

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R枠ですが、特に強い要素はありません。特性〈きらめきのベール〉でベンチ狙撃をケアできる唯一のカードですが、ベンチ狙撃が希少なのでメリットはほとんどありません。ディアンシー自身が受けるダメージが-30されるので、ピクシー2体が並んだ盤面であれば面白そうですが、所詮“面白い”止まりです。また、〈センシングレイ〉はサポートを使えば120ダメージになりますが、サポートを使うという条件がシールド戦においては非常に厳しく、ダダリンの〈スペシャルアンカー〉よりも性能が低いです。逃げエネ1と軽い点は偉いので、サポートが多めに引けていてかつツインエネルギーを採用し、たねポケモンが少ない場合には採用の可能性がほんの少しあります。

・マホイップV - マホイップVmax

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Vmaxの中で最大火力を出せる青天井系のワザ〈キョダイホイッパー〉と、その必要コストを自身で補える〈かざりつけ〉が上手く噛み合っているのが魅力です。TwitterではマホイップVmaxを引いた時点でシールド戦終了とまで低評価をしている人も多く見られますが、個人的にはセキタンザンVmaxよりも単体性能は評価しています。マホイップVmaxは良くも悪くも盤面で確定していることしかできませんが、その分Vmaxを一撃で倒すポテンシャルを備えており非常に強力です。マホイップVmaxに低評価を付けている多くの理由は「盤面のエネが足りなくなる」でしょう。基本的に1ターンに1枚しかエネルギーが増えないのに、HP120の非Vを倒すだけでもエネルギー2枚をトラッシュしなければならないので、言い分はもっともだと思います。しかし、それは使い方を間違っているからそのような状況に陥るのであって、正しくマホイップVmaxを使えばしっかり勝ち切ることができます。
私がマホイップVmaxのピックでデッキを組む際に意識していることは、いかにマホイップVmaxをサブアタッカーとして位置付けられるかということです。マホイップVmaxで全てを薙ぎ倒そうとすればエネルギーが足りなくなるのは明白なのですから、あくまでサブアタッカーとしてプランニングし、基本的に他のポケモンでサイドを取りにいける構築にすることが重要です。「Vmaxはデッキの要でメインアタッカーだ」という当然の考えをマホイップVmaxに限っては逆転させる必要があります。
さて、〈キョダイホイッパー〉の圧倒的火力を担保する〈かざりつけ〉も使う場面は限られるものの、非常に強力です。〈かざりつけ〉を使う隙に二撃圏内にダメージを受けると元も子もないですが、詰められる場面で使用すれば勝ち確にすらできます。特にキッスザルードには滅法強く、こちらはトゲキッスVmaxでもザルードVでも攻撃を2耐えしながら、〈かざりつけ〉→〈キョダイホイッパー〉でザルードVで回復されずに一撃で倒すことができます。
逃げエネ3と非常に重いので混乱やワザのロックが刺さりやすいですが、ワザ自体は2エネで比較的軽く起動できるので、一度逃げて立て直すことも可能ではあります。というよりマホイップVmaxは一度逃げて最後に〆る動きをすることが多いので、予めマホイップVmaxに3エネ以上付けておくことも想定しておきましょう。
また、進化前のマホイップVの〈スイートスプラッシュ〉はたねポケモンをロックできる超優秀ワザです。タイプ相性では不利なハガネールVを一方的に倒すこともできます。エネ拘束も厳しくないので、マホイップVだけを引き当てた場合でも採用する一考の価値はあるでしょう。

・ザシアン

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Vmaxに対して300ダメージという高火力を出せますが、一撃で倒すに至らないので評価はそこまで高くありません。マホイップVmax、ザルードVと同時に引けたピックでは迷わず採用しますが、それ以外でデッキを歪めてまで採用するのは厳しいです。〈きんぞくぶそう〉は1エネ30ダメージだけでも優秀なので、噛み合わない色のエネルギーを3枚ほど採用して上手く〈きんぞくぶそう〉を使えればラッキー程度の期待で採用するならナシよりのアリです。

・ウパー - ヌオー
〈きまぐれインパクト〉が条件付き180ダメージを出せますが、180ダメージ出せることにあまり意味はなく、ましてや進化して3エネが必要なので、採用価値は一切ありません。仮に250ダメージであれば一考でした。

・ツボツボ
唯一のLO要員。コイントスのプロなら1ターンで勝負を付けられる可能性もありますが、山札を何枚かトラッシュすることで得られるメリットは大してありませんし、貴重な手貼り権をツボツボに使うデメリットの方が大きいです。採用価値なし。

・レジロック
R枠でありながら130ダメージが出せること以外に特に強いことも特徴的なことも書いていません。折角130ダメージが売りの〈メガトンフォール〉は自分にも30ダメージの反動があり、要求3エネを付けてまで場持ちが悪くなるデメリット効果は厳しいものがあります。闘メインでも採用することはないでしょう。

・リオル - ルカリオ
ルカリオがたねポケモンなら流石に強いですが、1進化ポケモンではあえて採用する価値は低いです。HP140であれば評価は違ったのですが、残念ながらHPは130しかなく、逃げエネ2で重いのもワザ〈ナックルインパクト〉と相性が悪いところも使い勝手が悪いです。ワザの効果で連打ができないので、3エネ160ダメージを出したいだけなら採用しやすいドデカバシで充分です。鋼エネの拘束も厳しいため採用するのであれば必然的に鋼に構築を寄せることになりますが、あえて採用したところで活躍がマホイップVmaxに弱点を突いて一撃で倒せるところ以外に見当たらず、鋼に寄せていてなおマホイップVmaxが重いという状況は想定できません。よって、採用することは基本的にないでしょう。

・ジガルデ

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HP150で非常にタフなのが特徴です。また、1エネ30ダメージも優秀です。〈コアリベンジャー〉はツインエネルギー対応の3エネで素点80はそこまで悪い性能ではなく、条件を満たせば160ダメージ出せるのも良さげです。ストーン闘エネルギーに対応する闘タイプなので、上手く付けられれば非Vらしからぬ耐久力を発揮してくれるでしょう。セキタンザンVmaxと同じピックであれば是非採用したいところです。

・イワンコ -ルガルガン
ルガルガンに進化しても弱いです。採用する価値はありません。闘タイプなので、仮に採用するならセキタンザンVmaxと組ませることになるのでしょうが、それなら〈ふんかだん〉の当たり牌を増やすために代わりにエネルギー2枚を入れた方がいいでしょう。

・セキタンザンV - セキタンザンVmax

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Vmaxの中で最も高いHP330を誇りながら、序盤に進化できれば運次第ではあるものの1エネ130ダメージのお手軽高打点かつエネ加速でテンポを取れるという上振れ要素も持ち合わせています。自分で使う場合は〈ふんかだん〉に頼り過ぎると負け筋を作ってしまう反面、相手に使われる場合は上振れに対してどう立て直せるかで頭を悩ませられるというどちらにしても厄介な性能を備えています。また、HP330である上にストーン闘エネルギー対応のため、さらなる耐久力のポテンシャルがあり、モーモーチーズの回復だけで相手のプランを崩せる場合もしばしばあります。
単純な火力も非常に高く〈キョダイガンセキ〉の240ダメージを一発耐えられるポケモンはVmax以外にはハガネールVしか存在しません(ハガネールVに対してはゴツゴツメットで倒し切ることも可能)。したがって、セキタンザンVmaxを無傷で完成させて単純に殴り続けるだけで勝てます。無傷であることが大事なので、安易に〈ふんかだん〉で消耗させるのはもったいないです。できるだけ〈ふんかだん〉の上振れ頼りにならないようなゲームプランを立てましょう。
また、マホイップVmaxと同様に逃げエネ4と非常に重いので混乱やワザのロックが刺さりやすいです。ナッシーのロックには〈ふんかだん〉130ダメージ+ゴツゴツメットで対応でき、混乱には超エネの採用が悩ましいですがピクシーで対応できると回復も相まって強いです。メタグロスに対しては素直に逃げるかポケモンいれかえしかありません。逃げた場合は4エネも失うので、〈キョダイガンセキ〉の再利用は難しいでしょう。要注意です。
進化前のセキタンザンV自体の性能は高くないので、単体で採用することはまずあり得ません。

・ザマゼンタ

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AR枠では一番の当たりだと思います。VとVmaxの中間程度の性能があるという認識です。
〈アメイジングシールド〉は唯一のVmax完全耐性ワザであり、ロックするワザではないのでポケモンいれかえ等の小細工も通用しません。加えて、180ダメージもの高火力があり、非Vは全て一撃、マホイップVやデンリュウVも一撃、Vmaxは二撃で倒せるという超高性能です。相手の非Vを〈アメイジングシールド〉で倒しながら、相手にVmax以外の育っていないポケモンで相手をさせるのを強制させるのが良い動きです。〈きんぞくぶそう〉も1エネ30ダメージ自体が強い上にエネ加速付きで文句なしの優秀ワザです。
闘タイプ特有のストーン闘エネルギー対応も偉く、心許ないHP110を補えます。必要エネも比較的デッキを歪めにくい鋼を含む点もポイント。セキタンザンVmax以外のデッキで闘エネは流石に歪めますが、多少歪めてもその分活躍してくれるポテンシャルはあるので、Vmaxと同じくメインアタッカーとして採用になるでしょう。私なら必ず採用します。

・ハガネールV

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VというよりVmaxに近い性能をしているという感想を持ちました。セキタンザンVmaxの〈キョダイガンセキ〉すら耐えるHP250という高耐久と相性の良い〈レイジングハンマー〉が強力で、たった2エネで非Vを一撃で倒していきます。放っておくと5エネが付いて〈アイアンタックル〉の210ダメージが飛んでくるので放置もできません。対策らしい対策も特になく、それでいて草抵抗-30も厄介です。拘束エネも鋼1枚で他は無というどんな構築にも組み込めるお手軽さもあり、どこを見ても強いです。ほぼ確実にサイド1枚以上は取ってくれる安心感があります。
無策で倒そうとすれば被害は甚大なので、有効な手段を列挙していくと、

*デンリュウVやデデンネによる混乱による時間稼ぎ
*90ダメージ以上を与えてデンチュラの〈おいうちショック〉で二撃
*ゼクロムの〈ワイルドショック〉の確定マヒで反撃させず二撃
*マホイップVの〈スイートスプラッシュ〉でロック
*マホイップVmaxの〈キョダイホイッパー〉で一撃
*トゲキッスVの〈スピードウイング〉→トゲキッスVmaxの〈ダイグライド〉で二撃
*ゴツゴツメット+ドデカバシで〈エナジーカット〉→〈ループキャノン〉で相撃ち択(60+20+160+20=260ダメージ)

等が考えられます。汎用的な対策が一つもないのが難しいところですが、サイドが何枚取られても勝てるのかを考えながら打点を正確に刻んで倒しましょう。

・ダンバル - メタング - メタグロス

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ダンバルについては【6.ほぼ必ず採用するカード一覧】で解説したため、割愛します。必ず採用します。
そのダンバルの進化系であるメタングとメタグロスですが、メタグロスの特性〈ふゆうじば〉が非常に優秀。全体的に逃げエネが重く設定されているこの環境では戦術の幅が大きく広がります。また、〈レッグクエイク〉も進化ポケモンに対する希少なロックワザであり、特にVmaxに有効である点は見逃せません。地味にツインエネルギーに対応しているのもVmaxの猛攻をいち早く止められる点で素晴らしい噛み合いです。2進化ポケモンなので簡単には立ちませんが、採用確定のダンバルの進化先としてはあまりに優秀です。採用できるならできるだけ採用したいところです。
メタングはメタグロスに進化するためには採用せざるを得ませんが、性能はかなり悪いです。逃げエネも1増えるので、逃げてから進化するのを忘れないようにしましょう。

・ジラーチ

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AR枠では当たりの部類です。バトル場に出ているときだけ特性〈ゆめのおつげ〉でトップ2枚のうち好きな方を1枚引くことができます。シールド戦で1ドローの意味は通常よりも重く、盤面を相手より早く完成させる一助になるでしょう。〈アメイジングスター〉を使おうとするのは禁忌です。むしろ特性が実質0エネで1ドローであると捉え、ジラーチでデッキを掘りながらベンチにエネルギーを貯めるような使い方をしましょう。

・ディアルガ

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貴重なエネ加速手段の一つ。ただし、鋼エネをトラッシュに任意に送る方法がオニオンしかないため、考えなければなりません。基本的な〈クロックバック〉の使い方はダンバルで2回ワザを使い、ダンバルに2枚鋼エネを付けて逃げ、そのエネルギーを育てたいポケモンに付け直すというものになります。ディアルガ自身に付けて〈はかいのせんこう〉でサイドを取りにいくこともできるので、倒されそうになったら後続にエネを加速させて、攻撃の手を休めないようにすると良いでしょう。マホイップVmaxは消費エネルギーの種類を問わないので、終盤の詰めでディアルガのエネ加速が活きる場面も多々あり、意外と相性が良いです。

・ガラルマッギョ

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特性もワザもタイプも優秀です。特性〈はんげき〉は常時ゴツゴツメット強化版を付けているようなもので、〈はさんでしめる〉と合わせて120ダメージを出すことができます。ワザは無エネで使えるため、どんな構築にも入れやすいのも高評価です。ザルードVに対して滅法強く、〈はさんでしめる〉+特性〈はんげき〉+〈はさんでしめる〉の210ダメージで逃がさず確実に倒すことができます。ザルードVが残っているとVmaxを削っても回復されてしまうため、逃がさず倒せるのは非常に強力です。また、攻撃せずとも壁役として最適で、エネなしで30ダメージを返せるので戦略の幅を広げることができます。
採用確定ではないものの、ほとんどのデッキで採用することになります。

・マギアナ

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【6.ほぼ必ず採用するカード一覧】で解説したため、割愛します。必ず採用します。〈からくりカノン〉はベンチに3体いるとダンバルを一撃で倒せる70ダメージが出るので、ダンバルで〈なかまをよぶ〉を使う際にはベンチの置き過ぎに注意しましょう。

・ルギア
〈ウインドプレッシャー〉が条件付きで250ダメージが出せ、なんとハガネールVを一撃で倒すことができますが、相手の手札が6枚以上という条件が厳しく、相手が下手くそでなければ必ずケアしてくるでしょう。採用はしない方が無難です。

・レックウザ
AR枠ですが完全にハズレです。せめて拘束エネが闘ではなく鋼なら評価が変わっていたかもしれません。青天井系の〈アメイジングバースト〉はVmaxを一撃で倒すことも可能ですが、付いているエネルギーのタイプの数に依存するため、レックウザで高打点を出すように構築すると事故りやすくなるジレンマがあります。ワザを使うとエネルギーを全てトラッシュするので連打もできず、使い勝手も悪いです。採用しません。

・ペラップ
〈ちいさなおつかい〉自体は山札圧縮できる優秀なワザなのですが、本シールド戦では手札に大量のエネルギーを抱えても有効に使える場面がザルードVの〈ジャングルライズ〉しかなく、むしろケララッパの特性〈とつげきラッパ〉の当たりを減らしてしまうというデメリットの方が目立ちます。昨年のシールド戦では手札のエネルギーを有効利用できる手段はいくつかあったため同じワザを持つポニータが評価されていましたが、それと同じ感覚で採用してしまうのは危険です。AR枠のポケモンのためにピンポイントで採用した数少ない基本エネルギーをサーチする使い方であればワンチャンあるかないかといったところ。
一応、数少ない山札シャッフル手段の一つです。

・トゲキッスV - トゲキッスVmax

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Vmaxの中では無タイプということもあって最も使いやすく、展開も早く安定しているのが魅力です。Vmaxの中では一番の当たりであると素直に思います。〈ダイグライド〉は山札から任意のカードを2枚サーチできるため、少々無理のある構築にしても成立させることができます。間違いなく使いやすいですが、圧倒的に火力不足なのがネックです。任意サーチを駆使して、トゲキッスVmaxの課題である低火力を補うと良いでしょう。先述しましたが、特にデンチュラとの相性が良いので、〈ダイグライド〉から必要なカードを揃えられるのは安心感があります。
なぜか逃げエネ0であり、無理にメタグロスを立てる必要もないところはトゲキッスVmaxならではの評価点です。ワザのロックや混乱に対しても強いです。
進化前のトゲキッスVは〈しろきかぜ〉が1エネで進化ポケモンに90ダメージも出せるのが強力です。無タイプということもあり、トゲキッスV単体だけでも採用して損はありません。基本的に採用することになります。

・トルネロス

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1エネ30ダメージで逃げエネ1の無タイプということで紛れもなく優秀です。〈ジェットドラフト〉の追加効果で特殊エネ破壊ができますが、有効な場面は少ないです。一応頭の片隅に入れておきましょう。〈エアスラッシュ〉はツインエネルギーが絡むと2ターン目から120ダメージ連打ができるのが強いです。たねポケモンが足りないのであれば真っ先に採用候補になるでしょう。

・ツツケラ - ケララッパ

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ケララッパについては【6.ほぼ必ず採用するカード一覧】で解説したため、割愛します。必ず採用します。ケララッパを含むエネ加速手段(他にザルードV、ディアルガ)が一つもピックになければ勝つのは相当厳しいです。
ドデカバシはそこそこ優秀なアタッカーで流石に2進化ポケモンとして遜色ないないのですが、一般的に過剰に高い評価を受けているような印象です。事実、カタログスペックはかなり強いです。特に〈エナジーカット〉は確定エネ破壊が破格の性能で、場合によっては相手を釘付けにしてそのまま無傷で倒すことも可能です。しかし、ドデカバシに進化できるのは対戦の中盤以降です。その頃にはエネルギーがしっかり付いており、1枚トラッシュしたからといって相手の攻撃がそれで止まるということは非常に稀です。マホイップVmaxに対してはエネルギーを減らすということで確かに有効なのですが、それ以外には手貼りだけで反撃されて倒されてしまいます。ドデカバシが2進化ゆえに〈エナジーカット〉が真価を発揮する序盤に撃てず、撃てるようになる頃にはもう遅いという印象です。
〈ループキャノン〉の160ダメージはなかなか強力で、ツインエネルギーが絡めば毎ターン連打も可能です。160ダメージ自体が重要というわけではないですが、火力を出せることに越したことはないでしょう。
ちなみに、ハガネールVに5エネが付いていなければ、ゴツゴツメットを付けながら〈エナジーカット〉→〈ループキャノン〉で倒すことができます。

・スーパーボール

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本シールド戦ではドロサポと同等の働きをします。数少ない山札シャッフル手段の一つです。

・ポケモンいれかえ

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逃げエネが全体的に重い本シールド戦で上手く使えれば実質エネ加速と同じくらいの意味合いがあります。状態異常やワザのロック対策としても重要です。

・ポケモンキャッチャー

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本シールド戦において理不尽な負け要素であり、運勝ち要素でもあるカード。表なら勝ちであればいいですが、裏なら負けという状況には陥らないようにしたいところです。

・モーモーチーズ

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戦況を引っくり返す可能性を秘めるカード。確定数をずらして相手のプランを破綻させれば大きく勝利に近付きます。

・英雄のメダル
VmaxのHPを100下げる代わりに取られるサイドを1枚減らすことができますが、Vmaxは高耐久が売りであり、いかに倒されないようにするかが重要なので、あえて倒される前提でプランを組むのは逆に戦術の幅を狭めることになりかねません。不採用です。

・ゴツゴツメット

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火力を上げる手段がないため、擬似的に補えるゴツゴツメットの反動は使うタイミングが難しいです。思考停止で高耐久に付けても強いのですが、打点調整でここぞというときに付けると逆転の一手になり得ます

・おとなのおねえさん

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先攻サポート禁止のルールを破るカードが出てしまいました。このカードの存在もあり、本シールド戦では先攻を選んで間違いないでしょう。

・オニオン

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任意のカードをトラッシュに送る唯一の手段です。ディアルガやザマゼンタ等と一緒に序盤で引けるとめちゃくちゃ強いです。

・ポプラ

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唯一の任意サーチカード。表が1回出る前提で使いたいですが、25%の確率で無駄に終わります。できればVmax等の進化ポケモンのサーチに使いたいところです。

・マリィ

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縦引き5ドローが強力ですが、相手のドローも進めてしまうので使うタイミングが難しいカードです。理想は相手が重要カード(Vmaxやグッズ等)を抱えているときに使いたいですが、見極めが非常に難しいです。特に、ポケモンキャッチャーを負け筋をなくすように使いたいところ。トゲキッスVmaxの〈ダイグライド〉後に使うと有効なのはわかりやすいですね。

・ジムトレーナー

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気絶直後に使用すると2ドロー増えるので、倒されるまで待つか先に使ってしまうかの判断が求められます。

・アロマ草エネルギー

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状態異常対策になります。ケララッパの当たり牌とザルードVの加速用のエネに該当しないことを除けば基本草エネルギーの上位互換になるので、基本的に採用して問題ありません。

・ストーン闘エネルギー

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セキタンザンVmaxに付いたら最強です。モーモーチーズと組み合わせると確定数が色々変わってくるので凶悪です。アロマ草エネルギーと同様で基本的に採用して問題ありません。

・ツインエネルギー

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上手く使えれば要求エネを実質1減らすことができるエネルギーです。私はむしろ逃げエネ2を実質1にできるエネルギーとして重宝していました。噛み合った際のメリットが大きい割に無駄になることも少ないので、基本的に採用します。

・ヤレユータン

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特性〈さるぢえ〉で実質1ドローができる優秀なポケモン。と思いきや、本シールド戦では山札シャッフル手段が限られているため、実質場に出た後に1回だけ使える1ドローのみになってしまいます。しかも、その後毎ターン〈さるぢえ〉を使わなければそのターンのトップドローが実質なかったことになってしまうため使い続けなければならず、非常に時間を無駄にします。ワザの性能も3エネで70ダメージと弱いです。
セキタンザンVmaxと同じピックで引けた場合は追加有りの〈ふんかだん〉が確定で使えるようになって流石に強力ですが、UR枠なので揃うことはほぼないでしょう。また、ケララッパと組み合わせると確定で1エネ以上加速ができますが、そのためだけにヤレユータンを入れる枠があるのかは疑問です。入れるべきカードを入れて、それでも枠が余っているなら採用するかなという程度の優先度であると考えており、URというレアリティに騙されて安易に採用しないようにしましょう。

・タフネスマント

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UR枠の中で唯一の当たりにして、超大当たりカードです。どのポケモンに付けても強いです。特にハガネールVに付けられればHP300で倒すのが困難であり、実質ハガネールVmaxと言えるでしょう。〈レイジングハンマー〉も最大320ダメージになります。

8.評価の補足 ―ダメージの観点から―

さて、シールド戦では使えるカードは決まっているため、どのポケモンをどのポケモンで何回攻撃して倒すかというルートもある程度想定しなければなりません。何ダメージを与えられるかが重要ではなく、何回攻撃すれば倒せるのかが重要です。したがって、単にダメージが大きいからといって評価すべきではなく、どれだけ効率よくダメージを与えられるかという観点で評価する必要もあります(進化の有無、追加効果も含めて)。Vmax、V、非Vに分けて大方の処理ルートを中打点による二撃という観点から考えていきましょう。

・Vmax
最大HP330を二撃で倒すとなると、単純に170ダメージ×2回となりますが、非Vのポケモンは基本的に最大160ダメージまでしか出せません。該当するのはルカリオとドデカバシとジガルデになりますが、ルカリオとドデカバシについてはワザの効果で連発が難しく、ジガルデは条件を満たさなければ80ダメージ止まりで扱いにくいです。したがって、必然的に火力が出せる一部のVやVmaxが攻撃に参加しなければ二撃で倒せません
非Vでは出せない180ダメージ以上を出せるのはハガネールV、セキタンザンVmax(V)、マホイップVmaxになります。マホイップVmaxは青天井系のワザを持っているので除外するとして、ハガネールVの210ダメージならびにセキタンザンVmaxの240ダメージを基準に考えていきます。(セキタンザンVは180ダメージを出せますが、二撃で倒すには抵抗のないマホイップVmaxですら最低130ダメージ必要で汎用的でない上に、進化前のセキタンザンV前提で想定するのが現実的ではないので考慮しません。)
210ダメージを与えられるとすると、残り120or100ダメージ必要になります。また、240ダメージを与えられるとすると、残り90or70ダメージ必要になります。したがって、

180:セキタンザンV(4)、ザマゼンタ(3)
160:(ジガルデ条件有(2.5))、ルカリオ(3)、ドデカバシ(2.5)
150:ザシアン(3)
130:メガヤンマ(3.5)、ゼクロム(3)、レジロック(3)、(セキタンザンVmax追加有(1))、ディアルガ(3)、トゲキッスV(3)
120:ゲノセクト(3)、(ダダリン条件有(2.5))、デンリュウV(3)、ライコウ(3)、(ディアンシー条件有(2.5))、ガラルマッギョ特性込(2.5)、トゲキッスVmax(2)、トルネロス(2.5)
110:ゼラオラ(2)、セキタンザンV(3)、(マギアナ条件有(2))
100:ザルードV(2)、ライボルト(2.5)、ゼルネアス(3)、マホイップV(3)、メタグロス(2.5)
90:ナッシー(2.5)、(マギアナ条件有(2))
80:ジガルデ(2.5)
70:マギアナ条件有(2)
※()内の数字は必要エネルギー数、ツインエネルギー対応なら0.5換算

というようにダメージ毎に整理したリストを眺めると、ダメージ効率で実用的なポケモンが見えてきます。また、ゴツゴツメットを絡めることで20ダメージの差を詰めることは可能なので、ハガネールVがいるならば最低100ダメージを出せるポケモンの評価が高くなり、セキタンザンVmaxならば僅かに選択肢が広がるような感じです。
しかし、ハガネールVやセキタンザンVmax、青天井のマホイップVmaxが存在しないピックの場合も当然あります。トゲキッスザルード、トゲキッスデンリュウの2パターンですね。これらの場合はVmaxに対して弱点を突かない限り三撃になっていまいます。トゲキッスVmaxデッキならば多色で組みやすいため、草・雷・鋼のアタッカーをそれぞれ盛り込むこともやや難易度が高いものの可能です(草:メガヤンマ、鋼:ガラルマッギョは要求エネが無のみ)。また、デンチュラの〈おいうちショック〉を活用することでVmaxを二撃圏内に捉えることも可能です。この場合は特に非Vのみで処理できるという強みがあります。110ダメージを与えておけば〈おいうちショック〉でVmaxを倒せるので、上記の120ラインのポケモンに加えて、ほぼ唯一非Vで110ダメージが出せるゼラオラとの相性が良好です。ゼラオラはダメージだけでなく、同じ雷タイプである点、要求エネが2とコスパが良い点も見逃せません。以上の点から、120ラインのポケモンの評価は高く、加えてデンチュラの評価も高いです。120ダメージで充分なので130ダメージ以上出せたとしてもVmaxを倒すという観点からすれば過剰に評価をすることはありません。

・V
ハガネールVの処理ルートについては【7.全79種カード評価・解説】のハガネールVの項で述べた通りなので、多くは割愛します。先述の処理ルート以外では、Vmax同様に非Vで削りを入れ、VもしくはVmaxの高打点でとどめを刺すのが最もサイドの被害を抑えられるでしょう。
ハガネールVを除いたVについて、最大HPは220(VmaxがないVに限れば210)であるため、二撃で倒すには110ダメージ×2回となります。したがって、上記の110ラインのポケモンの評価がここでも高くなります。120+100ダメージでも倒せるため、100ラインのポケモンとそれ未満のダメージしか出せないポケモンとでは評価が大きく異なります

・非V
非VのHPの分布と、ワザのダメージから一撃で倒せる境界線となる重要なラインを考えると、70、120、130という数字が出せるかが重要になります。
HP70(60)はリオルやダンバルといった進化前のたねポケモンに多いです。これをちょうど一撃で倒せるダメージを持つポケモンは緩い条件があるもののマギアナのみです(相手ベンチに3体いる場合)。また、ジガルデは要求エネが多いものの、一つ上の80ダメージが出せるためヤンヤンマまで見ることができます。
HP120(110)は進化しないたねポケモンに多く、ゲノセクトやトルネロス等がターゲットになります。120ダメージ以上を出せるポケモンはそこそこ多いため、まだ倒しやすいです。
HP130はダダリン、ゼクロム、ディアルガ等の進化しないたねポケモンに加えて進化ポケモンのメガヤンマとルカリオの2体がいます。130ダメージを耐えるポケモンは非Vでは非常に少ないので、序盤に連発できればサイドレースでかなり有利になります。しかし、130ダメージ以上を出せるポケモンは少なく、特にたねポケモンであればサブアタッカーとしてサイド取得に貢献が期待できるということになります。

9.ポケモン、エネルギーの採用枚数

ある程度採用すべきカードがわかったところで、次にデッキ40枚に落とし込む作業に入ります。
トレーナーズ+特殊エネは計10枚になるはずで、そこに使用可能な参加賞として配布されたジムトレーナーを加えて11枚になります。特殊エネは各種1枚ずつ引くと仮定すると、トレーナーズは8枚となります。その中で不要カードである英雄のメダルが1枚含まれていると考え、それを除くと基本的にトレーナーズの採用枚数は7枚になることが多いです(サポート4枚、グッズ3枚が標準)。上振れた場合、英雄のメダル枠がサポートになる、あるいはSR以上でサポートが当たることがあるため、最大でサポート6枚構築になるでしょう。サポート5枚なら安心感があります。

ポケモンについてですが、たねポケモンの枚数を意識する必要があります。サポート等のドローカードやサーチカードが少ないシールド戦ではたね切れで呆気なく負けてしまうリスクが常に付きまといます。結局運次第と言えばそこまでなのですが、極力たね切れを回避できるようにたねポケモンを増やし、初手にたねポケモンが2枚以上引けるようにしておきたいです。確率でいうと、たねポケモン9枚で83%(サポート等の追加ドローやダンバルスタートも考慮すると確率はさらに上がる)になるので目安は9枚以上採用するようにします。ちなみに、8枚なら78%、10枚なら86%、11枚なら90%となります。
進化ラインですが、1進化であれば1-1もしくは2-2が基本になります。2-1にしたくなりますが、進化前のポケモンは優秀ではなくスタートする可能性を低くしたいので理由がなければ採用枚数を抑えます。2-2で引けているピックでは進化の安定性というメリットがあるので、1-1か2-2か選択になります。
2進化であれば2-1-1、2-2-1、2-1-2、2-2-2が基本になります。たねポケモンの枚数を1枚にしてしまうと、その1枚が早々に倒されるorサイド落ちしている場合に少なくとも2枚が死に札になってしまうデメリットがあまりにも大きいです。進化先が複数引けている場合はなるべく採用して進化の安定性を上げます

エネルギーについてですが、私の理論ではダンバルを必ず採用するため、ダンバルのためだけだったとしても基本鋼エネルギーを最低限採用することになります。初手で手札に持ちたいエネルギーは最低でも5枚必要であり(昨年のシールド戦の経験上)、少なくとも基本鋼エネルギーを5枚採用するところから始まります。確率でいうと、4枚で60%、5枚で70%、6枚で76%、7枚で82%となります。
次にメインになるVmaxの色のエネルギーについてです。トゲキッスVmaxは無タイプで指定がないので省略します。

・マホイップVmax
要求する超エネルギーは2個です。序盤に場に出せたときにしっかり超エネルギーを付けたいため、基本鋼エネルギーと同じく5枚は少なくとも確定します。しかし、1エネで済むダンバルと違ってもう1枚付ける必要があるので、プラス1枚で最低6枚必要となります。6枚あればマホイップVmaxに基本超エネルギー2枚を付けることに苦はないと思います。しかし、マホイップVmaxの〈キョダイホイッパー〉は場のエネルギーをトラッシュする必要があるため、自身の超エネルギーをトラッシュすることも想定するとさらにもう2枚供給しなければならなくなります。となると、6+2=8枚が最低限採用しなければならない基本超エネルギーになります。他の超エネ要求のポケモンを採用する場合でも8枚あれば充分です。また、8枚採用する副次的なメリットとして、〈かざりつけ〉を使用した場合に山札に加速する分の基本超エネルギーが充分に残るようになることが挙げられます。7枚以下の採用で〈かざりつけ〉を使うと基本超エネルギーが足りないということがよく起こりました。

・セキタンザンVmax
要求する闘エネルギーは3個です。マホイップVmaxよりさらに1個多いので、最低限の5枚にプラス2枚で7枚以上は必要です。しかし、この7枚という設定は〈キョダイガンセキ〉を使うことだけを考えた枚数であり、〈ふんかだん〉を積極的に使っていく想定をする場合は当たり牌を増やすために可能な限り増やさなければなりません。しかし、私としては〈ふんかだん〉を積極的に使っていかずにベンチで無傷で完成させた方が勝率が高いと考えているため、必要以上に基本闘エネルギーを増やすべきではないと思います。〈ふんかだん〉を軽く意識するのであれば、他のエネルギーとの合計枚数を増やす程度で充分です。

サブになる3色目のエネルギーですが、採用する全てのポケモン(進化するなら最終形のみ)の要求するエネルギーの合計個数+1枚が基本となります。例えば、雷タイプでデンリュウV、デンチュラ、ゼラオラを採用するとします。要求する雷エネルギーは順に2個、1個、1個で合計4個ですが、プラス1枚するので最低5枚採用ということになります。
しかし、例外があります。ザルードVを採用する場合は、草ポケモンがザルードVだけだったとしても基本草エネルギーを最低6枚採用します。これはマホイップVmaxと同じ理由であり、特にザルードVはエネ加速要員でデッキの要になる存在なので、採用枚数をなるべく厚くします。
他の例外として、ディアルガを採用してなおかつオニオンを引けている場合、オニオンで鋼エネルギーを2枚以上トラッシュできると強力であるため、多めに基本鋼エネルギーを採用します。具体的に言えば、8枚以上は採用したいところです。
また、AR枠を採用して噛み合っていない色のエネルギーを採用する必要がある場合、2~3枚の採用に抑えたいところです。進化ラインを採用するときと似た感覚で採用枚数を設定するとイメージしやすいと思います。
そして、特殊エネルギーを含めた全エネルギーの合計枚数の目安は17~20枚となります。エネルギーを減らし過ぎると、手貼りができないというシールド戦では致命的で最悪の状況になるので、少し多いくらいで問題ありません。

10.パックの引き(ピック)は勝敗を左右するか

結論から言うと、あまり左右しません。影響がないということは決してあり得ませんが、ピックの強さに大きな差がつくとまでは考えていません。
そもそも大前提として、シールド戦用に調整された伝説の鼓動の箱を左右10パックずつで分けることで、C、Uに大きな格差はほとんど出ません。Rについても、AR、SR以上が当たったとしても最低6枚は保証されますが、R12種のうちハズレ枠はシェイミ、ゼルネアス、ディアンシー、レジロック、ルギアの5種です。つまり、最低でも1枚は必ず有用なRが引けることになります。この点からも低レアリティで大きな格差は出にくいです。
Vmaxは三種三様でどれでもちゃんと勝てる性能を持っているので、どれが当たった時点で実質負けというのはありません。強いて言えばトゲキッスVmaxの場合はデッキが組みやすく回しやすいという点から、経験の浅いプレイヤーでも扱いやすいです。
V(進化先なし)については確かに格差があります。私としてはデンリュウVのみハズレであると認識しており、単純に1/3の確率です。とはいえ、他のVと比べると明らかに見劣りするもののデンリュウVも戦力として期待できる性能はあるので、それだけで敗因になることはありません。本シールド戦ではVmaxをいかに活用できるかの方が重要であり、その点ではむしろC、U、Rの噛み合いの方が勝敗に影響すると考えています。
ARは当たり枠を引けてかつデッキに上手く組み込めると大きなアドバンテージになるのは確かです。しかしながら、昨年のTR枠の溶接工のように即ゲームエンドまで持っていけるほどの壊れ性能はないため、比較的格差の広がりは抑えられていると思います。
SR以上はポケモンに限ればほとんど格差は出ません。SRのVを引けることで、基本的に採用の選択肢が広がるに留まります。ただし、同じ種類のVがかぶった場合には、単純に採用枚数を増やせることによる安定性の獲得やサイド落ちリスクの軽減というメリットがあります。HRのVmaxはかぶった場合以外に採用することはあり得ませんが、かぶれば採用枚数が増えて同様のメリットが得られます。しかしながら、格差と言えるほどの大きなアドバンテージではないでしょう。
サポートのSR、HRが引けた場合は純粋にデッキが回りやすくなり、Uで標準の枚数を引けているなら大きなアドバンテージになります。サポート6枚構築になった場合のみ大きな格差と言えるでしょう。
URについてはタフネスマントが当たったらズルです。とはいえUR枠なので、その大会に1人いるかも怪しいでしょう。もし当てた人がいたら、ほぼ確実に決勝トーナメントに上がってくるので、それまでに相手のデッキ情報をリサーチし、情報分でディスアドバンテージを埋めます
Twitterでピックが弱かったと画像を載せている方が多いですが、そのほとんどが嘘なのでその"弱い"ピックで実際にデッキを組んでみて、ちゃんと勝てるプランを用意できるかを考えると良い練習になります。
とどのつまり、敗因をピックのせいにしているようではいつまでもシールド戦で勝てるようになりません。例年に比べて今年は特にピックの差が出にくいと私は思いますし、少なくとも今年に関してはピックが勝敗を左右することはあまりありません。

11.基本パターン9種のベースデッキ

私はどのようなピックでも最低SRは獲得できるはずだと考えています。引いたピックにどれだけ文句を言おうと、評価点数を付けようと、引いたピックが変わるわけではないので、そのピックでいかに100点のデッキができるかどうかが最も大きく勝敗を左右します。そこで、私は基本9パターンのベースデッキを予め作成し、当日に引いたピックの中でできるだけそれに近付けるように構築することで、本番でもぶれずに100点を目指せると考えました。ここではその9種のベースデッキについて解説していきます。ただし、あくまでベースになるデッキであり、理想のデッキとは違うということを大前提としています。C、U、Rの平均的なピックを特に意識してデッキを組んでいるので、ベースデッキ自体が強いわけではありません。さらに、現実的に採用の可能性があるポケモンを無理に複数入れることでまとまりがなくなっていたり、トレーナーズやエネルギーが圧迫されていることがあります。また、AR枠は考慮していません。以上をご理解の上で参考にしてください。

・マホイップザルード

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マホイップVmaxはあくまでサブアタッカーとするため、ザルードV、ゲノセクト、ガラルマッギョ等で何枚かサイドを取り、マホイップVmaxで〆ることを目指します。ゲノセクトとキリンリキでベンチ狙撃70ダメージを狙うサイドプランもあります。残念ながらゲノセクトがない場合は、トルネロスで妥協します(下ワザがエネルギーをトラッシュするためマホイップVmaxと相性は悪い)。ザルードVがサイドを取りながらエネ加速してマホイップVmaxの火力を確保できればスムーズに勝てるでしょう。もしくはマホイップVmaxで攻撃してからエネを切って逃げ、ザルードVで回復とエネ加速を挟んでからもう一度攻撃していくというプランも取ることができます。
相性としては、ハガネールVがかなり重いため、草・超エネルギーを共有できるキリンリキ、デデンネ、ナッシーに役割を持たせます。キリンリキはハガネールVに予め10ダメージを乗せておくことでマホイップVmaxの消費エネルギーを1枚減らすことができ、同時にHP130族やHP310Vmaxにもう10ダメージを乗せることでそちらも消費エネルギーの節約することができます。デデンネは混乱によってエネルギーを貯める時間稼ぎを狙います。また、先2上振れセキタンザンVmaxの〈ふんかだん〉無双を後2ダンバルの〈なかまをよぶ〉からデデンネを出すことで負け確を覆す可能性が得られます。ナッシーは〈ドタマわり〉でハガネールVに対して抵抗0ダメージで下ワザをロックすることで、上ワザで30ダメージしか出せずに4ターン稼ぐことができます。その間にエネルギーを貯めます。また、セキタンザンVmaxに対してもダメージを与えながら時間稼ぎができて優秀です。
また、ゲノセクトが引けていない場合、キリンリキとのシナジーがなくなるため、キリンリキを採用する理由が薄くなります。ゴツゴツメットによる打点調整で代用も可能です。もし引けているなら、空いた枠でメタグロスラインを採用するのもアリです。

・マホイップハガネール

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鋼タイプをメインアタッカーとし、倒されて失った鋼エネルギーをディアルガで回収した後にマホイップVmaxで〆るのが理想の動きです。ディアルガでのエネ加速は特に中盤以降で活躍するため、メタグロスを立てて柔軟に動けるようにしておきたいです。
相性としては、比較的どれに対しても対応できます。トゲキッスVmaxにはマホイップVmaxが、マホイップVmaxには鋼ポケモンが、セキタンザンVmaxにはマホイップVmaxだけではなくメガヤンマで倒すルートがあります。メガヤンマは〈とんぼがえり〉で攻撃しながらエネルギーを抱えてベンチに戻れるので、マホイップVmaxの打点調整をしながら火力を確保できて相性が良いです。

・マホイップデンリュウ

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9パターンの中で最もデッキが組みにくいです。というのも雷タイプメインでは非Vに対して戦いにくく、マホイップVmaxで攻撃せざるを得ない状況も起こりやすいため、マホイップVmaxをサブアタッカーとするプランが立てにくいです。デンリュウV、ガラルマッギョで非Vに圧力をかけ、V・Vmaxが出てきたらマホイップVmaxやゼクロムで対応して突破するのをなんとか目指します。サブプランとして、ガラルマッギョorゼラオラとデンチュラの2体でVmaxを突破するルートも用意しています。また、キリンリキでベンチにダメカンをばらまくことでデンリュウVとのシナジーもあります。
相性としては、セキタンザンVmaxが非常に重く、混乱で足止めを狙えるデンリュウVが簡単に倒されてしまうため、ゼクロムやゼラオラが引けていてマホイップVmax以外のルートが用意できているのであれば、デンリュウVを抜いて混乱要員としてデデンネを代わりに入れて取られるサイドのリスクを低減する選択肢はあると思います。その場合、非Vに対して立ち回りにくくなるので、マギアナやトルネロスを採用したいところです。

・セキタンザンザルード

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ツツケラ以外はたねポケモンとして弱くないスタートが期待できる構築です。できればセキタンザンVスタートも避けたいですが、序盤で進化できてそのまま無双という強みがあるのも事実です。理想はザルードVでセキタンザンVmaxを育てて完成させるプランです。また、全体的に逃げエネが非常に重いので、メタグロスは是非採用したいです。メタグロスが立つのであれば、序盤はセキタンザンVmaxで〈ふんかだん〉でペースを握り、削れたら下がってザルードVで回復して〈キョダイガンセキ〉で〆ていくというプランも可能です。
相性としては、トゲキッスVmax(特にザルードVとの組み合わせ)が厄介で、〈キョダイガンセキ〉を耐えて逃げられたところにザルードVで攻撃&回復されると厳しく、他にも〈ダイグライド〉の120ダメージと任意サーチ2枚(セレビィと草エネ等)で突然倒されるリスクもあるため、とどめ以外ではなるべく対面は避けたいです。そのため、ガラルマッギョを複数引けているのであれば積極的に採用します。ガラルマッギョでザルードVを倒せるのは当然として、トゲキッスVmaxに対しても逃がさずに後続のセキタンザンVmaxで仕留められるのが優秀です。

・セキタンザンハガネール

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高耐久高火力コンビで相手が対処方法をしっかり理解して想定していなければそうそう負けないパワーデッキです。ディアルガの〈クロックバック〉ではハガネールVを育てることはできても、要求エネルギーの都合上でセキタンザンVmaxを育てることはできないので、エネ加速はケララッパに頼ることになります。そのため、ツツケラと基本闘エネルギーを厚く採用し、その関係でドデカバシも採用に至っています。逃げるのがあまりにも厳しいので、メタグロスもできれば採用したいですが、そちらを採用する場合は同じ2進化のドデカバシは抜くべきでしょう。とはいえ、前に出たら逃げずに倒れるまで殴り続けるというように割り切るパワーはあるので、状態異常等を考慮しなければメタグロスは必須ではないかと思います。
小細工が難しいデッキなので、デッキ相性はほとんど関係ありません。なるべく早く育て切ってゴリ押していくのが最も勝率が高くなるでしょう。

・セキタンザンデンリュウ

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比較的対面性能が高いポケモンで構成されていてパワーと器用さを備えるデッキです。デンリュウVの〈せんこうだん〉で荒らしている間にベンチを育て、ゼクロムやゼラオラで小突いてセキタンザンVmaxでとどめを刺してそのまま〆るという動きを目指します。その小突きを活かすためにも、メタグロスをできれば採用したいです。エネ加速はケララッパ頼りなので、ツツケラは厚めにしています。
相性としては、雷タイプのおかげでトゲキッスVmaxは然程厄介ではなくなりましたが、単純にデッキとして重いです。回りにくさという自身の課題が大きいので、マギアナの有無やサポートの多少が勝率に強く影響してきます。

・トゲキッスザルード

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巷でTier1と言われている組み合わせです。確かに安定性という面では群を抜いています。逃げエネも全体的に軽くまとまりやすく、メタグロスは特に必要ないというのは大きな特徴です。しかし、圧倒的な火力不足が課題になるので、それを補う様々なギミックを仕込んでいます。それに伴って進化ラインが多いものの、トゲキッスVmaxの〈ダイグライド〉で多少の無理は成立させられるのが強みです。
非Vに対しては中打点のアタッカーしかおらず、圧力としては相当なものになります。問題はV・Vmaxですが、鍵となるのはデンチュラです。トゲキッスVmax、ゲノセクト、メガヤンマ、ゼラオラ、ガラルマッギョで110ダメージ以上を与えてから〈おいうちショック〉でVmaxを含む全てのポケモンを倒すことができます。トゲキッスザルードを組む場合、デンチュラは必須級の強さです。
デンチュラ以外の処理ルートも確保してあり、

マホイップVmax:ガラルマッギョで特性込み210ダメージかつ逃がさない+後続100ダメージ以上で処理
セキタンザンVmax:メガヤンマ単独で上ワザ→下ワザで処理
トゲキッスVmax:ゼラオラで220ダメージ+後続90ダメージ以上で処理

と、隙がありません。相手のデッキを見極めて扱いを間違えなければ堅実に勝てるでしょう。

・トゲキッスハガネール

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ハガネールVの高火力でトゲキッスVmaxの火力不足を補う強力な組み合わせです。ハガネールV以外は逃げエネを軽くまとめやすく安定性が高いのも強みです。トゲキッスザルードと同様にギミックを仕込んでいるのは共通です。鋼タイプに寄せているためマホイップVmax意識のガラルマッギョは弱点を突く必要性が薄く、逃げエネの観点からトルネロスに変更しています
トゲキッスVmaxで盤面を作りながら、ハガネールVを完成させて制圧していくのが基本的な流れです。先述のとおり、Vmaxの処理ルートは複数あるので適切に選択しましょう。

・トゲキッスデンリュウ

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他2つのトゲキッスデッキと比較すると見劣りしますが、ギミックの汎用性からそれでも強い部類に入るデッキです。ゼクロムが引けているならVmaxを単独処理できるルートとして非常に強力です。デンリュウVも中打点アタッカーなので、デンチュラと組み合わせると戦いやすいです。また、エネ加速はケララッパ頼りなので、ツツケラを厚めにしています

以上、9パターンのベースデッキの解説でした。本番で全く同じデッキを作る必要はありませんが、これらを覚えておくことでデッキ作成がかなりスムーズにできると思います。あくまでベースにした上で実際のピックに合わせてさらに改良していきましょう。必ず採用するカードやR枠の内容によっては、ベースデッキからかけ離れたデッキになることも当然あります

12.先攻と後攻について

シールド戦に限らず、理想的なムーブは「後攻1ターン目ないし先攻2ターン目から有効なワザを使うこと」です。これは昨年のシールド戦の解説記事でも述べていることです。後攻1ターン目に強いワザを使うという観点からすれば後攻という選択肢もあります。
しかし、昨年と異なりカードリストを眺めても1エネで強いワザが使えるポケモンは非常に少なく、後攻のメリットはほぼないと言って差し支えないでしょう。逆に、先攻では当然ながら1エネを多く場に貼れるという基本的な権利が大きなアドバンテージになります。特に、エネルギー加速手段に乏しい本大会では手貼りの重要性はいつも以上に高いです。また、先攻は先に進化できる可能性も高く、おとなのおねえさんという先攻でも使えるルール破りのサポートの存在も考えれば、先攻一択になるのは言うまでもありません。

13.実際のまっぷる使用デッキと戦績

まず、大会当日のピックを見ていきましょう。ちなみに、AR、SR枠は箱を分けた方に全て持っていかれました…(しかもライコウ、ハガネールV)。

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引いたパターンはマホイップデンリュウでした。Vmaxはどれを引いても大差はないと思っていますが、VがよりによってハズレのデンリュウVを引いてしまったので、パッと見では正直ちょっと厳しいなと苦笑いしてしまいました。それでは、このピックで一度デッキをご自身で作ってみてください。その後に、私が実際に当日で使用したデッキを確認してみてください。


アセロラPSR透明化

~唐突のアセロラちゃんデッキ作成中~


デッキ作成は済みましたか?それでは私のデッキと照らし合わせてみましょう。

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※決勝戦では写真通りのデッキ、それ以外ではガラルマッギョ1枚→キリンリキ1枚にしていた

↓その他の使用しなかったカード↓

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色々考えた結果、最終的にまさかのデンリュウVなしでマホイップVmax単に行き着きました。最初はとにかくベースデッキを元にほぼ同じデッキを作成してみました。

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《ベースデッキから試作したマホイップデンリュウ》

一人回しを始めるとすぐにわかったのが、デッキが回らないという根本的なところでした。多めのサポート5枚、ダンバル2枚、マギアナ入りというデッキを回すカードは充分にあるにも関わらず、かなり怪しい回り方しかしませんでした。それもそのはずで、エネルギーが非常にかつかつになってしまったからです。基本超エネルギーと基本雷エネルギーは基準としている最低枚数から1枚ずつ少なくなっており、基本鋼エネルギーも最低枚数ちょうどしか採用できていません。また、ゼクロムが引けておらずVmaxを単独で処理するルートがマホイップVmaxしかなくなったため、Vmaxに圧力をかけられるメタグロスは必須でした。幸いと進化ラインが2-2-1で厚く引けており、メタグロスで攻撃することも含めて安定した戦術として組み込むことができました。しかしながら、メタグロスラインを厚くできる反面、その分エネルギーは圧迫することになってしまいました。
しばらく一人回しを続けていくと、雷タイプ自体が本当に必要かという疑念が生まれました。ゼクロムがいない雷タイプは軒並み中打点であり、他のポケモンにはできない役割があるかというと、デンリュウVを含めて実は特にありません。そこで、雷タイプを思い切って全てデッキから抜き、代わりに打点調整のキリンリキ、混乱要員代用のデデンネ、中打点&エネ加速のディアルガを採用、エネルギーも安定性を求めて鋼に寄せました。結果、先程の画像のデッキになりました。
ピックの評価ですが、パッと見は厳しいように見えたものの、サポートが5枚とスーパーボールがある点、メタグロスラインが2-2-1で厚い点、ディアルガとマギアナが引けている点等、安定性に関わる細かいところでアドバンテージを取り返せていたように思います。また、ハガネールVがなくとも鋼に寄せるメリットが大きいピックだったのが良かったと思います。
ちなみに、決勝戦ではキリンリキをガラルマッギョ2枚目に変更しましたが、これは対戦相手のデッキがトゲキッスザルードと知っていたからです。何しろ最初に箱を左右で分け合った相手だったので、確実に決勝戦まで勝ち上がってくるのはカードリストをチェックした時点で確信していました(トゲキッスザルードに加えて、AR枠ライコウ、SR枠ハガネールV、ダンバル2枚)。

―戦績―
使用デッキ:マホイップ単
予選
vsマホイップザルードハガネール 4-2
vsトゲキッスデンリュウ 4-1
vsマホイップザルード 4-1

準決勝
vsトゲキッスハガネールタフネスマント 4-1
決勝
vsトゲキッスザルードハガネールライコウ 0-1(たね切れ)

結果:準優勝 リザードンV SR獲得

予選は特に危なげなく突破できました。ザルードVはガラルマッギョで上手く処理したり、トゲキッスVmaxの前で〈かざりつけ〉をして詰ませたり、想定通りの試合の勝ち方ができました。

▽準決勝 vsトゲキッスハガネールタフネスマント(ヒナタ)
タフネスマントURが当たった豪運の持ち主がいたのはパック開封時点で把握しており、当然決勝トーナメントで当たる可能性が非常に高いと考えてデッキは事前にチェックしていました。トゲキッスVmaxの処理は容易で、注意すべきはハガネールVとタフネスマントが付いた非Vと考えていました。ハガネールVには完成前ならマホイップVmaxで突っ込み、完成後ならデデンネによる時間稼ぎの選択肢を用意していました。厄介なのはタフネスマントが付いた非Vでこちらの非Vがタイマンで勝てなくなるのは厳しいと思っていましたが、対戦中にタフネスマントは幸いにも見えませんでした。対戦内容としては、詰めの場面で〈かざりつけ〉を使うことができ、マホイップVmaxの強みを発揮して勝つことができました。その前に相手のポケモンキャッチャーが裏で時間稼ぎされなかったことも多少影響があったと思います(ひたすらお祈りしていましたが、手札にツインエネルギーを握っていたので仮にコイン表でも一応逃げられました)。

▽決勝 vsトゲキッスザルードハガネールライコウ(リサちゃん)
同じ箱を分け合った2人による決勝戦はなかなか珍しいのではないでしょうか。カードリストのチェック時に内容をしっかり把握していたので、キリンリキをガラルマッギョ2枚目に変更するというメタを張って臨みました。軒並み強いカードを持っていかれていましたが、決して勝てない相手ではないと思っていました。特にトゲキッスザルードはマホイップVmax側が基本有利だと考えているので、注意すべきはライコウのサイド2枚取りだけです。こうして勝ち筋と負け筋を再確認し、後攻で対戦が始まりました。

相手ハガネールV、こちらデデンネ

先攻1ターン目:ハガネールVに手貼りエンド
後攻2ターン目:たねポケモン・サポートなし、デデンネに超エネ手貼り

_人人人人人人人人人人_
> しっぽでまどわす <
 ̄Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y ̄

先攻2ターン目:ハガネールVに手貼り、〈レイジングハンマー〉で混乱判定コイン表で弱点80ダメージでデデンネ気絶です対戦ありがとうございました

というようにここまで順調に勝ってきたのにまさかのたね切れ負けで終わってしまいました。お気付きの方もいるでしょうが、確かに〈しっぽでまどわす〉を使ったのはプレミです。それを使わなければ確定で先攻2ターン目は耐えていました。しかし、対戦終了後にデッキをトップから何枚か捲ったのですが、次のカードはツツケラでたねポケモンが引けていたものの、その後5ターンくらいは何も引けていませんでした。また、相手の手札にはポケモンいれかえ、ライコウ、ツインエネルギーがあり、確定で混乱解除ができていたのでどうあがいても負けが決まっていました。とはいえ、焦り過ぎてプレミをしたのは反省しています。

ちなみに、あまりに早く終わったので仕切り直してもう1戦することになったのですが、リベンジマッチはしっかり勝つことができたので、デッキが悪いということは一切なかったと思います。めちゃくちゃ悔しいです。

14.異なるメソッド

本記事ではダンバル、マギアナを必ず採用して“再現性”という観点から評価する理論、言うなればまっぷるメソッドを解説してきましたが、全く異なる観点から評価するメソッドもあります。私と正反対なのが、ダンバルの評価が非常に低いメソッドです。しかしながら、そのメソッドでも結果を出しており、絶対的な正解がないところが本シールド戦の面白いところでもあります。また、私としては評価が低いダダリンやデンリュウV、ルカリオ等を高く評価する人もいれば、マホイップVmaxは引いても採用しない方がマシという評価をする人もいます。私からすれば全く意味がわかりませんが、それで結果が出ている人もいるので、そういったメソッドもきっと間違いではないのでしょう(シールド戦なので運だけで結果が出る場合もありますが)。
最も肝要なのは、デッキ作成やプランニングにおいて自身の理論を貫けるかどうかです。そのためには、様々な人と意見交換をして自身の思考を整理していきましょう。「もうわからん!」という人はとりえあずまっぷるメソッドを頭に叩きこんでおいたら大丈夫です。本記事を舐め回すように何回も読み直してください。

15.イレギュラーなデッキという選択肢

基本9パターンのベースデッキでほとんど網羅できていますが、そこからかけ離れたデッキになることも稀にあります。ピックによっては、ベースデッキから離れた方が強いこともあるでしょう。実際、私が本番で作成したデッキはマホイップ単というイレギュラーな部類のデッキでした(見方を変えればマホイップハガネールに近いようにも見えますが)。特にイレギュラーなデッキにするか悩ましいのがAR枠です。特にライコウ、ザマゼンタはデッキを歪める価値がある性能なので、噛み合いが良くなかった際の採用するか否かの判断が難しいです。ちなみに、私はAR枠を考慮した練習は一切しませんでした。理由としては、歪める価値のあるAR枠がそもそも2/6種で当たるかどうかも50%と稀である点、AR枠がないから勝てないことは全くなくむしろ歪めて採用することで却って負け筋を作る点、噛み合う場合は悩むことなく採用できる点が挙げられます。要は採用できたらラッキー程度でしか考慮していませんでした。
ベースデッキから作成したデッキでそんなに間違いはないと思いますが、一人回しをしてみてこれでは勝てないと確信に至った場合は、思い切ってイレギュラーなデッキにするのも一つの手です。しかしながら、採用したカード1枚1枚にしっかり理由付けができるというのは大前提であることは念頭に置いておきましょう。

16.対人練習の重要性

ここまで私の理論を展開してきましたが、当然ながら理論だけではなかなか勝てないと思います。選択肢の少ないシールド戦とはいえ、相手によって戦い方がデッキを含めて変わってくるので、自分の理論が間違っていないかどうかは実際に対戦してみないと確証は得られません。また、カードリスト上のカタログスペックだけではカードの真の評価も難しいです。一度だけでもいいので、リアルで箱を開封して対人練習をすると色々と勉強になります。金銭的に何箱も開封するのは厳しいと思うので、とある方が作成された非常に役立つツールを紹介します。もう皆さんご存知かもしれませんが、『リザードンHR争奪戦パック開封シミュレーター』というものです。

一人でもデッキ作成の練習には最適であり、昨今でお馴染みになってきたリモートポケカでも気軽に利用して練習することができます。ただし、このシミュレーターには注意点があり、ジムトレーナー以外のトレーナーズと特殊エネルギーの合計枚数が11枚以上になることがあったり、進化前Vの出現率がやたら高かったりと、実際の箱開封とは異なる設定がされていることを理解しておきましょう。進化前Vが出ないピックになるまで引き直したり、トレーナーズと特殊エネルギーは複数枚引いたもの(SR、HRを除く)を1枚と見做したりすることで対応できるかと思います。

17.終わりに

超特大ボリュームの記事になっていまいましたが、いかがだったでしょうか。今年はチャンスが一度しかなかったので、せっかく築き上げた理論を一度の大会だけで用済みにしてしまうのは惜しく感じ、どうせなら理論の全てを記録しておこうと本記事の執筆を始めました。もし何回か大会に参加できる権利があるのならばリザードンVmaxHRを1枚くらいは取れる自信は今でもあります。もう今年のシールド戦は少ないですが、この記事を読んだ方のHR獲得に一役買うことがあれば幸いです。ご意見・ご感想、SR・HR獲得のご報告等ありましたら、本記事のコメント欄やTwitterのDMでお待ちしております。
最後になりますが、本記事に限らず、note記事は読んだ方に有益だったと思っていただけるように毎回真剣に執筆していますので、今後の記事も読んでいただければ幸いです。有益だと思っていただけたのなら、宣伝もしていただけると大変嬉しいです。ここまで読んでいただきありがとうございました。

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