183/見えない人と食事に行ったら「クロックポジション」で説明する(再掲〕
最近夫は見えていない。
「見えていない」と言うと、一般的には視力検査で「見えていない」を想像するが、
実は見え方は視力だけでなく、他にも様々な条件がある。
最近の夫は視力に加えて「視野」が欠けてきて見えていない。
「視野」は簡単に言えば「見える範囲」
夫の場合は足元が一番見づらい。
よく物に躓いている。
周りが見えずに、誰かと離れてしまうと探すのが大変。
みたいなことが起こっている。
今朝もご飯を食べていて、お皿の外にミニトマトを落としてしまった。
お皿の周りをくるっと触ったけれど見つけられないよう。
「3時のところにあるよ」
と言うと、すぐに手に触れることができた。
「クロックポジション」
時計の文字盤に例えて物の位置などを説明する方法で、
視覚障害者に物の位置説明する時によく使われる。
アナログ時計は上が12時。
12時の反対は6時。
向かって右は3時、左は9時。
時計のことを知っていれば、
「お箸が6時.ご飯は9時、お味噌汁は3時のところにあるよ」
と言えば、物の位置は大体わかる。
慣れてきたら5時とか7時とか、微妙な位置も伝えることができる。
伝える方は時計の文字盤を頭に置いておかないとならないので、
最初は少し混乱するけれど、慣れれば大丈夫。
あれこれ説明するより、正確だし速い。
クロックポジションは、食事の場面で使われることが多いけれど、
「500円玉、11時の方向に落ちてるよ!」とか
「3時のところにあるドレッシング取って!」みたいに。
我が家では、探し物の時や夫のそばにあるものをとって欲しい時によく使う。
一度覚えたら意外に便利。
何かの時に使って見てください。