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278/はじめての同窓会
同窓会は嫌いだ…
今までどの学校の同窓会にも行ったこたがない。
2月に高校の「還暦を祝う会」があったけれど、
通知がきたら、すぐに欠席に丸をして返信した。
夫は、勤務先の盲学校の同窓会事務を何十年もやっている。
勤務先は夫と私の母校だ。
この同窓会にも私は一度も行ったことがない。
「今度の同窓会、Kが来るよ」
「ほんと‼︎会いたい‼︎」
一度も出席したことがない同窓会の出席を
「Kが来る」だけですぐに決めた。
Kは私の同級生男子。
還暦を過ぎているから、もうおじさん。
鍼灸マッサージの免許を取るために、はじめて盲学校の門をくぐった私に、
人懐こい笑顔で、茨城弁丸出しで話しかけてきた。
年頃の女子に話しかけるという感じではない。
もしかすると、私を女子として認識していなかったのかもしれない。
そのことは、卒業してからはっきりわかった。
「東京モーターショーを見に行きたいから、会場まで連れて行って」
「銀座の山野楽器でレコードを買いたいから連れて行って」
東京に勤めていた私をあちこち案内させた。
K自身も恋愛の対象になるような人ではなく、本当に友達だった。
だがら、そんな頼みにも「しょうがないな」と言いながら応じていた。
今の言葉で言えばKは「癒し」だ。
どんなおじさんになっているのだろう?
今でも周囲を和ませてくれるのだろう。
昔話も楽しいけれど、今のKの話を聞きたい。
週末の再会が楽しみ。
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