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青春は演劇に捧げた

私は中学の三年間
そして短大時代、社会人になってから数年間
演劇や舞台に関わってきた

最初のきっかけは
小学六年生の学習発表会でやった
ミュージカル
「人間になりたがった猫」で
主役に抜擢されたことだった

中学に入学して
誰もが憧れる部活動に
私は「演劇部」を選んだ

当時は怖いもの知らずで

私がやりたいのは役者!
主役をやりたい!

そんな気持ちだった

もともと、誰かを楽しませるのが好きだった私は
目立ちたがり屋で、今では考えられないほどの
自己肯定感や自信があった


その三年間で
役者をやらなかったことはない

ただのガキンチョだったのに
今は亡き、私の最初の恩師に
台本はこうだが、私はこうやりたい
なんで分かってくれないんだ!と
楯突いては、文句ばかり言っていた


その後、高校ではやらなかったものの
保育科を自主退学した後に選んだ私の道は

舞台芸術科で、舞台を学ぶ道だった


とにかくそれまで
役者役者と思っていたが

初めて専門的に、舞台のあれこれに触れて
私に芽生えたのは

裏方が合っている

という気持ちだった


ここで初めて出てくるが
私の父は、私の行った短大の教授たちが
「あぁ、あの人の娘か」というくらいの
照明家だった

舞台はもちろん、テレビやコンサート
それから有名歌手の専属だった時代もある

教授たちの中には、父の部下だった人もいて
「やりずれえな!」と笑われたもんだ


ただ、娘の私はただの目立ちたがりの
怖いもの知らずの無知の塊だったので
「はぁ?そうなんすかぁ?」と

まぁ、ここでも色んなことに
トゲトゲとしゃしゃっていた


そんな中
私は、病気を隠して入学していたので
暗い場所が怖かったり
劇場の圧迫感がなんとなく嫌と
演劇では、致命傷のような恐怖感や嫌悪感も
隠しながら必死に食らいついて行った

そこでスポッと収まったのが
舞台衣装、舞台メイク、小道具だった


もともと、何に対しても
あまりお金をかけない人間なので
こんな衣装が欲しい!というのを
ササッとリサイクルショップに行って
安価で手に入れたり
祖母たちのおかげで自分で装飾したり
サイズを直したりする程度の裁縫はできた

メイクは
まぁ、これも色んな知識を現場で見ながら
身につけていったわけだが
今ではYouTubeなどで当たり前に見れる情報が
その当時は出回っていなかっただけで
今の若い子からしたら
(年齢的に私もそんなにババアでは無いのだが…)

そんなの知ってるぅーって事ばかりかもしれない


裏方もやっていたのだが
役者もやりたいという願望は消えなかったので
役者兼、衣装メイクといった感じで
大学時代を終えた

大学の卒業公演の時は
なんと古典演劇の準主役をやりながら
衣装メイクのリーダーまでやっていたので
一日に栄養ドリンクを2、3本は消費するほどに
ドタバタした毎日だった

だが、本番は
心療内科の主治医、薬局の薬剤師
そして短大入学を快諾してくれたが
一度も観に来なかった父を招待して
観てもらった

その本番後、父からのメールで

「よく頑張ったね」という一言で
ウルっとしてしまったが、物凄い達成感と
もっとやりたい!という欲が出てきた


短大を卒業してから
大学のメンバーで劇団が立ち上がり
そこに数年間所属した

そこで、改めて
人に観てもらうことの責任感を学んだような気がする

お金を払って観に来てくれる人に対して
私たちは、舞台という作品で
応えなければならなかった


そこで、稽古に励み
どれだけの予算内で、衣装メイクができるか
考えに考えて

私は

ただ楽しんでもらう
自分がやりたいだけではいけない

と思っていった

稽古に稽古を重ね

役になりきる感覚

を掴んできた頃

私の恩師が亡くなった



一番観てもらいたかった

私がただのガキで、無知で
文句ばかり言っても
しっかり向き合って

病気で正社員になれないとグレた私に

金を稼ぐことを知ってから
演劇をやらないといけないぞ

と諭してくれた恩師に


こんなにも色んな思いや悩みを抱えて
やっと掴んだ感覚で

主役にこだわらずに
味のある役者になったよ

と伝えたかった



しかし、私の強すぎる責任感と
完璧主義だった性格で
劇団とぶつかり
私は脱退してしまう



一言、青春時代はなにしてたの
と聞かれたら

演劇に身を捧げてた

と言ってしまうくらい
熱苦しいほどの熱量を持って
舞台演劇に関わってきたのだった



そして、今もその経験を捨てることなく
ハロウィンにはささやかな
特殊メイク(自己満足)や
声が出せる環境にいると
声劇、朗読などにも挑戦している


私が青春を捧げた演劇とは
切っても切れない縁があると思ってしまう


色んなことに挑戦している今
声劇は、新たな挑戦かは分からないが
それでも私は
私の出来ることを楽しんで
喜んで皆さんに発信していきたいと思ってい

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