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「おばけになる」①

これは私が先日見た
ある強烈な夢を文章にしています。

ちょっと面白い物語になればと。
さぁ、はじまりはじまり。

「おばけになる」

私は父に向かって頭を下げていた。
「私はおばけになりたい」
母が戸惑っていた。

そしてパンフレットを一枚差し出す私。

見出しには
「あなたもここでおばけになりませんか」
という、とある学校のパンフレット。

かくいう私は
とにかくオカルト全般が大好きだった。

どうしてもそこにいる私は
「おばけになりたかった」

この学校はどうやら大学らしい

「オカルト学」「驚かせ方講習」
「不気味学」「西洋オカルト史」
「心霊写真にうまく映る方法」
「怖い顔実践」

そしてそこには「ハロウィン特別講師  本学科卒業生  同窓会役員 トイレの花子さんとお岩さんの対談」
というオープンキャンパスの案内。

あまりにも突然の出来事に
両親はなんとも言えぬ顔をしていたが
私は大真面目に
「まずはオープンキャンパスに行きたい」

そう言った。


父は重い口を開いて
「やりたいと言うのなら…オープンキャンパスに行ってから決めなさい。」と言った。

母は
「ダメって言ってもやりたいことはやるんだから…止めない。」

そう言ってくれて私は
オープンキャンパスに行くため
深夜しか通じない電話番号に電話し
オープンキャンパスに行く予約をした。

「…はい、こちらおばけ学部です」

「オープンキャンパスに行きたいのですが」

「それでは…」
と不気味なくらい声でしっとり話す電話の相手がいうには

オープンキャンパス当日
夜中1時に、ある場所にある石造りの
鳥居をくぐってまっすぐ進むと川があり
そこに待っている船に乗って下さいとのことだった。

持ち物は
「ロウソク2本、人型に切った紙、白い菊の花1本」
持ってきてはダメなもの
「塩、小豆、生米、縫い針、お守り、鈴」
だった。


数日後に迫ったオープンキャンパスのため
私はワクワク心を踊らせながら
準備をした。

当日、深夜12時。
「行ってきます」

と外に出た私
うっすらガスのかかった夜の小道を歩いて
電話で言われた、石造りの鳥居までやってきた。


そして一本ロウソクを灯し
鳥居の前に置く。もう既に何本か置かれていた。

そして意を決して
その鳥居をくぐりさらに狭くなった参道を
なぜか楽しそうに歩いていくのだった。



…つづく

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