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フィギュアスケート衣装の作り方〜入門〜

大学スケート部OGとして後輩の衣装制作を趣味としている者です。フィギュアスケートの衣装は既製品で2万円から、オーダーだとこの倍以上はかかるので、余っている適当な衣装を借りて試合に出る人も少なくないと思いますが、もっと曲に合った衣装を着てほしい。そんな思いで手作り衣装のはじめの一歩の踏み出し方を紹介します。


衣装制作の手順

・材料を買う
・生地を切る
・ベース部分を縫う
・試着してサイズ調整する
・モチーフやストーンなどの飾りをつける

おすすめのお店

下記は全て日暮里繊維屋街にあります。必要なものだけ買っても何故か3時間経っていることが多いのでウィンドウショッピングしすぎないように注意。
・フジカケ本店
舞台向けの生地の専門店。基本ここで生地は全て揃います。3階はキラキラした生地が多くて見ているだけで楽しいです。
・フリカケ
藤掛系列のパーツ屋さん。YHBラインストーンや、ケミカルレースなどのモチーフが買えます、
・トマト本館
2階奥に2way、3階レジ近くにパワーネットがあります。フジカケさんより安い特価商品があったりしますが、生地の種類が豊富で目移りして疲れるので注意。2階の階段近くにお安めでニット用ミシン糸が売られています。
・トマトノーション館
裁縫道具やファスナーを買うならここ。
・トマトセレクト館
レース系モチーフが扱われています。フリカケでいいのが見つからなかったらこちらもチェック。

日暮里ではないですが、新宿のオカダヤさんは品揃えが豊富なので、生地やパーツにこだわりたいときはこちらにも足を運びます。日暮里繊維屋街ほど安くはないです。

準備するもの【道具編】

・ミシン
ブラザーの2万円程度のエントリーモデルのコンピュータミシンを使っています。宅配レンタルやレンタルスペースを利用するのもいいでしょう。ミシンで縫う工程にかかるのは8時間×2日くらいだと思います。
・裁縫セット
小学生のときのやつをなくした人は楽天とかで買ってください。
・レオタードの型紙
大阪の三徳さんの型紙を利用しています。ネットで探せば自分で型紙を作る製図方法を紹介している動画などもありますが、初心者が型紙代をケチるのはおすすめしません。
・ハトロン紙
型紙を写して使います。ムーンベールなどの不織布でも可。
・チャコペーパー&ルレット
裁縫セットのチャコペンだけで頑張ってもいいですが、絶対イライラするのでルレットでなぞるのをお勧めします。
・ストーン用接着剤
種類様々ありますがシアノアクリレートが主成分の瞬間接着剤は白くなりストーンが曇るので禁忌です。セメダインスーパーXシリーズは強力に固まってくれますが、粘度が高く糸を引きやすいのが難点です。正直100均の裁縫用ボンド(主成分酢酸エチル)が一番使いやすいです。

追記: パンツ用の平ゴム忘れてました。100均で買ってください。

準備するもの【材料編】

予算は大まかに見積もって布に5000円、パーツに5000円で1万円くらいです。慣れれば工夫次第で5000円に収まることも。

・ニット用ミシン糸
買い忘れ注意。上糸はレジロン、下糸はウーリーロックを使うのがいいらしいですが、レジロンを下糸として代用して困ったことは今のところないです。300円くらい。
・バストパッド
買い忘れ注意。日暮里で売っているものは半球のように丸いものが多いです。私は三角の高さがないものが好みなので新宿のオカダヤさんで買います。600円くらい。
・2way生地
ライクラとかスパンデックスとか呼ばれることもありますが2wayという名で売っています。ほつれないので端処理不要です。最低1m買えばトルソー全体作れますが、初めては怖いので1.5m買っておいてもいいかもしれません。1000円/mくらい。
・パワーネット
2wayのように伸びるメッシュ生地です。装飾としてもスカートとしても使えます。1000円/mくらい
・ケミカルレースなどのモチーフ
初心者はこれに頼りましょう。2種類以上買うと合わせが難しいので1種類にしておくのがおすすめです。
・ラインストーン
フリカケさんで買えるYHBラインストーンを気に入って使っています。ss16、ss20サイズは288個入の小袋で買えます。500円から1000円くらい。迷ったらクリスタルオーロラをss16とss20それぞれ1袋ずつ買うのが吉。ss16は店員さんが奥から出してくれます。
・大きめのストーン
フリカケさんの1階奥のものを使っています。様々な色がありますが、とにかくオーロラが映えるので迷ったらオーロラの90円くらいの石を5個くらい買っておきましょう。

スカートは1枚あたり1m買えば大丈夫です。パワーネットをスカートにするなら2枚重ねがちょうどいいと思います。

ファスナー、スナップや、シフォン生地などもよく使われますが、1着目で使うのはお勧めしません。割愛します。

生地を切る

袖付きやファスナーつきは気合いがあれば挑戦するのもいいですが、初めてはえりぐり大きめの背中の空いたタンクトップ型が安牌です。
縫い代は普通の洋裁では1cmですが、布が柔らかく滑りやすいので、2cmにしておいて後から切るのが良いです。サイズ調整が心配な部分は縫い代4cmとっておきます。

ベース部分を縫う

コンピュータミシンの三重縫いを使って縫います。普通の直線縫いを使って、生地を引っ張りながら縫っても良いです。
しつけぬいはサボらず必ずしましょう。サボると失敗して逆に遠回りになります。
三重縫いは解くのが大変なので、サイズ調整前の仮縫いは粗めの直線縫いにしておくのがおすすめです。

試着&サイズ調整

細かいことにこだわっている時間などないので着れたらOKです。着れなかったら修正しましょう。

飾りをつける

既製品の衣装などを参考にして、パーツを配置していきます。小さなストーン以外は手縫いでつけていきます。そんなに綺麗に縫わなくても取れなければOKなのでザクザク縫いましょう。
ストーンは仮で配置して写真を撮ってから、その場所に貼り付けて行く方法もありますが、いきなりそれっぽい場所にボンドをつけてストーンをつけていくのもアリです。大体失敗しますが、それをリカバーしようとするうちにいい感じにまとまってきます。
とにかく悩みすぎは厳禁です。

周りに自慢する

完成したら周りのスケート仲間に自慢しましょう。たとえ出来が悪くとも、作ったというだけで神扱いされることでしょう。

上達のコツ

・一般向けに販売されている既製品や、世界レベルの選手の衣装の写真を見まくる
一度衣装を自作すると、写真の衣装がどのように作られているかを読み解く能力がついてきます。そこから技を盗み取ると作れるものの幅が広がります。
・あらかじめデザイン画を描く
デザインを考えながら切ったり縫ったりするのは人間の脳には負荷がすぎるので先に大体決めておくと楽です。なんとなく頭にイメージするのと絵に描くのでは全く違うので、画力などは気にせずとにかくデザイン画を描きましょう。
・便利グッズに課金する
ファスナーをつける衣装ならコンシールファスナー押さえ、シフォンの端処理が必要なら3つ巻き押さえを買いましょう。ミシンに元からついている抑えで頑張れなくもないですがストレス値が段違いです。


追記: 衣装の受注始めました

商売始めました。作るのしんどすぎるぞという方は是非ご依頼ください。
学生スケーターの自作の相談は普通に無料で受けるのでその場合も連絡ください〜。


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