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データ分析者になりたい新卒わたしの意思決定を公開する

1. はじめに

私は誰:
この春九州大学を卒業した20卒の22歳です。複数のIT企業でデータ周りのインターンをしていました。まおさかなというハンドルネームでTwitterをやっています。
これは何:
 4月、就職する上でなぜどうしてこの会社に行くのかという意思決定を言語化・公開したものです。

2. 就活のスタンスと結論

 就活はただの通過点であるのに、「就活のために」みたいな行為や発言に違和感がありました。そして、自分のキャリア選択における関心ごとは学術領域をみていた頃から変わらず広く浅く薄く知識不足でした。そのため今の段階で「完成形」に持っていくことは不可能だと判断しました。なので、「何をやりたいか」「何故やりたいか」のところは曖昧なまま、これからも考え続けようと思いました。反対に、技術やスキル習得に対応するであろう「どのようにやりたいか」のところに一本特化しようと思いました。つまり、「未熟な状態の自分の志向性が否定されないこと」、「自分が目指したいスキルが身に付く環境が整っていること」が私の就活における大きな軸であったように思います。結論、株式会社リクルート からいただいた内定を承諾しました。(採用枠はプロダクトグロースコースという枠で、おそらくですが私はデータサイエンスとビジネスの両方の可能性を見いだされ採用されました。)2つの軸について以下詳細をかきます。

就活するにあたっての二つの軸 
「未熟な状態の自分の志向性が否定されないこと」
「自分が目指したいスキルが身に付く環境が整っていること」

2.1. 「未熟な状態の自分の志向性が否定されないこと」について

 ここでは深く言及しませんが、カケラだけ置くことにします。以下は就活の面接での発言を忘れないようにとメモしていたものの一部です。(口頭でその場で発言したものなので曖昧で論理性が頼りないです。)面接では、今まで行った業務の話以外は一貫して以下のような話をしていました。それでも内定をいただけたことは、「自分の曖昧さや弱さを否定されなかった」という点で私にとっては本当にありがたいことでした。

「生きながらにして死んでいるような自我の薄い現代人には憤りを感じていた。代替可能な人生は、生きていると言っていいのだろうか?「生きる」の水準が過去の人類と比較して高くなっていることは、近年発展している個人消費産業をみると顕著だと思った。」

「自己表現やオリジナリティやアイデンティティみたいなこと、誰か自分以外の他人に自分を感じてもらうとか、自分の中の繊細な感覚に敏感になって自分で自分を感じるとか、そういうことをしないと、生きてるって思えないようになってきてると思っている。」

「一昔前より便利で合理的な生活ができる手筈は整っているのに、現代人は全然幸せそうにみえないことに疑問を持っていた。だから心理学をはじめとする認知科学側面から人間の心や身体の機能について学んでいた。社会の現状を知る中で、ただ生存しているだけでは”良い”生を全うできない。パーソナライズされた各々の幸福を求めて生きている。そのパーソナライズされた幸福を求めている理由は、自分の存在は世界にとって代替不可能なものだと実感するという共通点があるのではないかと、今は一旦答えを出しているが考え続けるつもりだ。」


2.2. 「自分が目指したいスキルが身に付く環境が整っていること」について

 以下、かなり具体的な内容が続きます。この軸を達成するために自分が求める環境は以下でした。

1. 定量・定性どちらも踏まえて最適なデータ分析のスキルが身につく
2. そのスキルを伸ばすためのハード・ソフト様々な環境が整っている
3. 日常消費領域のソフトウェアプロダクトを運営する事業会社である
4. 自分の思想がある程度固まった時に転職or起業などしやすい会社である

2.2.1.「定量・定性どちらも踏まえて最適なデータ分析のスキルが身につく」について

 まず一言、リクルートのプロダクト開発組織の事実と私が勝手に持っていたイメージは大きく乖離していたため、インターンで1ヶ月お世話になった際に誤解が溶けて本当に良かったと思っています。本題に入る前に私が正義としているデータ分析のスタンスについて記述します。よくある話で「なんでもAIで解決できる!」「機械学習が最も強い分析の手段である!」「なんでもデータ化IT化すれば良くなる!」ということは絶対に間違っていると思っています。分析手段は何故分析をするのかという目的によって最適化されるべきで、基本的に細切れにされた調査目的に対してその場その場で最適な分析手段、意思決定の資料集めをすべきだと考えます。そのため、定性データも定量データもどちらも実践できる環境がベストでした。この理想はインターンにより、リクルートはほぼ完璧に満たされた環境であると判断できました。とある新規機能実装のプロジェクトに参加していたのですが、UXデザイナー・データプランナー・データサイテンティスト・エンジニアで構成されており、おそらくデータプランナーの枠で参加していた私は、SQLを書いて定量的に影響範囲を予測検証したり、グループインタビューの調査設計をして定性でユーザーニーズを検証したりできました。職種横断的にそれぞれの知識を融合させクイックに事業を進めている様子が伺えました。過度に分業化が進んでオーナーシップを失うこともなく、それぞれの職種の専門性も失わずに職種横断的なチームとして目標達成に向かっていたので、とても理想的だと思いました。スキルありきの職種は、専門性の保持のために狭い範囲で特化している場合が多いのですが、私はある程度の水準で専門性を保持した状態で目的に応じて最適な手法を臨機応変に対応させるということに注力したく、日本語以外の言語で仕事ができない私にとって公開されている職種として、世界で最も最適なものでは?と現段階では思っています。

2.2.2. 「そのスキルを伸ばすためのハード・ソフト様々な環境が整っている」について

 働き方や配属に関して、こちらも組織が大きいことが個人にとってメリットになったりデメリットになったりするだろうと思いましたが、基本的に「組織にとって最適な」状態を作ることに長けていると感じました。年収や出世に関する仕組み、またその他リッチな制度が多数見受けられ、組織としての安定性を感じました。働き方に関しては、比較的自由度が高いなという印象です。デイリーの視点でいうと、クライアントの働き方に合わせる必要がある場合は合わせていると思いましたし、もう少し長い目でみると、配属や職種に関しては、技術やスキルに合わせて配置されている上、社内転職や社内ジョブチェン(ジョブチェンジ)みたいなものも活発に行われていました。データ関連職という点に限定して環境について言及すると、期待より大幅にポジティブなものでした。 分析手法や分析結果を共有するための環境、共有への意識の強さみたいなものを私がお世話になった部署では強く感じることができました。分析者は一人では何もできないので、分析者にとってナレッジ化し自分で得た知見を会社やチームに還元することは必要不可欠な要素です。なので、分析が無駄なく機能している環境としては、私が今までお世話になった会社と比較しても最も高いレベルにあったように思いました。

2.2.3.「日常消費領域のソフトウェアプロダクトを運営する事業会社である」について

 "定量・定性どちらも踏まえて最適なデータ分析"と目標に掲げていることからもあるように、ユーザーの細かいインサイトや消費をできるだけクリアに追えるようなデータを保有している会社が望ましいと考えていました。また、ビッグデータを分析したいだけではなく、エンドユーザーのインサイトを分析しユーザーにとってより良いプロダクトになるようアップデートさせたかったため、ソフトウェアプロダクトを開発・運用している事業会社である必要がありました。そして、単純な「年収」や「年齢」などのデータではなく、「美意識」「嗜好性」「価値観」などに触れるようなできるだけ深い、”大衆の” ユーザーインサイトにアクセスしたかったため、一重に日常消費領域といえども広くある中で、私は「数ヶ月に一度は必ずユーザーが使用する・ ITプロダクトに馴染みのない方をはじめ老若男女幅広い層が全国的に利用している・現代社会を生きるほとんどの人が一定額を支出している・今後数十年間で支出額に変化がありそう(主観)」なプロダクトに関わりたいと意識しています。これは取捨選択で既存の企業が抱える事業やプロダクトをみて決めましたが、リクルートは、ホットペッパービューティーをはじめとした日常の意思決定をサポートする、まさに私にとって理想的なプロダクトがあると感じました。また、あるあるで恐縮なのですがインターネットが抱える広告バナーやアソシエイト広告で利益を得る「インターネット広告」というマネタイズの古代からの進捗のなさは飽き飽きしてました。その点、リクルートはビジネスモデルが多様化しており、その中で "個人の日常消費" に関われることは、現段階の私にとって大きな要素でした。

2.2.4.「自分の思想がある程度固まった時に転職or起業などしやすい会社である」について

 こちらは、もはや後付けのようなものですが、私はまだ自分の人生で成し遂げたいことに明確な軸を絞りきれなかったので、就職先が転職や起業がしやすい会社である必要がありました。リクルートは「元リク」という概念があるくらいなのでその点ではとても動きやすいと思いました。また、春休みにお世話になっていた「mento」というサービスを扱っているスタートアップは元リクの方々が起業していました。そこで感じたのは、リクルートは単に転職や起業がしやすいだけではないということでした。転職や起業をした際に使用する仕事上のフォーマットや仕事の仕方などもリクルートの環境を下地に構築されているのだろうなと感じる場面が多々ありました。リクルート節のような仕事の型があり、これらは、キャッチアップや適応の工数を最小に抑えて転職or起業することができる大きなメリットだと感じました。加えて、そのような志向性を持った人が多く就職する会社ですので、自分が起業やスタートアップに転職した際に「仲間がほしい!」な状態で、よりつながりが活かせる場面もあるだろうと感じました。

3.さいごにポエム

かなり赤裸々に自分の就活における意思決定を言語化しましたが、実のところ、これは自分の"なんとなく"を言語化した結果です。「なんとなくこの会社いいと思うんだけど、何故だ?」逆に「なんとなくこの会社嫌なんだけど、何故だ?」と、言語化して削ぎ落とすことによって自分の中にある意思決定の基準を改良してきました。限られた経験と知識の中で出した答えは、あくまで気休めでしかないと思っています。「我々はどこから来たのか、我々は何者か、我々はどこへ行くのか」 、私が最も好きな問いです。私たちは、きっと本質的には自分自身のことを何もわからない、でも、わかったふりをしないと前進できないことが多いと思います。「私はどこからきたのか、私は何者か、私はどこへいくのか」を理解するために、私は生きて死んでいくのだろうと思います。ほんと少しでも多くの方の意思決定の糧になればいいなと思い、現在のこの意思決定を言語化しました。


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