社会人だからこそ、学びたいと思う気持ちを大事にしたい①

「 あ...これなんだろう 」という気持ちが、だんだんとなくなっていく

本題に入る前に、少しだけ弊社のチーム活動について触れておきたい。

チーム活動とは、プロジェクト(仕事)とは別軸で集められたメンバーで活動することである。実施する活動はリーダーを中心に自由に設定していい。

ある程度仕事内容に関わる活動であることが前提になっているが、比較的自由にやらせてもらっている制度だ。例えば、企画展や展示会などからトレンドをキャッチアップしたり、各自が持っているプロジェクトのナレッジを共有したり、映画鑑賞から批評まで多種多様である。

半期ごとにチームが入れ替わり、毎度活動テーマが与えられる。今回は「学び」だ。勉強会をたくさんやれということではなく、「学び」という機会をチーム活動の中で作ってほしいということだと理解している。最近はディレクターの数も増えたので、プロジェクト以外でも成長機会を作ることは重要だし、ディレクター同士の交流もプロジェクトが同じでなければ1ヶ月くらい会わない人だっているから、少し強制的だけど「集まる」ということについては、とても良い仕組みだと思っている。

さて、この「学び」という全体テーマのもと、私のチームではどのような活動を行っているかを紹介していきながら、本題に入っていきたい。

活動テーマはずばり「学びたくなるための活動」だ。準備運動と言ってもいいかもしれない。「学び」という活動に入る前に、「今、学びたいことある?」ということなのだ。

「学びたいことはないけど、”何を学んでおいたほうがいいのか”ということは知りたいかも…」

学びというキーワードをそのまま直球に受け止めていれば、先の例のような勉強会や展示会を見に行くなどの活動が考えられる。しかし、わたしたちのチームは「そもそも、学びっていうテーマに対してやりたいことが思い浮かばないよね」ということが問題だという話になった。

ライティングや動画編集について学んだりしたっていいのに、これというものが思いつかない。学んだほうが自分とっていいのだろうと思うけど、そこに強いモチベーションが生まれないのだ。

それはなぜか。学ぶためには、与えられたテキストを読んで覚えるだけでなく、インプットした情報を使ってアウトプットしないといけない。だからこそ、強いモチベーションがなければ続けることができないし、それが無ければ自発的に活動に参加することができないだろう。

ではチーム活動ではなく、仕事ではどうだろうか。プロジェクトという単位で設定された目的とゴールに向かって、インプットをしていくことができるだろう。そのモチベーションは、プロジェクトがあるからこそ生まれているものと言える。そして、そのインプットは対象のプロジェクト内でしかアウトプットされないことが多いとも言える。

つまり、プロジェクトがあることでモチベートされているため、いざ自由に学びたいことを学べということになると「どんな学びを得たらいいのかがわからない」のだ。「学び」の目的がプロジェクトに左右され、プロジェクトが終われば御役御免で手のひらからサラサラと学んだことがこぼれ落ちていく。極端かもしれないがこのような状況になっているのだろうと感じた。

「主語が自分ではなく、仕事になっている時間が多すぎる」

「学び」はウィキペディアによると「人間が何らかのものごとを新しく身に付けるようとする営みのことである。」とある。つまり、学ぶというのは何かを始めるにあたっての極めて最初のステップである。その段階において自分が何をしたらいいかわからないとなれば、それがかなりまずい状況なのはよくわかるだろう。四方八方がどん詰まりである。

そしていつまでたっても、学びというステップから抜け出せないのである。経験という意味では何かしら前に進んでいるかもしれないが、ただ仕事ありきのインプットとアウトプットを繰り返しただけでは「学び」にはならず、毎回振り出しに戻るということだ。

これが続いていくと、プロジェクトの数はこなしているのに成長はしていないという状況が起こってしまう。と同時に、自分のなかで自信が育っていかないだろう。

チームメンバーの話を聞いていると、このような状態に近づきつつあるのではないかと思った。だから「学び」をテーマに活動をするのは、どうにもしっくりこなかったのである。むしろ自分が主語の状態で「学びたい」というモチベーションを作らなければいけない。そう思ったのだ。

では、そのモチベーションとは一体どこから来るのだろう。

気になるという気持ちを意識的に捉えていく練習

1つの答えとして、「好奇心」というものがあるだろう。「知りたい」という欲求が、ただの思考から行動へと変えていく。

まずは、この欲求に私たちは着目してみたいと思った。自分たちは今どんなことに興味を持っているのか、気になると感じているのか。それをちゃんと感じてみることから始めてみようということだ。

なんだ、そんなのやらなくたって自分の好きなことくらい分かるだろうと思うかもしれないが、別に自己分析をしたいわけではない。仕事をこなしていく中で忘れがちで切り捨てがちな「なんかこれ気になるな」という自分が主語の部分をちゃんと捉えていく行為が、どのようにモチベーションに影響していくか、ということが知りたいのである。

例えば、本屋さんで本をざっと眺めている時、「気になる」と思って足を止めたり手にとったりすることがある。

その「気になる」という気持ちこそが、好奇心の始まりなのではないだろうか。またその気持ち自体がどういう言葉や色、形で表現することができるのか、気持ちを認識し捉えることで、物事への見方や感じ方が変わるのだろうか。そんな疑問にも向き合ってみたいと思う。

そして私たちは、チーム活動で「学びたくなるための活動」を自ら実践していきながら、だれもが使える準備運動として形にしてみたいとも思っている。

好奇心を開くことで、その後に続く驚きの連続をつくり、もっと知りたいというモチベーションを育てていく。そのためのワークについては、長くなってしまったので次の投稿で書きたいと思う。

仕事で学んだこと、撮った写真、日常の考えごとなどを思いついたら書いてます。スキしてもらえると励みになります!