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#34 プロセス編 モチーフジュエリー誕生のこと


文字とモチーフ

今日の話題はMaoBissLupin(マオビスルピン)のジュエリーが形になるまでの構想について。

現在展開しているアルファベット×モチーフのシリーズのこと。

”文字”とはそのままの意味で、アルファベットやひらがな、カタカナ。

受け入れられやすく、デザインし易く、そして世界的共通言語の3要素を考慮すると、アルファベット×○○が落し込みやすい。

文字とモチーフを組み合わせたデザインは、ナカムラがかつて、高校時代の文化祭でクラスTシャツのデザインを担当したことが原点となっている。

クラスの出し物であった”おにぎりといかげそ”を「おにぎり男爵といかげそ夫人」というキャラクターとし、その線画の中に35人程いたクラスメイトの”あだ名”を一文字一文字嵌め込んだ。

ぱっと見はそのキャラクターだが、よく見ると、一人一人のあだ名が刻まれている。

それをジュエリーにも転用できないかと、ファーストコレクションとして発表したのがこのシリーズ。

マルタ島を旅行した際に印象深かった、船・目・ドア・猫・宝石(海)・マルタグラスの6シリーズで展開している。

今後もモチーフのアルファベットシリーズは不定期に発表予定。


建築的要素は必要不可欠

MaoBissLupin(マオビスルピン)を語る上で、もう一つ重要な要素。
それは「建築」。

建築的な”立体感”や”空間”をとても意識している。

それは”宝飾品”としての、石を美しく輝かせる為の手法ではないが、建築的に、石や金属をどのように組み立てていけば身に着けられるアートになるかを意識している。

実際に作品として発表するまでには、建築模型を組み立てる要領で、0.8㎜の真鍮板でジュエリー模型をつくりながら、リングなら指にフィットするサイズ感か、ネックレスは引っ繰り返り難いか、ピアスなら傾きすぎないかを検証しながら試行錯誤を重ねる。

いくつも模型を作り、全体的なバランスのものを作品にする。

ジュエリー職人には、”建物リング”と呼ばれて珍しがられるほど、宝飾業界出身者からすれば、斬新さと、時には邪道とされるデザインもあるようだ。

けれど、こうしたプロセスを経て生み出すジュエリーだからこそ、差別化できることも多い。


エレガントさも重要条件

”アート”とは言え、ジュエリーである以上、身に着けることが大前提。

主に自分と同世代以上の方を中心に手にとって頂きたいと考える。

彫金を習い始めた頃は20代。
カジュアルで可愛い系の路線で作品創りをしていた。
ファッションとの相性もそれほど意識はしていなかった。

30代になり、ファッションもメイクもヘアカラーも変わり、趣味嗜好に変化があった。
そんな少し大人になった自分と同世代の女性、もう少し歳を重ねたマダム、そして、ユニセックスでも身に着けられることが魅力になるようにデザインへ落し込むことを意識している。

最近はiPadで描くアートや3Dcadから起こすデザインをためつつある。

それも少しずつ、形にし、デザインの幅をより広げていきたい。



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