見出し画像

血と家から考えるアイドリッシュセブン⑥(ネタバレ有)

【アイナナ考察記事についてのお願い】
・「二次創作」としてお読みください。ストーリーの展開を保証するものではなく、公式やキャラクターを貶めようとするものではありません。
・アイナナに関するすべての情報を把握しているわけではありません。個人の妄想と願望を大いに含む、一解釈であることをご理解ください。

こちらは、アイドリッシュセブンを「血」と「家」という観点から考察する記事です。初めての方はからご覧下さい。

アイナナ4部についての考察を垂れ流していきたい。いつもの通り、ネタバレ満載、独断と偏見だらけでお送りするので、ご了承願いたい。

さて、4部も9章まで公開され、PVの時点では「は〜ん?」だったところもだいぶ明らかになってきた。本当は3章を読んだ時点でいろいろ書きなぐりたかったのだが、「いや、まだわからないぞ…」と思って自重していたのだ。
他のメンバーのことももちろん書きたいのだが、とりあえず、とりあえず、八乙女楽と二階堂大和について書いていきたい。今回、激アツなのである。

ざっくりと状況を整理しておこう。

アイナナは目下ナギ奪還作戦の真っ最中。千葉パパクラスタの関係者のツテを頼ることになり、大和は父親と久々に一対一で会話。そこで仕事についても助言されて「…!!」となる(ざっくりすぎるか…)

TRIGGERはライブハウスで全国をまわりつつ、起死回生の一手を模索中。ラスディメを手がけた演出家による新作ミュージカル(かなりの大作)のオーディションを受け、三人で主役級の3役を独占するためにめちゃくちゃ頑張る(ざっくりすぎるか…?笑)

ここで強調しておきたいのは、楽と大和は一度も会話をしないということ。
にもかかわらず、この二人のつながりが濃厚になってくるのだから、4部は空恐ろしい。1部から匂わせていながら、ずっと絡ませなかったふたりを、ついについに…どうするつもりなのか。というあたりを、今回は考えていきたい。特に三日月狼関連意外から考えようと思っている。


1.毒を飲ませない八乙女楽

まずは八乙女楽である。
4部は楽と天の喧嘩から始まる。原因は3部ラストで楽が九条家に特攻をしかけ、「天は渡さない!!」的な宣言をしてしまったことである。こりゃあ荒れるぞ…と思ったのだが、意外にも今回は八乙女楽が理性的であった。そのおかげで、天の情に脆い部分が露呈したと言っていいだろう。

そして、この喧嘩の最中において、4部における八乙女楽(および二階堂大和)のテーマになると思われる論理が明らかになる。

画像1

「俺の隣で毒を飲むな」
これである。正直言って、1部〜2部の八乙女楽にはなかった要素である。

かつての彼は、父に認められるアイドルであることと、父の言いなりにはなりたくない気持ちとの間で揺れ動き、必死すぎた。周りが見えていなかったのである。それが3部の時間を通じて変化し、父の庇護下を離れた結果、このような心境に至ることができたのである。喜ばしいことではないか。おかげさまで天も、めったに言わないデレ発言「TRIGGERでいられることが幸せ…」と言ってくれた。いやはや大変な成長である、TRIGGER。
しかし、九条問題は未だ棚上げされたままだ。天の苦しみは続く。最終局面で八乙女楽がどんな選択をするのかが注目される。

2.「父」に接近する二階堂大和

つづいて二階堂大和である。
彼にとっての大きな変化は、千葉パパと会話したこと。これに尽きるだろう。なぜ千葉パパに会いにいったのかといえば、ナギのためなのであるが、その決意の裏には八乙女楽がいたことは、見逃せない。

画像2

「八乙女だって、TRIGGERを守るために親父の事務所を出たんだ…」


唐突に八乙女楽の話題を出し、千葉パパ宅への訪問を決意するのだ。
楽も大和も、図らずも父親から受けた恩恵によって、アイドル&俳優業をこなしてきた、という考察は以前した通りである。そして、楽は反発しながらも父親のレールに乗ったアイドルに、大和は父に反発して俳優ではなくアイドルになったのに、俳優もやることになった。この父に反発しながらも離れられない感じが、相似形をなしているのである。

そして今回も、二人は対になるような選択をしている。

楽や親から離れてグループを守った。
それを見た大和は、グループを守るために親に近づくのである。

こういうところが、こういうところが!このリーダー二人の堪らない魅力なのだ。面と向かってでなくとも、意識し合っているかのような二人なのだ。

そんなふたりは、図らずも「三日月狼」という、千葉パパの代表作にそれぞれかかわることになる。八乙女楽はオーディションで三日月狼役を勝ち取り、大和はノースメイアで三日月狼の扮装をしてナギ奪還を目指す。
ここで、二人の俳優業に対する仕事のあり方が浮き彫りになり、おそらくこれが対立したり、衝突したりするんだろうなあという予感が満載なのである。

3.二階堂大和と「三日月狼」

二階堂大和から見ていこう。
彼は類い稀な演技力で俳優業をこなしているが、仕事をはじめたのは「グループの危機を救うため」であり、自ら志望して俳優をしているわけではなかった。今回は千葉パパから、その痛いところをつかれてしまう。

「水風呂=(我がことになっていない仕事を、そこそここなしていくと、いつか潰れる)」はやめろ、と言われるのである。

画像3

やる気をもって、知恵をはたらかせて、真心を持って仕事をすれば、仕事は水風呂ではなくなり、血が通った温度のお湯で本領が発揮できる…と。
なるほど、働く人間にとっては耳が痛い話である。

振り返れば、大和はアイドルにしても俳優業にしても、全て動機が「他人」にあった
復讐のため、グループの危機を救うため…本当に彼がやりたい仕事とはなんなのか。わからないまま4部まできてしまったのは確かである。

これは単なる妄想だが、おそらく彼の本領が発揮されるのは俳優業であろう。アイドルすらも演技の一環という感じがするからだ。とすると、今回千葉パパの代表作である三日月狼の扮装をすることは、何かの引き金になるのではないか。
例えば、ノースメイアで扮装だけでなく、台本を使ってひと場面演じるとか。それが妙にウケて、ちょっと嬉しいとか…とすると、そこで彼が知ることになるのが、同じ三日月狼を演じることになる八乙女楽なのである。

4.八乙女楽と「三日月狼」

楽と三日月狼のかかわりを見ていこう。
結論からいうと、楽はオーディションで演技力を評価され、見事三日月狼の役を勝ち取る。アイナナ警察やアイナナ学園で、自分の演技を千や大和と比較し、少々悩んでいるようだった楽。ここにきて演技開眼ということだろうか。それには、彼の心境の変化が大きく影響していよう。

前述した通り、TRIGGERを守る(&メンバーを苦しませたくない)という気持ちが前面に出る一方で、誰よりも「我」を出してくるのも4部の楽の特徴である。オーディションの前も、「今回は純粋に、役が欲しい」と包み隠さず言っている。そして、三日月狼役に決定した際は、「千葉さんの役をとったぞ…!」と、かなり喜んでいる。

三日月狼はまだあらすじしか明らかになっていないが、これまでの八乙女楽の役柄とは少々ずれている気がする。というのも、面接で楽が言ったように、彼は常に「勝つと信じて、自分を出し切る」ことをやってきたからだ。今回は勝つ見込みがほとんどない中で、仲間を連れて戦う物語なのである。これは演技プランで苦労するだろうなあと思う。そこで知恵と真心発揮し、楽は千葉パパがいうところの、「水風呂ではない仕事」の経験をし、役者として大きく成長することになるだろう。
※三日月狼および「Cresentrise」については、後続記事も参照ください↓

つまり、これまで演技面では大和を羨むところがあった楽だが、その関係性が逆転する可能性があるということだ。三日月狼を真剣に演じる楽を見て、息子だからと適当に演じて(扮装して)満足した大和は、自己嫌悪するだろう。「これが水風呂と温泉のちがいか…」とまで思い至るかもしれない

楽は楽で、日に日に千葉パパに似てくる役者二階堂大和を意識せずに、三日月狼を演じることは難しいだろう。お互いに意識し合う二人…たまらないではないか。

5.今後の展望

今後の展開予測だが、TRIGGERが舞台の稽古でかなり苦しむのは間違いない。そこでたまたま楽が、大和扮装写真を見て「俺よりこいつのほうが…」と思ってしまうのかもしれない。逆に、大和が何かのきっかけで、楽の稽古の様子を見てしまうのかもしれない。とにかく互いの存在がショックをもたらすことになるだろう。

そこから、大和がリメイク映画「三日月狼」のオファーを受けるのかもしれないし、急遽Wキャストで楽と共演になるかもしれないし…それはよくわからない。しかし、このまま二人が接触しないまま終わるとは思えないので、何かしら起こるはずである。そうあってくれ!頼む公式!

その結果、楽も大和も、お互いによって「非水風呂」体験をし、成長してくれたら…と願ってやまない。そう、「血がかよった相手との仕事」!これだ!そうすることで、今度こそ完全に、楽と大和は父親と自分の仕事の問題を切り離して考えられるようになるだろう。
大和の打ち明け話ではデリカシーのない直球発言をしていたものの、フレンズdayのときに、誰よりも大和の父親問題を気にかけていたのは楽である。そして4部では大和が、楽の父親問題を気にかけている。この伏線が、三日月狼による二人の接近によって解消される…ああ、楽しみでならない(違ったらどうしよう…)

三日月狼の扮装をした二人のポスターとか…たまらない。
それぞれの演技をDVD等でみながら酒を飲んで、批評しあったり、褒めあったりするのも…たまらない。
大和も楽も、交友関係はそんなに広くないというのが私の見解なのだが、常々彼らには、メンバー以外で落ち着ける場所を作ってあげたかった。二人がそういう良好な関係を築いてくれれば、こんなに嬉しいことはない。

次回配信は6月末だろうか。気長に待ちたい。
長文にお付き合いいただき、ありがとうございました!


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?