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血と家から考えるアイドリッシュセブン①(ネタバレ有)

【アイナナ考察記事についてのお願い】
・「二次創作」としてお読みください。ストーリーの展開を保証するものではなく、公式やキャラクターを貶めようとするものではありません。
・アイナナに関するすべての情報を把握しているわけではありません。個人の妄想と願望を大いに含む、一解釈であることをご理解ください。


アニナナ視聴後にアイナナを始め、遅ればせながら3部までクリアしてから3ヶ月。
アイドルものとして簡単に片付けてはいけない魅力を感じつつ、上手く言語化出来ずにいた。4部が始まる前になんとか考えを纏めようと思い、つらつらと考察を垂れ流すことにした。

最初に言い訳とおことわりを。とにかくニワカである。アニナナとゲームシナリオと楽曲しか履修していない。多少腐った目線でも見ているので、不快に思われる方はリターンをお願いしたい。
主な方針としては、アイナナ全体を「血」と「家」という観点から俯瞰し、私の推しであるTRIGGERと二階堂大和を中心に考察し、4部についても考えていきたい。そんなところである。本職が論文書きなので、うだうだした文章になりがちなのはご了承願いたい。また、ネタバレもする。お許し願いたい。

ではさっそく、アイナナをなぜ「血」と「家」から考えようと思ったか、から始めたい。
アイドルものは数多あれど、ここまで血縁や家族の問題が頻発する作品は少ないのではないか、と思うのである。ざっと上げるだけでも以下の問題がある。

・九条天、七瀬陸の双子問題
・二階堂大和の父親問題
・四葉環の妹問題
・逢坂壮五の父親問題
・六弥ナギの母親および皇位の問題
・八乙女楽の父親および母親問題
・十龍之介の実父と義父の問題
・九条天の養父問題
・紡の母親問題
(・全く似ていない和泉兄弟の問題)
(・謎多き千百の家族の問題)
(・ツクモの兄弟確執)

ほぼ全員が何かを抱えている。
私は平安時代の文学が好きなのだが、源氏物語レベルで家族の問題が勃発していると言っていい。アイナナは若い子が夢に向かって頑張る背後で、大変な「血」と「家」の問題を扱っているのである。しかも各々がそれらの縛りに抗いながら、結局は抗いきれていないのが特徴だろう。

例えば二階堂大和である。
彼は言わずもがなだが、真実を話さない実父千葉氏に反発し、その復讐のために芸能界に足を踏み入れた。しかし復讐の方法として父親と同じ世界を選んでいる時点で、もう彼は縛られているのである。そして欲しくもないその千葉の血が放つ演技力で、アイナナの成功に一役買ってしまう。
なんという矛盾。個人の感情なぞ知ったことかというくらい、二階堂大和は血で生きているのである。

3部前半で二階堂大和が「俺もいい加減ちゃんと(演技)の勉強をしないと……」と発言しているのがその証拠である。「mission」の役は彼が初めて「血」ではなく、後天的な自身の知恵と努力で演じようとしたから、あんなに役作りに苦労したのだ。


実父とは和解しつつある二階堂大和だが、今後は往年の実父と自分を比較し、それを目指したくないような、でも越えたいようなという葛藤をしながら、役者は辞めないだろうと私は予想している。彼にとってはアイドルも「役」のひとつなのであるから、演じることはやめられないはずである。

そこには、ソロ曲で伝えられたような仲間への想いもあるだろう。彼は実父とはなし得なかった「家族」という概念を、アイナナの中で獲得していく。自ら「お兄さん」と名乗ったのは、無意識に複数人のコミュニティの中で、居場所を定めたかったからだろう。二階堂の家では、彼のポジションはあまりに不安定だったから、今度は自らポジションを作ったのだ。

この不器用さ、面倒くささ、これだから二階堂大和は愛おしいのである。アイナナ解散があるとして、最もダメージを受けるのは二階堂大和だと思っている。そしてこれがTRIGGERの八乙女楽や十龍之介と相似形をなしていることが私が身悶えるところなのだが、そのことはおいおい言及していきたい。

さて、こんな感じでキャラクターを絞りつつ、何回かに分けて、アイナナを「血」と「家」から考察していくつもりである。長年のファンの皆様にとっては当然既知の内容かもしれないが、私の頭の整理のためにお付き合いをお願いする次第である。
なにせ浮気性なので、時々他の作品の考察を挟んでしまうだろうが、4部配信までにはなんとか一区切りつけるつもりである。

ベテランマネージャーの皆様にどんどん教えを請いたいと思っているし、それでアイナナの世界が深耕できればこんなに嬉しいことはない。寂しいことにミドサーの私の周囲には、アイナナを嗜む方が少ないのだが、昭和の終わり生まれの方にこそオススメしたい。

ということで、次回は八乙女楽について考えたいと思う。彼を考えないと二階堂大和のこともこれ以上言えないので、という理由である。あとは察してもらいたい。

駄文にお付き合いいただき、ありがとうございました……!

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