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長かった、Road to IELTS

初めての投稿は、長く苦しんだこのトピックから。

英国ロースクール受験のため、必要スコア(OA7.5、each7.0)を満たすべく、IELTSの勉強を始めたのは一昨年の6月頃からだったでしょうか。弁護士業務の傍ら、まずは敵を知るところから始めようと、大した対策もせずに受験した第一回目のIELTSはOA6.0。「これは試験慣れさえすれば、まあ1年くらいでスコア取れてしまうのでは」と思っていたあの頃の自分を全力でぶん殴りたい!(笑)出産・育児によるブランクはあれど、目標スコアに到達するまでに結局のところ約2年かかりました。受験回数にして通算15回・・・。試験代、スクール費用、ライティング添削費用など合わせてウン十万(桁変わりそう・・・)。そして、この4月ようやく目標スコアを取り切りました。

(いずれのセクションとも必ずしも常に安定したスコアを取得していたわけではなく、今回もReadingのスコアが低いですが、Writingで7.5を取れたことが何よりも嬉しかったです。)

この投稿では、IELTSに苦しめられた私だからこそ、同じように苦しんでいる人にとって、何か1つでも有益な情報を提供できればと思い記すものです。

私は英語学習・IELTSの専門家でも何でもないので、テクニック的な記載は避けたいと思います(その真実性・正確性を保証できませんし、ね)。代わりに、上記スコアを獲得する上で、「これは役に立った!」と思うものを厳選しておすすめしたいと思います。

1.IELTS受験スケジュール+アプライ準備

私のIELTS遍歴を雑感とアプライ準備状況と共に振り返ります。

アプライ準備については、ざっくりとですが表のスケジュール通りです。
準備開始当初は、応募要項が記載された大学HPを英語で見るのも苦痛でしたが、IELTSのおかげでしょうか(?)、段々と慣れてきました。
仕事と並行しての出願作業だったため、留学エージェント(SI-UKさん:https://www.ukeducation.jp/)に依頼し、提携校についてはアプライ自体もお願いしました。

第一志望であったUCLからConditional Offerを受領したものの、condition(IELTSの必要スコア)を満たしUnconditional OfferにしないとVISAの関係でdependantである娘をイギリスに連れて行けない(Pre-sessional courseに頼ることはできない)という背水の陣で臨んでいたため(UCLではそうでしたが他校では交渉に応じるケースもあるようです。)、プレッシャーが半端なかったです。

何はともあれ、本当に良かった。努力が実を結び、長い戦いを勝ち抜けた達成感は非常に大きいです。

2.各セクション対策

以下に、各セクション別でお世話になった教材やWebページを紹介します。

(1) 全般

なお、ListeningとReadingに関する情報はこちらで尽きています。

①導入教材

現在は第2版が新しく刊行されていますが、こちらの第1版を「IELTSとは何ぞや」ということを知るために購入し熟読しました。非常によくまとまっており、Writingはモデルアンサーも付いているので、実践的でもあると思います。はじめの1冊として用い、目標スコアOA6.0程度であればこちらのみでも対応可能かと思います。

②IELTS問題集

IELTSナンバーシリーズでお馴染みのこちらの問題集を最新のものから3冊買い込み、いずれの問題も2回繰り返しました。

  • Listening
    :問題を解き終わったら間違えた箇所を聞き直し、スクリプトを確認し、なぜ間違えたのかの理由(単純に聞き取れなかったのか、スピードについて行けずor集中力が欠け聞き漏らしていたのか、スペルミス等、理由はそれぞれ異なるはずです。)を確認していました。

  • Reading
    :解説がないのでなかなか使いづらいですが、レベル感把握と制限時間内に解けるかどうかの訓練用として用いました。

  • Writing
    :スクールを利用してWriting添削をしてもらっていた時の課題として、用いました。ただ、マイナートピックも多かったので、教育や技術分野等のメジャートピックのみ練習課題にしていました。モデルアンサーはモデルにすべきスコアのエッセイが載っていることの方がまれだったので、あくまで参考程度に。

  • Speaking
    :マイナートピックが多めだったので他の教材(後述)でカバーすることとし、こちらはほぼ出番なしです。

③IELTS Online Tests

問題集での訓練に飽きたら、こちらのオンライン問題に取り組みました。実際のオンラインテストとほぼ同じプラットフォームで、問題数も多い上(かつ随時アップデートされている!)、一応の解説も付いているので(「これが正解だからです」レベルの解説もたまにありますが(笑)、「このフレーズを言い換えているので」といった解説もあり、ナンバーシリーズよりは丁寧だと思います。)、実践的な練習ができると思います。WritingとSpeakingはユーザー評価でありプロによる採点ではないので使用せず、もっぱらListeningとReadingのみ使用しました。レベル感は本番よりもすこーしだけ難しいと思います。鬼畜な問題はユーザーのレビューコメントで叩かれています(笑)。

(2) Speaking

問題に慣れれば間違いなく点数は上がると思います。以下の教材を使用して、オンライン英会話でmock test的に出題してもらっていました。

①IELTS-up

問題数は少ないですが、頻出テーマばかりなので、まずはこちらから。答えも載っているので、どのようにどの程度(Part2は短めですが)答えれば良いか参考にしやすい(イディオムなどもチェック。)。

②IELTS Dragon

IELTS9.0のフィリピン人が運営。テーマが豊富で答えも載っているので、参考にしやすい。

③30 IELTS Speaking Practice Cards

https://www.ieltsjacky.com/support-files/30ieltsspeakingpracticecards.pdf

テーマ別にPart1~3を通しで練習できる。30分単位のオンライン英会話のレッスンで1テーマずつ訓練するには丁度良い。

☆最新出題トピック

IELTSのSpeakingは1月、5月、12月の3回、その前月までのトピックの約半数が入れ替わると言われているらしく、そのため、入れ替わり前のものと入れ替わった後の2パターン分を頭に入れておけば、そのトピックが出る可能性が高いです。こちらのリンクはご丁寧にその最新2パターンをまとめてくれています。おそらく随時更新なので、直前期に眺めて答えのイメージを持っておくとベター。

【Comments】
Part1は、1個の質問を振られたら、(意味的に分けて)最低3センテンスぐらいは答えていました。
Q) Do you live in a flat or a house?
A) I live in a flat which is located in the northern part of Tokyo. It consists of 10 floors and I live at the top of that, so from the window, you can see the stunning view of the city. みたいな。
Part2は、頻出テーマのスクリプトを自分で作っておいて、1分の準備時間はできるだけゼロから考えないようにしていました(ブレッドポイントで提示されるトーキングポイントは参考程度なので全て触れる必要はないです。そのため、設問から逸れなければブレッドポイント以外のことを話しても大丈夫だと思います。)。例えば、「尊敬する人は?」の質問に対し、「尊敬するおじいちゃんとの①関係性(住んでいる場所、会う回数)、②なぜ尊敬するか(仕事、プライベート、人格)、③どんな影響を受けたか(感情、お手本にして実際に取り組んでいること)」などを用意しておけば、「尊敬する家族」、「尊敬する目上の人」にも使い回せます(私はロースクールの教授を勝手に祖父にしていました(笑)。)他にも、本、映画、音楽、友人、ペット、贈り物、病気、スポーツなど作っておくと安心。なお、内容の真実性は問われていないので、不自然ではない限り全くの嘘でも問題ないと思います。
Part3は、ディスカッション形式でむしろやりやすいのではとも思っています。トリッキーな質問もあったりしますが、落ち着いて、論理的に答えることを意識して、接続詞を噛ませて、ある程度の長さで考えを伝えれば大丈夫。

(3) Writing

正直、一番苦労しました。6.0期間が本当に長かった。。。テクニックを付け焼き刃的に身につけてもだめで、中身のロジカルさ、その内容が熟慮されたものかどうかを見られていると思います。以下の書籍とリンクは非常に参考になりますが、もしなかなかスコアが取れなかったらコーチングしてもらうのも良いと思います(後述)。

①IELTSライティング徹底攻略

Task1 /Task2を分析するのにぴったりな本。そのまま使えるフレーズも豊富ですし、特にTask2ではBodyパラグラフでどのように内容を膨らませたら良いかの参考になります。

②ライティングの鬼100則

IELTSに特化したテキストではないですが、なんとなく用いていた表現が実は誤りだったことに気づいたり、おぼろげな文法の理解がクリアになったりして、ライティングを学ぶ上では有益でした。ロジカルに記述する訓練にも。

③IELTS Liz

IELTS teacherとして有名どころ。Task1 /Task2共にトピック別にモデルアンサーもあるので、自習用に便利。

④IELTS answers

Mikeには何度も添削してもらい、詳細な(辛口)コメントも頂きましたが、特にTask2に関してはテンプレになりがちで、6.5以上は彼の下では伸びないと感じました・・・。後半はもっぱらTask1の添削用として用いました。

⑤Fiverr

https://www.fiverr.com/search/gigs?query=IELTS&source=top-bar&search_in=everywhere&search-autocomplete-original-term=ielts

(IELTS検索入力済み)
IELTSのWriting添削を単発でお願いするのに便利。IELTS-Blogも添削ツールとしては有名ですが、上記に比べコメントがショボいので、少し費用はかかりますがこちらに依頼した方が良かったと感じました。特に、claudialoughranさんは丁寧なコメントでおすすめ。

⑥IELTS Focus

Task1が秀逸で、語彙の強化にも役立ちます。

☆モデルアンサー検索用

7.5以上は見る価値ありかと。テキトーに設問の単語(例えば「children」とか)打ち込んでみると、関連する設問とアンサーが出てきて、自習用にも便利。

☆IELTSお役立ちツイッター
https://twitter.com/JKEnglish_ielts?ref_src=twsrc%5Egoogle%7Ctwcamp%5Eserp%7Ctwgr%5Eauthor

Mr. IELTS!たまに教材を無料で公開してくださるので、フォローすると有益。

様々ご紹介しましたが、ライティングに関しては、結局自力でやるのは限界を感じたので、以下のレッスンを受けました。ライティングの内容が根本的に変わったのは、この2つのレッスンのおかげかなと。

①Plus One Point

現在はライティング・サミットの名前でよりパワーアップされた講座を提供しているようです。ライティングの肝であるTask2をいかに効率よく仕上げ、最短で目標スコアに到達できるかに特化したレッスン。ロジカルなBodyパラグラフをどのように作り上げるか、それがいかにスコアに直結するかを教えていただいた。

*Plus One Pointさんのこちらのまとめ記事も有益。

②IELTS YUKO
https://twitter.com/dramaticenglis1?ref_src=twsrc%5Egoogle%7Ctwcamp%5Eserp%7Ctwgr%5Eauthor

Zoom勉強会で、Task1/Task2いずれも対策していただいた。基本的には、1回1時間の勉強会で課題Taskを解き、勉強会終わりに関連した記事の紹介などをしてもらった上、添削コメントをメールで頂く。終盤の方は毎日勉強会に参加することで制限時間内に解けるかの訓練をしていた。特にプランニングに関するワークショップに参加したことで、短い時間をどう効率よく使うか実践的なノウハウが身についた。

*YUKOさんのTask2プランニングに関するこちらの記事も有益。

【Comments】
Task1はもはや暗記。必要・十分事項をいかに効率よく整理して書けるかの話。使える単語等をストックしてワードファイルにまとめていた。
Part2は鬼門。40分のうち5~10分はプランニングに割いて、中身を考えてから書き出す方法に落ち着いた。Introduction、Body1、Body2、Conclusionの型と各書き出しはテンプレで良いし、IntroductionとConclusionも、もはやテンプレで良いと思っています。重視すべきはBodyで、Body1、2ごとの論理構造、Bodyの中のTopic SentenceをSupport SentenceとExampleで補強して、Body内のConclusionで締める、その中身が大事。こればっかりは、自分の中でのアイディアの貯め込みと訓練に尽きる。

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とまあ、長々書きましたが、「正しい」努力は報われるということなんだと思います。その正しい道を模索するのが大変で、回り道もたくさんしてきました。最後は自分との闘いですが、やはりやり切って見えた景色は違います。今は辛い想いをしている方もいるかもしれませんが、真摯に愚直に謙虚に向き合うことが大事だと思っています。

この記事が少しでもIELTS学習者の皆様の役に立ったら幸栄です。

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