見出し画像

【遊戯王MD】初心者にオススメ! 超簡単で強い転生炎獣の展開ルート解説


はじめに

本記事は、最近遊戯王マスターデュエルに実装された転生炎獣デッキの回し方を、めちゃくちゃ初心者向けに解説した内容となります。
「最低限これさえあれば盤面が作れる」を軸にして、上振れルートやワンキルルートなど極力シンプルに紹介します。そのため、細かい展開の分岐や組み合わせ誘発ケアについては省いております。
より強くて実戦的な動かし方については、自分より強くて経験のある人たちが色んな動画を出していますので、そちらを参考にしてください。私も転生炎獣デッキを組むにあたってそれら動画を参考に下ので、リンクを最後に載せておきます。

転生炎獣デッキの特徴は?

転生炎獣というテーマは、アニメVRAINSで主人公の仲間であるソウルバーナーが使用した炎属性サイバース族のリンク召喚を軸としたテーマで、特に「リンクモンスターを素材に同名のリンクモンスターをリンク召喚する」という【転生リンク召喚】が特徴的です。
そのため、EXデッキには同名のリンクモンスターが2~3枚投入されることになり、他デッキのEXデッキとは大きく構成が異なることになります。
展開途中で炎属性以外の特殊召喚や効果発動に制約が付く上にEXデッキの選択肢も狭いため拡張性こそありませんが、それと引き換えに

  • 初動とサーチ札の枚数と種類の豊富さ

  • 妨害を受けた際の貫通能力の高さ

  • 再現性の高いコンパクトな展開ルート

  • 罠と墓地と手札に散った妨害

  • 長期戦に強いリソース回復能力

  • 自然に達成できるワンキル条件

と数多くの利点を得ています。また、拡張性がないということは覚えるべき展開パターンが少ないということでもあり、初心者に優しい点の1つでもあります。

超簡単な展開ルートと最終盤面

必要なのは「リンク値3」だけ!

転生炎獣デッキの展開に必要な要素は「リンク値3」だけです。どんな手段でも良いので最終的にリンク3に辿り着ければ最終盤面までたどり着けます。めちゃくちゃ簡単です。
厳密にいえば《転生炎獣の聖域》による転生リンク召喚の権利も必要なのですが、このカードはリンク1の《転生炎獣ベイルリンクス》でサーチ可能であるため、妨害を受けない限りは必ずアクセスできます。

では、リンク値3に辿り着くための1例として、《転生炎獣ガゼル》1枚初動ルートを紹介します。

転生炎獣ガゼル1枚初動

  1. 《転生炎獣ガゼル》召喚、効果で《転生炎獣スピニー》をデッキから墓地に落とす

  2. 《転生炎獣スピニー》を自身の効果で墓地から特殊召喚

  3. 《転生炎獣ガゼル》と《転生炎獣スピニー》の2体で、《転生炎獣ミラージュスタリオ》をエクシーズ召喚

  4. 《転生炎獣ミラージュスタリオ》の効果でデッキから《サラマングレイト・オブ・ファイア》を特殊召喚

  5. 《サラマングレイト・オブ・ファイア》の効果でデッキから《転生炎獣ウィーゼル》を手札に加える

  6. 《サラマングレイト・オブ・ファイア》1体で《転生炎獣ベイルリンクス》をリンク召喚

  7. 《転生炎獣ベイルリンクス》の効果で《転生炎獣の聖域》を手札に加える

  8. 《転生炎獣ベイルリンクス》と《転生炎獣ミラージュスタリオ》の2体で《転生炎獣サンライトウルフ》をリンク召喚

  9. 手札の《転生炎獣ウィーゼル》を自身の効果で《転生炎獣サンライトウルフ》のリンク先に特殊召喚

  10. 《転生炎獣サンライトウルフ》の効果で墓地から《転生炎獣ガゼル》を手札に加える

《転生炎獣サンライトウルフ》がリンク2、《転生炎獣ウィーゼル》がリンク1なので、これでリンク値が3になりました。
とにかく特殊召喚能力を駆使してリンク3に辿り着けさえすればよいので《転生炎獣ミラージュスタリオ》から特殊召喚するモンスターを、自己蘇生が可能な《転生炎獣Jジャガー》などにしても良いです。
最後に手札に回収したガゼルはこのターン中の展開には使わず、次のターン以降の展開に使用したり、盤面を崩された時に特殊召喚してワンキルを防ぐための壁になったりします。
そしてここからが、リンク値が3になった後の展開ルートです。

  1. 盤面のリンク値3分のモンスターで《賜炎の咎姫》をリンク召喚

  2. 《賜炎の咎姫》の効果で任意のモンスター1体を墓地から特殊召喚

  3. 《賜炎の咎姫》と蘇生したモンスターとで《転生炎獣レイジング・フェニックス》をリンク召喚

  4. 《転生炎獣の聖域》を発動して転生リンク召喚の権利を得る

  5. 《転生炎獣レイジング・フェニックス》1体で《転生炎獣レイジング・フェニックス》を転生リンク召喚

  6. 《転生炎獣レイジング・フェニックス》の効果で、デッキから《サラマングレイト・ロアー》を手札に加える

  7. 《サラマングレイト・ロアー》をセット

これで展開終了、以下のような盤面が形成出来ました。

基本盤面

一見すると、弱くね? と思わされるスカスカのフィールドですが、実はめちゃくちゃ妨害数があります。
まずセットした《サラマングレイト・ロアー》は、魔法・罠・モンスター効果の何でも無効の万能カウンター。発動条件として場に転生炎獣リンクモンスターを必要としますが、仮に相手が《サンダー・ボトル》などで《転生炎獣レイジング・フェニックス》を除去しようとしてきても、墓地の《転生炎獣ベイルリンクス》が破壊を肩代わりしてくれます。

除去を連打されて《転生炎獣レイジング・フェニックス》が破壊された場合、墓地の二体目の《転生炎獣レイジング・フェニックス》が反応して自己再生するため盤面に転生炎獣リンクモンスターが残り続けます。更に攻撃力も上がるため戦闘でもほぼ突破されません。

加えて相手の特殊召喚に反応して墓地の《賜炎の咎姫》が復活しながらそのモンスターを破壊します。咎姫が次のターンまで生き残れば蘇生効果によって《転生炎獣レイジング・フェニックス》を蘇生させて実質無限のリソースとなります。

つまりこの盤面は、ロアーと咎姫による2妨害+ベイルリンクスによる破壊耐性となりますが、実はそれだけではありません。

この盤面は手札1枚から形成されているため、未使用の手札が4枚残っています。これらが《エフェクト・ヴェーラー》や《灰流うらら》であれば見えない妨害になりますし、《無限泡影》や《墓穴の指名者》であればロアーと一緒にセットして魔法罠での妨害になります。
つまり単なる2妨害ではなく、4妨害くらいは平然と行えるわけです。
上記の画像でも未使用の手札4枚中3枚が妨害になっています。

更に万が一妨害を突破されて盤面を返されたとしても、手札には回収した《転生炎獣ガゼル》がいる訳ですから、次のターンにもう一度ガゼル1枚初動の動きを繰り返せます。《転生炎獣スピニー》は除外デメリットを回避して墓地に残っていますし、《サラマングレイト・ロアー》は転生リンク召喚時に墓地から自身をセットできるため、1ターン目よりも強い動きを簡単に行えます。最悪でも、《転生炎獣ガゼル》で相手に自爆特攻を行うことで墓地の《転生炎獣レイジング・フェニックス》を蘇生させれば盤面を突破することが可能です。

1枚初動が可能なカード群と派生ルート

この盤面を形成できる条件となる1枚初動となるカードは
《転生炎獣ガゼル》
《サラマングレイト・オブ・ファイア》
《レディ・デバッガー》
《SRベイゴマックス》
さらにそれらをサーチ可能な
《転生炎獣の炎陣》
《サイバネット・マイニング》
と非常に数が多く、かつ重ね引きすることで誘発による妨害を貫通しながら上記の盤面を形成できるため再現性が非常に高いです。また、展開に必要なカードを素引きしていた場合はルートを微調整することで更に妨害数を増やせます。

例えば、紹介したルートでは《転生炎獣ガゼル》の効果で《転生炎獣スピニー》を墓地に送っていましたが、《転生炎獣スピニー》を素引きしていた場合は墓地に送るカードを《サラマングレイト・ロアー》に変えます。
《サラマングレイト・ロアー》は自身の効果で墓地からセット可能なため、《転生炎獣レイジング・フェニックス》でサーチしてくる妨害を《サラマングレイト・レイジ》に置き換えることが可能です。当然、《サラマングレイト・ロアー》を素引きしていた場合も同様です。
リンク値3に到達しさえすれば過程はどうでもよいため、最大限リソースを回収することを目指せます。

初動を重ね引きした場合の上振れ盤面

初動カードやカテゴリーカードを複数枚引いた場合は、より妨害数の多い上振れ盤面を作り出すことも可能です。次はその上振れ盤面を紹介します。

基本盤面とほぼ同じ見た目ですが、違いは場に残っているリンクモンスターが《転生炎獣パイロ・フェニックス》である点と、墓地に《コード・オブ・ソウル》がいる点です。

《コード・オブ・ソウル》は、墓地から除外することで相手ターン中にリンク召喚を行うことができます。そして《転生炎獣パイロ・フェニックス》は、転生リンク召喚時に相手フィールドのカード全てを破壊できます。
つまり、相手ターン中に相手フィールドを全滅させるという、最強の妨害を構えている状態となります。
加えて基本盤面と同じく《サラマングレイト・ロアー》による何でも無効と、《賜炎の咎姫》による破壊妨害も構えています。

この展開に辿り着くための条件は、基本展開ルートの

  • リンク値3

  • 《転生炎獣の聖域》へアクセスする

に加えて

  • 《転生炎獣ウィーゼル》へアクセスする

  • 《コード・オブ・ソウル》へアクセスする

の2条件が必要となります。
追加で2枚必要なので難しそうに感じますが、サーチ札が豊富なため初動を2種類重ね引きすれば高確率で達成可能な上、追加2枚はいずれも自身を特殊召喚可能なので素引きでも問題なく展開に絡められます。

ここでは一例として《サラマングレイト・オブ・ファイア》と《転生炎獣ガゼル》の2枚初動で上振れ盤面を作るルートを紹介します。

《サラマングレイト・オブ・ファイア》+《転生炎獣ガゼル》2枚初動

  1. 《サラマングレイト・オブ・ファイア》を召喚、効果で《転生炎獣ウィーゼル》を手札に加える

  2. 《サラマングレイト・オブ・ファイア》1体で《転生炎獣ベイルリンクス》をリンク召喚

  3. 《転生炎獣ベイルリンクス》の効果で《転生炎獣の聖域》を手札に加え、同時に手札の《転生炎獣ガゼル》を特殊召喚

  4. 《転生炎獣ガゼル》の効果で《転生炎獣スピニー》をデッキから墓地に送る

  5. 《転生炎獣ウィーゼル》を自身の効果で手札から特殊召喚

  6. 《転生炎獣ウィーゼル》と《転生炎獣ガゼル》の2体で《炎星侯-ホウシン》をシンクロ召喚

  7. 《炎星侯-ホウシン》の効果でデッキから《コード・オブ・ソウル》を特殊召喚

  8. 《コード・オブ・ソウル》の効果を発動して、このターン中の転生リンク召喚権を得る

  9. 《炎星侯-ホウシン》と《転生炎獣ベイルリンクス》の2体で《転生炎獣サンライトウルフ》をリンク召喚

  10. 《コード・オブ・ソウル》1体で、《転生炎獣ベイルリンクス》の2体目をリンク召喚

  11. 《転生炎獣サンライトウルフ》の効果で墓地の《転生炎獣ガゼル》を手札に加える

  12. 《転生炎獣サンライトウルフ》と《転生炎獣ベイルリンクス》の2体で《賜炎の咎姫》をリンク召喚

  13. 《賜炎の咎姫》の効果で任意のモンスターを蘇生し、2体で《転生炎獣レイジング・フェニックス》をリンク召喚

  14. 《コード・オブ・ソウル》の残存効果によって《転生炎獣レイジング・フェニックス》を転生リンク召喚

  15. 《転生炎獣レイジング・フェニックス》の効果発動、同時に墓地の《転生炎獣ウィーゼル》の効果を発動

  16. 《転生炎獣ウィーゼル》の効果で墓地から任意のモンスターを相手フィールドに特殊召喚して1枚ドロー、《転生炎獣レイジング・フェニックス》の効果でデッキから《サラマングレイト・ロアー》を手札に加える

  17. 相手フィールドにモンスターが特殊召喚されたことで墓地の《賜炎の咎姫》の効果が発動、送り付けたモンスターと《転生炎獣レイジング・フェニックス》を対象にとり、両者を破壊しながら自身を特殊召喚するが、《転生炎獣レイジング・フェニックス》の破壊は墓地の《転生炎獣ベイルリンクス》を除外して肩代わりする

  18. 《賜炎の咎姫》をリンク3として扱い、《転生炎獣レイジング・フェニックス》と共にリンク4の《転生炎獣パイロ・フェニックス》をリンク召喚

  19. 《転生炎獣の聖域》を発動、《サラマングレイト・ロアー》をセット

これで上振れ盤面が完成です。
最初に説明した3妨害に加えて、《転生炎獣ウィーゼル》による1枚ドローで手札誘発などを引き込みやすく、妨害数は跳ね上がります。

コツは《転生炎獣ウィーゼル》による送り付けをトリガーに《賜炎の咎姫》を蘇生させること。蘇生時の自分モンスター破壊をベイルリンクスで耐えることです。
《転生炎獣ウィーゼル》へのアクセスは今回は《サラマングレイト・オブ・ファイア》でのサーチでしたが、《転生炎獣ガゼル》で直接墓地に送ったり、《転生炎獣の炎陣》でサーチしたり、《転生炎獣ミラージュスタリオ》でリクルートしたりとアクセス手段は豊富です。
《コード・オブ・ソウル》へのアクセスは今回は《炎星侯-ホウシン》を利用しました。これ以外だと《レディ・デバッガー》や《サイバネット・マイニング》でのサーチも可能です。

上述の展開ルートでは、墓地に送った《転生炎獣スピニー》を《転生炎獣ウィーゼル》の特殊召喚条件を満たすためにしか使っていません。《転生炎獣の聖域》の転生リンク権を使用していないため、《転生炎獣ベイルリンクス》を転生されることで《転生炎獣ウィーゼル》側の条件を満たせば、墓地に送る対象は《サラマングレイト・ロアー》に変えられ、その場合は《転生炎獣レイジング・フェニックス》のサーチ先を《サラマングレイト・レイジ》に変えられます。
《転生炎獣スピニー》を蘇生しておけば《賜炎の咎姫》の破壊対象にできるため《転生炎獣ベイルリンクス》の消費を抑えられたり、《賜炎の咎姫》に無効妨害を撃たれた際のケアにできます。転生状態の《転生炎獣レイジング・フェニックス》を場に残して2体のフェニックスを並べられるため、《サラマングレイト・レイジ》の破壊も使いやすくなります。

また、《転生炎獣の炎陣》を発動して初動札をサーチした場合、展開途中で《転生炎獣サンライトウルフ》を転生リンク召喚すれば、その効果で墓地の《転生炎獣の炎陣》を回収できるため相手ターン中に自分モンスターに耐性を付与できることも可能です。

このように、基本盤面は「リンク値3」という簡素な条件で達成できる上で、上振れ盤面を形成出来たり途中途中のアドリブによってリソースを増やせたり妨害ケアが行えたりと、シンプルながら奥深い動きができるところが、転生炎獣デッキの魅力と言えるでしょう。

誘発による妨害の貫通例

展開ルートがコンパクトであり、そのルートに到達できる初動が複数あり、展開の要求値が低いため、初動札を重ね引きすれば相手の手札誘発による妨害を潜り抜けながら基本盤面を築くことができます。
アドリブ力が試されますが、コツとしては「リンク値3」「転生リンク召喚権」を満たせるように動きます。《転生炎獣の聖域》へのアクセスを防がれると後者が厳しいですが、代わりに《転生炎獣ウィーゼル》へアクセスできれば貫通出来ます。

一例として、手札に《サラマングレイト・オブ・ファイア》と《転生炎獣ガゼル》の2枚がある時に、相手の手札誘発が2枚飛んできた場合のパターンを紹介します。

  1. 《サラマングレイト・オブ・ファイア》を召喚して効果発動、これを《無限泡影》で止められる

  2. 《サラマングレイト・オブ・ファイア》1体で《転生炎獣ベイルリンクス》をリンク召喚

  3. 《転生炎獣ベイルリンクス》効果発動、手札の《転生炎獣ガゼル》の効果発動。ここに《エフェクト・ヴェーラー》を受けて《転生炎獣ベイルリンクス》を無効化される

  4. 《転生炎獣ガゼル》の効果で自身を特殊召喚し、《転生炎獣スピニー》を墓地に送る

  5. 《転生炎獣スピニー》を自身の効果で蘇生

  6. 《転生炎獣スピニー》と《転生炎獣ガゼル》で《転生炎獣ミラージュスタリオ》をエクシーズ召喚

  7. 《転生炎獣ミラージュスタリオ》効果でデッキから《転生炎獣ウィーゼル》を特殊召喚

  8. 《転生炎獣ミラージュスタリオ》と《転生炎獣ベイルリンクス》で《転生炎獣サンライトウルフ》をリンク召喚

  9. 《転生炎獣ウィーゼル》1体で2体目の《転生炎獣ベイルリンクス》をリンク召喚

  10. 《転生炎獣サンライトウルフ》の効果で墓地の《転生炎獣ガゼル》を手札に加える

  11. 《転生炎獣サンライトウルフ》と《転生炎獣ベイルリンクス》で《賜炎の咎姫》をリンク召喚

  12. 《賜炎の咎姫》効果で蘇生したモンスターと共に《転生炎獣レイジング・フェニックス》をリンク召喚

  13. 墓地の《転生炎獣ウィーゼル》の効果を発動、任意のモンスターを送り付けて1枚ドロー

  14. 墓地の《賜炎の咎姫》の効果を発動、送り付けたモンスターと《転生炎獣レイジング・フェニックス》を対象にして破壊しながら復活、こちらの破壊は《転生炎獣ベイルリンクス》で肩代わり

  15. 《賜炎の咎姫》と《転生炎獣レイジング・フェニックス》とで《転生炎獣レイジング・フェニックス》を転生リンク召喚

  16. 転生《転生炎獣レイジング・フェニックス》効果でデッキから《サラマングレイト・ロアー》を手札に加える

  17. 《サラマングレイト・ロアー》をセット

これで基本盤面が完成しました。こちらの手札はガゼルを含めた5枚、盤面2妨害に破壊耐性。相手は妨害を2枚切ったので次のターンのドローも含めて手札4枚。かなり有利であることに間違いないでしょう。
本来この2枚初動は上振れ盤面まで到達できますが、妨害を受けても基本盤面は構築できることがわかるでしょう。

また、妨害の内容が《灰流うらら》であれば、《灼熱の火霊使いヒータ》をリンク召喚して相手墓地の《灰流うらら》をパクることでリンク値3に到達して《賜炎の咎姫》まで到達できるため貫通が更に楽になります。

ただしこれは相手の妨害の仕方が下手だから成立する内容です。
転生炎獣デッキは初動が豊富にあるため初動への妨害は無意味であり、妨害を撃つなら《賜炎の咎姫》まで待つのが効果的です。場に転生炎獣ネームが残らないとサポートカードの条件を満たせず、リンク値が伸びなくなるからです。
逆に言えば転生炎獣側は《賜炎の咎姫》を無力化されても問題ないように、盤面に余分に1体転生炎獣モンスターを残すように立ち回ると妨害をケアできる可能性が高くなります。
《転生炎獣ミーア》は、《転生炎獣の炎陣》や《サイバネット・マイニング》でサーチした際に特殊召喚できるため、《賜炎の咎姫》を止められた際に強引にリンク値を増やせます。最悪、手札コストを切って特殊召喚もできます。
《転生炎獣フォクシー》は手札の転生炎獣カードをコストに蘇生できるため、余裕がある時に墓地に落としておくとミーア同様に強引にリンク値を伸ばすことができるでしょう。サーチ効果と同一ターンに併用できない点だけ注意が必要です。

流石に《増殖するG》《ドロール&ロックバード》《原始生命態ニビル》《ディメンション・アトラクター》のような、1枚で全てを破壊する系のカードは対処できませんが、こちらもデッキの半分近くを汎用誘発で固められるため展開を止められてもワンチャンがあります。
《灰流うらら》3枚《墓穴の指名者》2枚《抹殺の指名者》1枚の6枚構成で40枚デッキであれば57%の確率で初期手札5枚に引き込めるため《増殖するG》は気合で何とかしてください。
《カイザーコロシアム》は、場に1体しかモンスターを残さない転生炎獣デッキにおいて最強のロックカードであると同時に、1枚で《原始生命態ニビル》を完封できるカードであるため誘発ケアにもなり、後攻でも相手の《I:Pマスカレーナ》などの妨害を封じることのできる最強カードです。

後攻ワンキル手順

後攻ワンキルも考え方は基本展開パターンと全く同じです。
何でもいいから気合でリンク値を3まで伸ばして咎姫をリンク召喚し、かつベイルリンクスとウィーゼルを墓地に落としてください。
リンク値3、墓地リンクスとウィーゼル、そして転生リンク召喚可能な状態(聖域やコード・オブ・ソウル)が揃っていることがワンキル条件です。

  1. 《賜炎の咎姫》と蘇生したモンスターで《転生炎獣パイロ・フェニックス》をリンク召喚

  2. 何らかの手段で《転生炎獣パイロ・フェニックス》を転生リンク召喚

  3. 墓地の《転生炎獣ウィーゼル》をチェーン1で発動して墓地の《転生炎獣パイロ・フェニックス》を対象、チェーン2で転生リンク召喚した《転生炎獣パイロ・フェニックス》の効果を発動

  4. 転生パイロ効果で相手フィールドが全滅し、ウィーゼル効果で墓地パイロが相手フィールド上に特殊召喚される

  5. チェーン1で墓地の《賜炎の咎姫》の効果を、互いの場の《転生炎獣パイロ・フェニックス》を対象に発動。チェーン2で転生《転生炎獣パイロ・フェニックス》の効果を、相手フィールドの《転生炎獣パイロ・フェニックス》を対象に発動

  6. 《転生炎獣パイロ・フェニックス》の効果で相手に2800ダメージが入り、《賜炎の咎姫》が蘇生して互いの場の《転生炎獣パイロ・フェニックス》を破壊するが、自分は墓地の《転生炎獣ベイルリンクス》で破壊を肩代わり

  7. 2体のモンスターでダイレクトアタックし、2700+2800ダメージ。累計8300ダメージ。

パイロの「相手フィールドにリンクモンスターが特殊召喚された時に、そのモンスターの攻撃力分のダメージを与える」効果を、送り付けによって満たした上で咎姫の蘇生条件まで満たす芸術的なコンボです。ウィーゼル偉すぎ。
ウィーゼル効果と咎姫効果のチェーン順に気を付けてください。逆にするとワンキルに届きません。

かなりコンパクトで再現性の高いワンキルルートである一方で、これを防がれるとリソースが枯渇する(特にEXデッキが壊滅的になる)ため、仮に相手の手札や墓地にバトルフェイズ中に特殊召喚できるカードが見えている場合(《迷宮城の白銀姫》や《深淵の獣ドルイドヴルム》など)はレイジングフェニックスを立てて妨害札を集めながら相手ターンパイロフェニックスによる妨害を狙う制圧ルートに舵を取りましょう。4ターン目にキルを狙います。

デッキレシピ

いかがだったでしょうか。
最後にデッキレシピを紹介します。

デッキコード:4sc95ww

初動札の種類と枚数

《転生炎獣ガゼル》3枚
《サラマングレイト・オブ・ファイア》1枚
《レディ・デバッガー》3枚
《SRベイゴマックス》3枚
《転生炎獣の炎陣》3枚
《サイバネット・マイニング》1枚
初動、及びそれらにアクセスできるサーチカードは合計14枚。これは初手5枚に引き込める確率が90%になります。

《サラマングレイト・オブ・ファイア》と《レディ・デバッガー》は両者を重ね引きしても通常召喚権を喰い合うため相性が悪いです。
《レディ・デバッガー》初動のほうが

  • 展開途中で《サラマングレイト・オブ・ファイア》をリクルートできて展開が伸びて強い

  • 《コード・オブ・ソウル》をサーチできる

という点で強いため、採用枚数を増やしています。
しかし、構築によっては《コード・オブ・ソウル》を非採用としてその枠に妨害を積むこともあり得るため、その場合は《サラマングレイト・オブ・ファイア》を3枚にして《レディ・デバッガー》0枚もあり得るでしょう。環境と相談してください。
《サイバネット・マイニング》は2枚積んでも良いですが、初動14枚と15枚では初手に引き込む確率が1%ほどしか変わらず、重なっても弱いため1枚採用にし、代わりに《転生炎獣Jジャガー》を採用してリソース勝負に強くしました。ここは選択肢だと思います。

また、忘れがちですが《転生炎獣の炎陣》は「転生リンク召喚したモンスターにモンスター効果耐性を与える」という効果もあるため、転生リンクした《転生炎獣レイジング・フェニックス》への《灰流うらら》を無効化したり、《原始生命態ニビル》を回避したりと多彩な動きが可能です。
特に自分の《原始生命態ニビル》発動にチェーンして《転生炎獣レイジング・フェニックス》に耐性を与えることで相手フィールドだけ殲滅するというオシャレテクニックがあることを覚えておきましょう。

手札誘発による妨害

《灰流うらら》3枚
《増殖するG》3枚
《原始生命態ニビル》2枚
《無限泡影》3枚
妨害札は11枚、初手率は81%です。これらに関しては特に説明は必要ないでしょう。
一般的に、後攻時に取る択は「誘発をたくさん撃って展開を止める」か「展開しきった盤面を手数で押し返す」の2択となりますが、転生炎獣デッキは初動こそ多いものの展開パターン自体は一本道なため手数で押し返す方針は取れず、戦闘でのワンキルを狙いたいため《拮抗勝負》や《冥王結界波》などのバトルを放棄した捲り札も採用したくなく、EXデッキを圧迫する《超融合》などのギミックも使えないため、必然的に手札誘発を積み込むことになります。半端な状態で渡されたターンでワンキルしてしまいましょう。
また、先手で展開した後に余った手札も妨害に加算したいため、《PSYフレームギア・γ》のような先手で展開を終えた後に使えない誘発も入りにくいです。
同じく先攻で引くと腐りがちな誘発として《原始生命態ニビル》がありますが、転生炎獣デッキはフィールドにリソースが残らないため、普通に展開後の妨害として使用してもこちらはほぼダメージがなく、先手を取った際の攻めのカードとしても非常に強いです。
ロアーと咎姫による妨害を乗り越えてなんとか展開して来た相手に隕石を落とす快感は中々のものです。

妨害貫通札

《墓穴の指名者》2枚
《抹殺の指名者》1枚
《転生炎獣ミーア》1枚
《転生炎獣の意志》1枚
《コード・オブ・ソウル》1枚
《転生炎獣ウィーゼル》1枚

こちらの先攻展開に対しての妨害を貫通できるカードです。指名者は言わずもがな。《転生炎獣ミーア》や《転生炎獣の意志》は咎姫を止められた場合に無理やりリンク値を伸ばして元のルートに戻せます。《転生炎獣ウィーゼル》《コード・オブ・ソウル》は上振れ展開要因ですが、それぞれ手札から特殊召喚できるため妨害を受けた際にリンク値を伸ばすことで貫通が可能です。

《転生炎獣の意志》は3ターン目に《転生炎獣レイジング・フェニックス》の転生リンク効果で持ってくる先としても優秀で、2つ目の効果を使えば《転生炎獣レイジング・フェニックス》のリンク値分、つまり4体の下級転生炎獣を蘇生可能なので大量展開ができます。
ド派手な効果ですが、2の効果は守備表示で蘇生する都合上、リンクモンスターを蘇生できず戦闘にも参加させられないため意外とこれでトドメをさせることは少ないです。普通に1の効果で1体攻撃表示で復活させたほうが強いこともあります。

その他

《転生炎獣Jジャガー》
EXデッキのリソースを回復しながら蘇生してリンク値を稼げるモンスター。
2ターン目以降ガゼルから落とす先の選択肢や、展開に余裕があった時にアクセスします。
転生炎獣はリソース回復能力に優れこそしますが、EXデッキを消耗しきると途端に動けなくなり、3ターン目にキルに届かなかずにジリ貧になった場合に押し負けることがあります。
このカードを採用しておくことで、パイロフェニックスを戻してもう一度転生リンク召喚の効果を狙ったり、サンライトウルフを戻して転生させることで使用済みのレイジやロアーの回収に繋げたりと器用に動け、長期戦に強くなります。
非採用でも十分回るのでこちらも選択肢です。

《カイザーコロシアム》
最強カード。制限じゃなければ3枚積んでもよいレベルです。

  • 基本盤面も最終盤面もモンスターが1体しか場に残らないため最大限のロックをかけられる

  • 盤面のモンスターに破壊耐性があり、仮に突破されても手札のガゼルが出てきたり墓地の咎姫が蘇生したりと戦線が維持できるため、ロックを維持する能力が高い

  • 《抹殺の指名者》を除けば相手の《原始生命態ニビル》の発動を完全に止められる唯一のカード

  • 後手でも相手の《I:Pマスカレーナ》などによる妨害を制限させられる

と良いことずくめであり、手札にあればとりあえず発動しておいて全く損がありません。このカードを強く使えるという点が転生炎獣デッキの強みの1つとすら言えます。いつか禁止になる気がする。

先手で《カイザーコロシアム》を張れた場合、《転生炎獣ウィーゼル》の効果で相手に《転生炎獣ベイルリンクス》を送り付けたままにすることで召喚ロックをかけられます。相手が自爆特攻を試みてきても《転生炎獣の聖域》の効果でこちらの打点を0にすることで自爆を失敗させ、更にこちらの戦闘破壊は墓地の《転生炎獣ベイルリンクス》を除外して耐えられます。魔法罠除去を打たれても《サラマングレイト・ロアー》で無効にできるため、普通のやり方でロックを抜けることはできません。最強の制圧盤面です。

EXデッキ

《転生炎獣ミラージュスタリオ》1枚
《炎星侯-ホウシン》1枚
《灼熱の火霊使いヒータ》1枚
《賜炎の咎姫》2枚
《転生炎獣ベイルリンクス》3枚
《転生炎獣サンライトウルフ》2枚
《転生炎獣レイジング・フェニックス》3枚
《転生炎獣パイロ・フェニックス》2枚

清々しい構成。《金満で謙虚な壺》を使わないデッキでEXデッキがここまで同名が並ぶのは転生炎獣デッキくらいでしょう。

《転生炎獣ベイルリンクス》は1ターンに2体はリンク召喚して墓地に置いておきたく、場合によっては転生も含めて1ターンに3体召喚したり、返しのターンにガゼルを起動させるためリンク召喚したい場合もあるためフルで3枚採用。
《転生炎獣サンライトウルフ》は、展開途上で余裕があれば転生させて墓地の《転生炎獣の炎陣》などを回収したいため2枚。
《転生炎獣レイジング・フェニックス》は1ターン目に転生させた後、返しの3ターン目に再度転生させて《転生炎獣の意志》などをサーチしたいため3枚採用。
《転生炎獣パイロ・フェニックス》はワンキルや妨害のために転生の必要があるので2枚採用。
《賜炎の咎姫》は、1ターン目と3ターン目にそれぞれ展開で使いたいため2枚。
《転生炎獣ミラージュスタリオ》と《炎星侯-ホウシン》は展開用に1枚ずつ、《灼熱の火霊使いヒータ》は《灰流うらら》による妨害を受けた際に貫通して《賜炎の咎姫》まで繋げられるので必須です。

《転生炎獣サンライトウルフ》と《転生炎獣レイジング・フェニックス》の2枚目3枚目はそれぞれ余剰札なので、貫通要因や妨害要因などに枠を割くこともできますが、今回はシンプルにこの構成。

非採用カードについて

《マイクロ・コーダー》+《コード・トーカー》
手札から《コード・トーカー》のリンク素材になりつつ、《サイバネット・マイニング》をサーチできる貫通札。《レディ・デバッガー》を《無限泡影》で止められた際に貫通したうえで展開を再開できます。
強いのですが、《サラマングレイト・オブ・ファイア》初動で入った場合は制約により機能が停止するのが難点。素引きが前提となるうえで相手による妨害がなければ手札で腐ることに加え、EXデッキを1枠消費するのが痛いです。
入賞レシピに採用実績もあるので好みによるでしょう。個人的には不採用にして、別の貫通札としてサーチしやすい《転生炎獣ミーア》と3枚目の《転生炎獣レイジング・フェニックス》を入れました。

《No.75 惑乱のゴシップ・シャドー》
ランク3が立てられるデッキのため採用候補に挙がりますが、転生炎獣デッキにおいて余分にランク3を立てられる状況というのは《SRベイゴマックス》+別の初動札という状況のみであり、かつ《転生炎獣ミラージュスタリオ》の効果を使用すると炎属性以外の効果を発動できなくなるためこのカードによる誘発ケアが機能しなくなります。
相手ターンまで残せば妨害にはなりますが、最も防ぎたい《原始生命態ニビル》を防げなくなり、有効に機能するシチュエーションが極めて限定的で、
こと転生炎獣デッキにおいてEXデッキ1枚を消費するという意味合いは重いため不採用。

《サイバース・ウィキッド》
《レディ・デバッガー》初動などから《転生炎獣ウィーゼル》をサーチしたり、リンク値2になるモンスター。いると展開の幅が広がるが、いなくても特に困らないため不採用。

さいごに

私はこのデッキで2024年5月のランク戦をマスターランク2まで上げることができました。マスター1まで到達できていれば恰好が付いたのですが、なかなかTier1デッキに勝ちきれず、ホルスティアラに浮気をしてしまいました。

妨害や手札誘発の刺さり具合で環境での立ち位置は変わってくるでしょうが、今後も特に規制を受けそうな要素もないため末永く使っていけるでしょう。ストラクチャーデッキと、5月分のパックに収録されたカードでURを含めたほぼ全カードを揃えられるというのも強みとなっていて、安さと強さを高い水準で兼ね備えています。

また、炎属性・サイバース族・リンクモンスターでほぼ統一されているためフェス系での活躍も見込め、今回の融合・リンクフェスでも大活躍していました。

初心者でも扱いやすく、上級者ほど妨害の駆け引きが楽しめ、フェスやランク戦で長く使い続けられるデッキだと思いますので、みなさんもぜひ組んでみてください。

参考資料


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?