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SDGs ジェンダー平等とは?

SDGs ジェンダー平等とは?

本日は、久しぶりにSDGsについて問いかけてみたいと思います。
今回のテーマは、「ジェンダー平等とは?」です。

さて、久しぶりの投稿でもあるため、SDGsの概念について
自分自身でも思い出してみたいと思います。

世界のリーダーが2015年9月の歴史的な国連サミットで採択した「持続可能な開発のための2030アジェンダ」に掲げられた17の「持続可能な開発目標(SDGs)」は、2016年1月1日に正式に発効しました。

今後15年間、すべての人に普遍的に適用されるこれら新たな目標に基づき、各国はその力を結集し、あらゆる形態の貧困に終止符を打ち、不平等と闘い、気候変動に対処しながら、誰も置き去りにしないことを確保するための取り組みを進めてゆきます。

SDGsは、ミレニアム開発目標(MDGs)の成果をさらに一歩進め、あらゆる形態の貧困に終止符を打つことをねらいとしています。

新たな目標の独自性は、貧しい国も、豊かな国も、中所得国も、すべての国々に対して、豊かさを追求しながら、地球を守ることを呼びかけている点にあります。そして、貧困に終止符を打つため、経済成長を促し、教育、健康、社会的保護、雇用機会を含む幅広い社会的ニーズを充足しながら、気候変動と環境保護に取り組む戦略も必要であることを認識しています。

引用:国際連合広報局 / 持続可能な開発のための2030アジェンダ資料より 

上記概念を踏まえ、「5:ジェンダー平等」については、下記の通りの
目標が掲げられ、各国では質の高い教育、女性の地位向上が望まれます。

男女間の平等を促進することと女性のエンパワーメントは、国連活動の中核をなすものである。ジェンダーの平等の達成とすべての女性と女児のエンパワーメントは、すべてのSDGs を達成するために不可欠の手段であると認められている。

質の高い教育への平等なアクセス、それに雇用、リーダーシップ、あらゆるレベルでの政策決定の平等な機会は、女性と女児の地位向上にとって主要な要因である。国連は女性の人権を積極的に促進し、武力紛争時や人身売買を通してなども含め、女性に対する暴力を根絶するために活動する。

国連はまたジェンダーの平等や女性及び女児のエンパワーメントのためのグローバルな規範や基準を採択し、開発援助活動を通してなど、国家レベルでの実施やフォローアップを支援する。

引用:国際連合広報局 / 持続可能な開発のための2030アジェンダ資料より 

こうした活動の目標設定は大切な事ですね。では、実際、途上国で
特に問題となっている内容を踏まえながら視ていきます。本来、
先進国である日本が、どれぐらい、こうした指針に対して実行出来て
いるのか?については、公表されている数値から読み解いて行きます。

引用先:一般社団法人SDGs 市民社会ネットワーク(略称:SDGsジャパン)

上記の資料や、引用先様の情報から見ても、日本は先進国である中、
指針全体の評価としては17位であり、また、ジェンダー平等については、
最大の課題となっているようです。下記が、日本にとって最大の課題と
なっている、5つの指針となります。

◇5:ジェンダー平等
◇13:気候変動
◇14:海の生物多様性
◇15:陸の生物多様性
◇17:パートナーシップ

引用先:一般社団法人SDGs 市民社会ネットワーク(略称:SDGsジャパン)

では?どのような分野で、先進国である日本は、ジェンダー平等が進んで
いないのでしょうか?世界的各国の、「ジェンダーギャップ指数」を使い

ながら、一緒に、読み解いていきましょう。
注:「ジェンダーギャップ指数」とは、世界各国のジェンダー平等の
   程度を指数にしたもの。1が完全平等。100 点満点とする。

※日本は 66 点。世界 156 か国中 120 位(2021 年)
・教育分野 98 点 
・健康分野 97 点 
・経済分野 60 点 
・政治分野 6 点

引用先:男女共同参画推進連携会議(事務局:内閣府男女共同参画局)PDF資料より

上記の数字だけをみれば、教育、健康分野では達成出来ていますね。
ですが、これはあくまでも、世界基準で視た数字であるため、上記
引用先様の資料を深く読み解いて行く必要があります。その資料を読み
解いて行くと、高等学校進学にあたっては、男女共に、平等に学ぶ
機会を得ていますが、その後の選択肢は、男性に比べ、圧倒的に女性の
大学院、専門学校、短期大学の進学率は下がっています。


その理由について、皆様は考えてみた事はありますか?

一番、身近なLife Styleの違いで読み解いていくと、女性は男性と異なり、
宝物である子を産むという大切な責務を負っている事が要因である様です。
そのため、出産、育児という機会が女性には訪れます。これは男性が
望んでも、どうする事も出来ない神聖な能力です。そんな女性でしか
持てない能力は、逆に仕事中心のLife Styleで見た際には、足枷となり、
男性と同等の働き方や、学びの機会を損失する要因となっているようです。

では?そうした機会を損失する事で、女性は働きづらさを感じている
のでしょうか?それとも、今の現状で良いと思っているでしょうか?

その点を踏まえながら、まずは、日本では、どんな業種で働いている
女性が多いのか?を読み解いていきます。

引用先:日本公庫総研レポート「中小企業の女性雇用に関する実態調査」PDF資料より

上記の通り、女性が働いている場所の割合は、大学院進学、専門学校、
短大卒者には、あまり関係が深くない業種に多い事が判ります。
特に、
理工学系や、IT関連でプログラミングなどの知識を必要とする情報通信
業関連になってくると、女性が活躍する場所は半減している事が判ります。

次に、企業規模別に、女性従業員の割合を視ていきます。

引用先:日本公庫総研レポート「中小企業の女性雇用に関する実態調査」PDF資料より

上記の通り、女性が働く場所については、企業規模にはあまり関係はなく、女性従業員割合の差も少ないです。ただ、小企業による正社員割合が多い事について、少し深堀してみたいと思います。大手企業、中小・小企業での
就労に対する意識の違い、働き方の違い、又、どんな働き方を望む?を、
先に、読み解いてみたいと思います。

まずは、男女共に、普段からどんな事に生きがいや、働きがいを感じて
いるのか?について、下記のグラフを使って読み解いて行きます。

引用先:日本公庫総研レポート「中小企業の女性雇用に関する実態調査」PDF資料より


上記の結果については、マズローの欲求5段階説を踏まえれば、
1位:余暇、2位:趣味、家庭、3位:仕事という順番は当然ですね。



では?福利厚生が整っている大手企業勤めでないと、女性は生きがいと
なっている余暇を楽しむ事が出来ず、趣味や家庭を優先する働き方は
出来ていないのでしょうか?それを知るために、下記、企業規模別による
勤続年数データーを読み解いてみたいと思います。

引用先:日本公庫総研レポート「中小企業の女性雇用に関する実態調査」PDF資料より

大手企業では、3年未満の勤続年数割合が、中小企業、小企業と比べ
42.8%という結果が出ていますが、10年以上では、あまり差がない事が
判ります。また、中小企業では10年以上の勤続年数は少し落ちるようです。
その上で、同PDF内の別記載図では、出産後、同企業での仕事復帰は中小
企業、小企業も、ほぼ変わらず約75%ですが、大手企業になると出産後の
仕事復帰率は約30%~約50%に減少しています。こうした数字で読み解くと、大手企業による女性の仕事復帰が問題となっている事が判ります。
逆に、中小企業、小企業の方が、女性の仕事復帰に沿った働き方が出来て
いると言う事になります。

では、大手企業で、女性の仕事復帰が難しい要因・理由は何でしょうか?

また、そうした業界はどんな業界であるのか?を紐解いてみたいと
思います。今度は男女別で、就業先を細分化した業種の割合を視ながら、
なぜ?そうした性別の違いによって、就業者数の業種の違いが出ている
のか?についても、読み解いてみたいと思います。

まずは、男性の就業先の細分化グラフです。

       引用先:独立行政法人労働政策研究・研修機構「産業別就業者数」より

次に、女性の就業先の細分化グラフです。

      引用先:独立行政法人労働政策研究・研修機構「産業別就業者数」より

最も顕著であるのが、男性の就業先1位が製造業、女性の就業先1位が
医療・福祉関係である事です。ですが、意外にも、女性の就業先の3位には
製造業も入っているのが特徴的です。
また、卸売業、小売業は男女共に
就業先は2位となっています。そして、昨今、国の政策にもなっている
ITツールを扱う情報通信業で就業する男性は全体の4.6%、女性は2.3%
倍の差が出ていますが、男女共に、情報通信業に従事する人材は少ない
事も特徴的です。

その上で、前述した通り、女性が働きやすく、出産後の仕事復帰にも
柔軟な対応をしている業種別企業数と、規模について改めて視てみま
しょう。下記は、企業産業別分類を企業資本階級別で分けたグラフです。

                  引用先:総務省統計局「企業産業分類」より

ピンク色の棒グラフが資本金300万未満の小企業、オレンジとグリーンの
棒グラフが、資本金300万~500万未満、500万~1,000万未満の中小企業
となっています。中堅企業クラス~大手企業はブルー系と赤系でまとめて
頂いているので、とても視やすいグラフです。この色分けで視ても、女性の仕事復帰に柔軟な対応を行えている業種は、女性の就業先の1位~5位迄に
入っていた業種であり、また医療・福祉関係に小企業も多い事が判ります。

また、このグラフでは、企業規模・業種が抱えている問題が視えてきます。

まず、注目するべき業種は、男女共に就業先が多い製造業と、男女共に
就業先が少ない情報通信業です。この2業種の特徴として、製造業では
小企業は少ないけれども、中小企業クラスは多い事。逆に情報通信業は
製造業と比べると、小企業の割合が多いですが、製造業よりも資本金
3000万以上の企業が多い事です。

まとめると、男女共に就業先が多い製造業では、中小企業が多い。また、
製造業は女性が仕事復帰しやすい環境下ではありますが、中小企業では
10年以上の勤続年数割合が、小企業、大手企業よりも下がっていた事から、製造業関連での女性の長期間の就業は難しいと言う事が判ります。

逆に、情報通信業は、小企業と、大手企業との2極化が見られ、小企業
規模であれば、女性が仕事復帰しやすい業種でありながらも、大手企業
クラスになると、仕事復帰は難しい業種先が多い事が判ります。また、
コロナ禍で、男女共に就業先が多い製造業では、ITスキルアップの
重要性が問われていますが、実際に就業されている方々が、スキル
アップにどんなスキルを望んていたのか?望んだ理由について視て
みましょう。

引用先:PRTIMES「Biz Hits/仕事のスキルアップのためにしていることランキング】より

上記の通り、現状の仕事に役立つ資格取得・勉強、パソコンスキルの
向上となり、また、理由は収入アップ、転職、効率アップと続きますが、
転職を実際にされた方は30代以上は少なく、現状の職場や環境下での
収入アップと、効率化に繋がるスキルアップを望んでいたようです。

では、前述した30代女性のスキルアップ希望を踏まえてみた場合、
30代女性は管理職まではなりたくない中で、女性が働きやすい職場は
医療・福祉関係が多いです。そうした場所ではITスキルなどは、専門
技術者や医療の専門家で出ない限りあまり必要とされません。とすると
男女共に就業先が多い、製造業関係で資格取得やパソコンスキル向上を
希望したと言う事が推測されます。そうした背景が伺えるのが、下記の
統計データーとなります。

引用先:日本公庫総研レポート「中小企業の女性雇用に関する実態調査」PDF資料より

上記の通り、中小企業における女性従業員の活躍の疎外要因では、
女性が就ける職種が限られているが最多となっています。では、
女性が最も就業している業種は、医療・福祉関係を省くて視てみると、
卸売業・小売業、製造業、宿泊業・飲食サービス業となり、そうした
業種では管理職以外の職種が少ない業種である事も判ります。
また、こうした業界では、大手企業や、IT企業のように常に最先端の
システムを入れ替える事は少なく、従来通りの古いシステムがそのまま
使われている、又は、システム化されていない業務が多い事からも、
そうした業務効率化のためのPCスキルの向上や、勉強が行われたと
推測する事が出来ます。その裏付けとして、下記の就業者の働き方に
対する意識調査があります。

では、実際に就業している方々の働き方に対する意識について観ていきます

引用先:PTTIMES「ソニー生命調べ/全国の20歳~69歳の女性1,000名にアンケート」より

上記のアンケートでは、今後も、バリバリとキャリアと積んでいきたいか?に対し、「そう思う」と答えた割合は20代~30代の方に多く、また、子供がいる女性に多い事が判ります。又、20代の方はキャリアップを望みながら、下記の同アンケート内では「専業主婦になりたいか?」という問いに「そう思うと」答えています。昨今の混沌とした時代、40代以上の世代よりも、多様な未来の責務を負っている若年層は、最前線で働くキャリアアップではなく、家族との時間を大切にしたい、そんな癒しを求めているようです。

引用先:PTTIMES「ソニー生命調べ/全国の20歳~69歳の女性1,000名にアンケート」より

では、20代の方と同じく、キャリアを積んでいきたいという答えが多い
30代の方々はキャリアを積み、管理職を望む意識は高いのでしょうか?

引用先:PTTIMES「ソニー生命調べ/全国の20歳~69歳の女性1,000名にアンケート」より

これもまた、20代の方の本音でもある、専業主婦希望と似ている結果です。
キャリアは積みたいと思っていても、管理職への希望は、どの年代でも
女性は少ない事が判ります。理由は、「責任が重くなるから」、「ストレスが増えそうだから」など、コロナ禍でより一層ストレスが増え、これ以上のストレスは避けたい傾向も視えてきます。又、お子様がいる方は特に仕事と家庭の両立=ワークライフバランスについて考える方が多いようです。

では、女性の就業率が高い医療・福祉関連、製造業以外で、2位であった
卸売業、小売業について視ていきます。女性の働き方でシフト制が定着
している業界でもあり、非正規雇用者が多い業界です。その上で、特に、
仕事復帰しやすい小企業での卸売業、小売業の割合を視ていきましょう。

                   引用先:中小企業庁「小規模事業者の構造分析」より

小規模事業者の業種構成では、製造業、宿泊業・飲食サービスよりも
卸売業・小売業が多い割合となっています。

                 引用先:中小企業庁「小規模事業者の構造分析」より

次に、従業員者数では、2位に卸売業・小売業、3位に製造業となっています

                   引用先:中小企業庁「小規模事業者の構造分析」より

最後に、売上高の業種別では、1位:卸・小売業、3位:製造業となります。
上記の3つの統計から、女性の仕事復帰、働きやすい職場であり、10年後も
働きやすい職場である小企業は、1位が卸売業・小売業、2位が製造業です。前述した、企業産業別分類を企業資本階級別のグラフは、資本金ベースでの割合の為、こうした再分類での再検証が必要となります。その上で、昨今のコロナの影響により、最も、売上減少により打撃が多かったのが、卸・小売業である事が、下記の資料からも視てとれます。

   引用先:財務省「新型コロナウイルス感染症による 企業活動への影響とその対応」より

特に、小企業が普段から抱えている経営課題は、コロナ禍で最も影響を
受けた上記アンケート結果内容とイコールでもある事からも、大手、
中小企業よりも、小企業の、卸売・小売業が、最もコロナ禍の影響が
大きかった事が伺えます。

      引用先:中小企業庁「個人事業主を巡る状況と事業承継に係る課題について より

また、女性の就業先として働きやすく柔軟な対応が多い職場として認知されている日本の卸売・小売業、製造業では、事業を継続するだけでも、大変だった事が伺えます。また、中小企業以上の日本の企業は、リストラという選択が多い外資企業先よりも、出来るだけ人材を残そうしていたようです。

引用先:PRTIMES「エンワールド・ジャパン 新型コロナ禍におけるキャリア・転職意識調査」

こうした全体像を捉えながら、読み解いていくと国際的な指針である
SDGsの「ジェンダー平等」について、日本が達成出来ていない要素
「ジェンダーギャップ指数」で、注目するべき観点についてもう一度
視て行きましょう。上がっていた分野は、下記の通りです。

・教育分野 98 点 
・健康分野 97 点 
・経済分野 60 点 
・政治分野 6 点

上記の指数を視た上で、実際の現場や、コロナ禍の動向も視てみると
出産後も、10年後も働きやすい職場が維持できる、しやすい小企業の
存在を守るべき経済分野がやはり点数は低い事からも、今後は、益々
小企による活動を支援しながら、国内経済の発展に繋がる人材=従業員
の方の生きがいも、働きがいもある職場づくりが重要となって来る様です。


また、管理職という責務の重い、高スキル人材だけが活躍できる就業
場所ではなく、互いの責務を緩和し合えるような職場づくり、雇用維持の
ための経営指針についても、従業員の方と対話しながら、互いに向上心を
持続していける職場環境を整える事が、日本らしい働きがいのある職場と
なり、経営者、雇用者、働く方々全員の生きがいに繋がると思われます。

また、雇用を維持するよりも経営の赤字を解消するためのリストラを
優先する事が多い外資リテーラーの売上・税収に頼らないためにも、
高齢化している日本の生産者を継承し、守っていくには、コロナ禍
以前の状況に戻るまでは、原材料の輸入も限られている事もあり、
できるだけ、日本で生産され製造された物やサービスを日本の方が
購入できる地産地消に勤める事が、日本らしい「ジェンダー平等」へと
繋がり、また、指針の数値を改善する近道でもあるように感じます。

そうした想いは、前述した若年層の女性が本当は「専業主婦でいたい」
と言う結果と同じように、下記、アンケート結果も踏まえると、意外と
デジタルネイティブ世代でもある、若年層の方々ほど、本能的に望んで
いたようです。

引用先:「新型コロナウイルス感染症の影響下における 生活意識・行動の変化に関する調査」

そして、そんなデジタルネイティブ世代と同じように、女性らいし生き
がいを持ちながら、自ら働きやすい職場を創り出す女性起業家の方々は

自律心が高く、仕事の合間にスキルアップや自己啓発を望む、企業勤めの
方々に向け、需要が増加したオンライン講座を、自ら開講していました。
そんな自分らしさを踏まえながら、他者と一緒に自らのスキルも高めて
いたのが40代の起業家女性の方々です。そんな女性の方々との出逢いや、
ご一緒させて頂いた際のプロ意識についても、改めてご紹介させて頂く
機会があれば、なお、幸いです。


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