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本当に届けたいあなたには届かない言葉

はじめに
僕の文章は僕の所属とは一切関係ありません。
これまで40校近くの1000人以上の多様な生徒と向き合ってきた経験から書いてます。

僕が今から書く文章を届けたい人がいる。

でも、きっとこの文章を届けたい人にはこの声は届かないだろう。

それでも怒りに似たようなこの文字達を雲がかかった空に放つ。その雲が少しでも晴れるように。

少し前、自殺を引き起こしてしまうようないじめが連日ニュースで取り上げられていた。

ものを隠したり、嫌なことを強要したり、暴言を浴びせたり、無視したり、時にはお金をとったり暴力を振るう。

あれだけ、連日紙面や報道を騒がせたいじめ問題を今メディアで見る機会は一時期ほどはなくなった。

ではこれは解決したのか??

いやしてない。してないんだ。様々な学校の生徒とここ5年で関わり色んな生徒を見てきた。

中には苦しんでいる生徒もいた。さらに苦しまないように頑張って振る舞っている生徒もいた。

確かにメディアに取り上げられることはなくなったかもしれない。でもね、それほど変わってないよ。

僕には伝えたい言葉がある。
「それはあなたと向き合いたいんだ。」

そしてこれを誰に伝えたいのか。
僕は「いじめをする生徒」に伝えたい。

いじめられている生徒は何も問題はない。
普通に生きてるだけで間違うことはあっても問題があることはない。

むしろ問題があるのはいじめをする生徒なんだ。

日本ではいじめられている人をカウンセリングするが、外国ではいじめている人をカウンセリングするらしい。

僕らが向き合うべきは「いじめをしている生徒」でしかない。でもこの想いは届かない。

なぜなら「いじめをしている」感覚がない。から。

当人たちはテレビやドラマの世界でやっているいじめを自分たちがしている感覚はない。 
他人事で全く関係ない世界のこと。

その感覚があっていじめをするほど生徒達は馬鹿じゃない。
でもね、何があっても人を集団で傷つけ影であざ笑い何かを強要する行為はいじめでしかない。

そして、何よりも君たちは犯罪者予備軍なんだ。どんなに優秀でどんなに周りの評価が高くても君たちは犯罪者予備軍なんだ。

もし、君たちがいじめている生徒がもしそれに耐える強さを持っていたとしよう。そして、もし同じように誰かを傷つけたとしよう。

その誰かが強さを持っていなかったら?究極の選択をしてしまったら?君たちは予備軍ではなくなる。

僕らは君たちと向き合いたい。君たちの感覚になぜそこが欠落しているのか? 

家庭なのか?それとも情報が足りないのか?コミュニケーションが足りないのか?愛情が足りないのか? 

僕は教育に関わるものとして君たちともっともっと向きあいたい。でも、たぶん君たちには届かない。

己の罪に気づかなければ、きっとこの声は他人事として流れゆくだろう。空に発した声が消えゆくように。

でも、気づいたときにそっと抱きしめられるように僕はずっとずっと問い続けたい。

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