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体温と睡眠の関係

 生物時計(体内時計)の中枢は視床交叉核と言う場所にあります。この体内時計に影響を与える外的要因として、主に2つあります。1つは光、もう1つは体温です。

 光は覚醒させる効果があるといわれており、知ってる方は多くいると思います。そのため今回は太陽についてお話ししていきたいと思います。

体温も1日のリズムを作っている

 体温も1日の中で、変動しています。夜行性のマウスの実験では、活動量の多い夜の体温は一定に保たれていますが、昼間の体温は少し低くなっています。これは、活動量の低い昼間にエネルギーを温存するためだと言われています。人も同じことが言えます。

 人の場合は、活動量の多い日中は深部体温が上がります。一方、活動量の低い夜では、深部体温が下がり、これに伴い皮膚温度は熱放散のために下がります。

 みなさんは、寝ているときに異様に手足が熱くなっている経験をした事はありませんか?その暑くなっているのが、皮膚温の上昇です。

 つまり、寝る際は深部体温を下げるために手足の抹消の方から体温を放散しているのです。これが、睡眠に影響してきます。睡眠の質を上げるためには、深部体温をいかに下げることができるかが重要となってきます。

夏はなぜ、眠りが浅く覚醒が早いのか?


 この疑問について、光と温度の影響から考えてみましょう。

 光の影響としては、日の出が早いので光による覚醒がしやすいため目覚めが早くなります。

 温度の影響としては、先ほどお話しした深部体温が低下しにくいこと、発汗による不快感があることにより睡眠が浅くなりやすいです。

 先ほどもお話ししたように、寝ている間は深部体温が低下するに伴い皮膚温の上昇が見られます。これは末梢の血管から体温を逃すためです。気温の上昇があると、深部体温は低下しづらくなります。また、末梢血管からの熱放散が間に合わなくなると、発汗による熱放散が行われるため睡眠の質は低下します。

質の良い睡眠を取るには?

今回は2つお伝えします。

①環境温度(室温)を変化させる
 方法としては、前半で室温を徐々に低下させ後半で質問を元に戻す。具体的には、前半で室温29.5度から27.5度に徐々に低下させます。そして後半で室温29.5度まで戻します。
これをすることにより、室温を一定に保つより、深部体温を0.4度低下させることができます。

②熱伝導性の高いマットレスを使う。
 熱伝導性の高いマットレスを使うことにより、体の背面からの皮膚温をの熱伝導を高めることができます。つまり、皮膚からの熱が逃げやすいため汗をかきづらくなります。また熱伝導性の低いマットレスを使うより、0.3度深部体温を下げることができます。

 今回は、体温と睡眠の関係をお話ししました。
個人的には睡眠の質を高めるために光による影響を意識していたのですが、体温による影響もあることが、とても勉強になりました。早速今日から実践したいと思います!

参考書籍
永島計:体温の「なぜ?」がわかる生理学 〜体で感じる・考える・理解する〜

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