見出し画像

One Show 2022 グランプリ発表

これからのシーズン主要な国際広告賞の発表が始まります。

今年はカンヌライオンズが久しぶりに現地開催となるなど盛り上がることが予想されますが、まずは、3大広告賞の1つ、One Show 2022の受賞作が発表になっています。カンヌの前哨戦としても注目に値する賞です。

全ての受賞作の中から選ばれるBest of Showには、Creative Use of Data部門(サブカテゴリー:Storytelling)から、アメリカの銃撲滅団体、Change the ref.の"The Lost Class"が選ばれました。

この映像で卒業祝辞を述べているのは、NRA(ナショナル・ライフル・アソシエーション)の代表を務め、現在も理事であるDavid Keeneという人物。彼は、ラスベガスにあるJames Madison Academyという高校の卒業式に呼ばれたと思って、誇らしげに若者の未来についてスピーチしています。実は、この高校は企画側によって作られた架空の存在しない高校でした(情報ソースはこちら)。その映像に、彼がUniversal Background Checkという銃購入の際に犯罪歴などの個人情報を調べる法案を阻止するために寄付を行ってきたことや、2021年には3044人の高校生たちが銃暴力の犠牲となった事実が淡々と挿入されます。

卒業式に参加することができなかった3044人を圧倒的な空席のビジュアルで可視化することで、その欺瞞へのやるせない思いと憤りが映像が掻き立てます。

制作クレジットには、Leo Burnett Chicagoとあり、大きな老舗エージェンシーが勇気を持って取り組んだことも評価に値することでしょう。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?