雪組の退団者発表を受けて、心がざわついている

2020年11月3日、雪組公演『f f f -フォルティッシッシモ-』『シルクロード~盗賊と宝石~』の退団者が発表された。
そこに、「彩凪翔」「煌羽レオ」「真地佑果」の名前があった。

生でも映像でも、宝塚を観ているとき、「今○組を観てるな」と実感させられる生徒がいる。
今の雪組で私にそう思わせる生徒の中に、彩凪翔がいて、煌羽レオがいて、真地佑果がいた。
彼女たちをしっかり観たときは、「宝塚を観た」というよりも「雪組を観た」という感覚が強くなる。
そんな人たちが一度に退団するのは、ある意味雪組ではありがちにも思えるが、いくら本人の決断とはいえ、寂しくて悲しくてつらい気持ちになる。

退団発表があってから、彼女たちがいる雪組の映像が観られなくなった。
いままでサプリメントの如く観ていた映像も、彼女たちが映る度に涙が出そうになって、しっかりと最後まで見ることができない。

今回は、なんせ久しぶりの組子の退団発表だった。
星・花・月と組子の退団者がおらず、COVID-19のせいで時も止まっていたから、余計に堪えるものだったのかもしれない。
今までも、特に思い入れのある生徒の退団発表は経験してきた。
それでも、たった1公演でも退団公演を観ると、退団者特有の言い知れぬきらめきを放っていて、大抵は清々しそうでもあるその生徒を観て、自分の気持ちにも整理がつけられていた。

だが、今回は状況が違う。
COVID-19ウイルスの感染拡大は未だ留まることを知らない。
2021年1月から4月まで公演が行われているが、自宅から劇場まで1000km近い移動が必要な私にとって、現状を鑑みると、正直なところ易々と劇場に足を運べる状況ではない。

「亡霊」にはなりたくないが、そのための術が全て断たれている気がしてならない。
COVID-19のおかげで、自分の気持ちの整理方法を失ってしまったようだ。

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