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⑪カルテからお客様に来てもらう方法~来なくなってしまったお客様に来てもらう方法「休眠客の呼び戻し」とは?

りん 「あの~、一条さん・・・来られなくなったお客様に、もう一度来てもらう方法があるって聞いたんですが・・・」

一条 「うん、あるよ」「3ステップレターというアメリカ発祥のマーケティング手法があってね、それを僕なりにアレンジしたのが「休眠客の呼び戻し」という方法なんだ」

りん 「へぇ~そんな方法があるんですね」「どれくらいのお客様が戻って来てくれるものなんですか?」

一条 「そうだね、リラクゼーションサロンの場合、休眠客と言われるお客様は、1年~2年くらい来店されていないお客様のことを言うんだけど、だいたい個人で経営されているサロンなら50人~100人くらいの休眠客が居ると思うよ」

「その休眠客に対して、3回に分けてDMを出すことで、戻って来てもらうのが目的なんだけど、だいたい30%くらいのお客様は戻って来てくれるというデータが出ているね」

りん 「へぇ~、ハガキが63円×50人✕3回=9450円だから・・・」

「50人の30%は15人だから、一人7000円の施術を受けてくれたら、10万5000円ですね、すごーい!」

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一条 「そうだね、これはとても大切なことだから、覚えておいて欲しいんだけどね・・・」

「休眠客の呼び戻しっていう手法で大切な考え方は、【LTV】という考え方なんだ」

「【LTV】とは、ライフ、タイム、バリューのことで、顧客生涯価値という意味なんだけど・・・簡単に言えば、一人のお客様から頂ける生涯の売上という考え方なんだよ」

「つまり、1回1回の売上で判断するんじゃなくて、ずっと先を見越して売上を作るという考え方をするんだよ」

「今回の【客の呼び戻し】を解説すると」

「1回目のDMは、

しばらくお顔を拝見していませんがいかがお過ごしですか?お元気なら安心です。おかげさまでアムールはオープン5周年を迎えました、有難うございます。

つきましては、特別なお客様だけにご優待券を発送しております、このハガキが優待券となっております。ご来店の際にこのハガキをご持参くだされば、優待券価格で施術させて頂きます」

「2回目のDMには、

ご優待券のご案内は届きましたでしょうか?ご予約のお電話がございませんので少し心配しておりました。もしご都合がよろしければ、新メニューもご用意しておりますので、この機会にご優待券をご利用ください」

「3回目のDMには、

3度目のご案内となります、ご優待券のご利用期限が近付いてきましたので再度お知らせさせて頂いております。お久しぶりにお顔を拝見したいと思いますので、ご都合が宜しければ、ご予約のほどお待ちしております」

「まぁ、こんな感じの内容のDMを出すんだよ」

りん 「はい、なんか、行きたくなるような内容ですね」

一条 「そうだね、そしてここで大切な考え方は、このご優待券は70%オフや80%という驚くほどの割引にしておくことがポイントなんだよ」

「さっき説明した【LTV】の考え方で、戻って来てくれた1回分の施術はタダでいいから、リピートしてもらう事を考えるのが大切なんだよ

「戻って来てくれて本当に有難いという気持ちが伝われば、たいていのお客様はリピートしてくれるからね、だいたい戻ってきてくれてリピートしてくれる割合は60%~70%だね」

りん 「はい、解りました」「なんか心理学みたいですね」

一条 「そうだね、これは人間の行動心理に基づいたマーケティング手法で、心理学の考え方から来ているんだよ」

「80%オフで施術を受けたお客様は、【返報性の原理】という心理が働くから、リピートしてくれる確率が高くなるとも言われているね」

りん 「あっ私、本で読みました、返報性の原則ですよね、知ってます」

「何かしてもらったら、お返ししないといけない気持ちになるっていう心理のことですね」「80%オフで施術を受けたから、また来ないと申し訳ないって思ってもらえるって事ですか?」

一条 「うんね、そうだよ」「人間の心理っていろいろあるけど、ギブアンドテイクも同じような意味だね、まず相手に与えるから、自分にも与えてもらえる、みたいな事だね」

「それから、りんちゃんも勉強したように、リラクゼーションサロンの経営は常連さんの数が多ければ多いほど安定するからね、どうやって常連さんになって頂くかを考えることが大切なんだ」

りん 「はい、よく解りました」「【LTV】っていう考え方は、今まで知らなかった考え方でした、顧客生涯価値っていう意味なんですね」

「一回一回の売上を考えるんじゃなくて、ずっと通って頂く事を最優先に考えるのかぁ・・・」

「あっ、でもママがよく言ってました、お客様はね、ママの事を信頼してくれるからずっと常連さんで居てくれるだよって」

一条 「そうだね、常連さんになってもらう為には、まず信頼関係を構築できないといけないからね、りんちゃんのママは、今までの経験からそういう事が解っているんだと思うよ」

「僕はマーケティングの専門家だけど、最近改めて思うのは、経営者やセラピストの人柄もマーケティング戦略の一つだって思うんだよね」

「リラクゼーションサロン経営は、リピート対策がとても重要だけど、それには経営者の人柄が大きく影響するからね」

りん 「そうなんですね、ママの人柄で常連さんになってくれるお客様が多いなんて、ちょっと嬉しいです」

一条 「そうだね、ステキな人がビジネスをすれば成功する確率が高いのは昔から言われている通りだね」

りん 「はい、よく解りました」

「マーケティングってテクニックじゃなくて、真心も大切なんだって気付きました」

一条 「うん、真心かぁ、いいね」「その真心を上手に伝えるのがマーケティングだと考えればいいよね」


【コンサルタント一条の解説】


どんなビジネスにも、休眠客と呼ばれる、最近来なくなってしまったお客様が居られますが、こういったお客様が来店されない理由の第一位は「忘れていた」というのが最も多い理由です。

なので、単純に思い出してもらえば、また来店してもらえる可能性があるのにも関わらず、多くの経営者はその方法を知りませんから、休眠客を放っておいてしまって、本当の失客となってしまいます。

リラクゼーションサロンの場合は、お客様カルテがありますから、その住所にハガキを出すだけですが、出す理由にこだわり過ぎて、結局出さない人が殆どです。

しかし、新規のお客様に来店してもらうよりも、過去に来店してくれたいたお客様に来店してもらう方が簡単ですから、ぜひ、この方法を試してもらいたいと思います。

僕のクライアントさんでも、来なくなったお客様にハガキを出したら、売り込みをしていると思われてしまうんじゃないかなぁ・・・

と考える人も居ますが、それは売り込みをするから罪悪感が沸くのです。

売り込まずに、ご案内をするだけなら、罪悪感は沸かないでしょうから、季節のご挨拶やキャンペーンのご案内という案内をお出しすると考えましょう。

どんなビジネスでも、お客様との接触頻度や提案の回数が売上と直結していますから、リラクゼーションサロンの場合なら、3年以内であれば、戻って来てくれる可能性はありますので、ぜひやってみてください。

よく聞かれる質問で、「カルテは何年まで保存しておけばいいですか?」

とよく聞かれますが、3年以上ご来店されないお客様は、何らかの理由で卒業されたお客様だと割り切ってください。

5年以上のご来店が無い場合は、カルテを破棄しても大丈夫だと考えられます。

カルテは個人情報ですから、廃棄する際には細かく裁断するなどして、絶対に情報が漏れないように十分注意してください。



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