5.21 大阪ダービー観戦記

5月21日(土)14:00~ ヨドコウ桜スタジアムで行われた、セレッソ大阪×ガンバ大阪の大阪ダービーを現地観戦しました!

有難いことに、野外特設ステージ「WAKUWAKUステージ」のイベントに参加させていただき、温かい両サポーターの皆さんのおかげでとても楽しく漫才をすることができました!

楽屋でもJリーグ好きの相方、ダブルヒガシ・東、担当社員さんでわいわいセレッソトーク。
おじさんばかりなので、セレッソがガンバ大阪・フェルナンジーニョに無茶苦茶にされた苦い思い出や、森島社長・西澤明訓氏のハッサン2世国王杯の大活躍など、15年以上前の話がメインでした。

とにかく楽しいイベントでしたので、セレッソ大阪様!!また呼んで下さい!!


とまあ、ここからメインの試合の話。

まん太郎ライターモードで書かせて頂きます。



☆『伝統の大阪ダービー』観戦記

午前11時、JR鶴ケ丘駅の改札を抜けスタジアムに向かうとすぐに、ピンクの装飾が目立つコンクリートの要塞が目に入る。

セレッソ大阪のホームスタジアム・ヨドコウ桜スタジアム。

試合開始3時間前ながら会場周辺はピンクと青黒のサポーターで大賑わいで、この1戦が大阪のサッカーファンにとって一大イベントであることがよく伝わる。

先に開催されたルヴァンカップでの2試合ではスタジアム外でサポーター同士のトラブルが起きたこともあり、この試合前には両クラブから「フェアでクリーンな大阪ダービー開催に向けて」という異例の声明が発令。

その甲斐もあってか、曇り空ながら過ごしやすい温度のおかげか、スタジアムの外は和気あいあいとした雰囲気で、立ち並ぶキッチンカーの行列も相まって郊外で行われるフードイベントの様。

スタジアム近くの天ぷら屋で昼食。隣のテーブルの高校生くらい(?)のガンバサポーターの会話の中に「山口素弘」の名前が出て来たのが印象的だった。サポーターの魂は、世代を越えて受け継がれているのだろう。

腹ごしらえも済みスタジアムの中へ。外の雰囲気とは裏腹に、ものすごい熱気。高いスタンドが設置されピンクのユニフォームで埋め尽くされたホーム側ゴール裏。少ない席数ながら、青黒で埋め尽くされたアウェイゴール裏。どちらも大きな太鼓の音と手拍子を鳴らし、巨大な旗が数本うねる様に立てられていた。

とうとう、選手入場。ゲストの黒木ひかるさん(遠目に見てもめちゃくちゃ可愛かった。ファンです。)のコイントスの後、両キャプテン清武弘嗣と三浦弦太がガッチリ握手し、キックオフ。


両チームとも丁寧なゲームの入り。最終ラインでボールを回し、ゆっくりと攻撃機会を伺う。

ガンバ大阪は技術の高い3バックが幅を取り広くボールを動かすも、サイドで詰まり、なかなか決定機まで持って行けない。
一方セレッソは、中央の清武・奥埜、最終ラインに落ちた原川がボールを出し入れしながら、左サイドから何度もチャンスを生む。

ジュアン・パトリッキのドリブル突破あり、山中のオーバーラップありと、ガンバの右サイド裏のスペースを掌握。しかし、1点が遠い。タガート、清武に何度もチャンスが訪れるが、ガンバの中央の守備が粘り強くなかなか枠にシュートが飛ばない。

そんな中、後半33分。セレッソの連携ミスから高い位置でボールを奪ったレアンドロ・ペレイラのクロスをファーサイドで山見が押し込み先制点。セレッソ優勢かと思われたが、隙を見逃さなかったアウェイ・ガンバ大阪がゲームを動かした。

このまま前半が終わり、アウェイのガンバ大阪リードで後半へ。


後半はストレートに言うと、ワンサイドゲームだった。
前半から機能してたセレッソの前線のプレスが立ち上がりから効き、じわじわとサイドに追い込みながら長いボールを蹴らせて回収。中央の中村仁郎に入ってきたボールにはセンターバックが対応。ガンバのビルドアップを完全に無効化しながら、ラインを高く保ち、完全にゲームを支配した。

そうこうしているうちに、後半13分。右SB松田陸から斜めに打ち込まれたパス、それを受けターンした清武がワントラップから見事なロングスルーパス(丁度、清武の背中越しに見られたが、とんでもなかった)。
抜け出した奥埜が一度は止められるも、タガートがストライカーの嗅覚を発揮。こぼれ球を押し込み、同点に。

スタジアムのボルテージが一気に上がる。声出しでの応援はまだ出来ないが、太鼓の音と手拍子が地鳴りのように響く。

サポーターの熱気に後押しされた、後半21分。神出鬼没の動きでボランチ脇でボールを受けた清武が、オーバーラップしてきた左SB山中へスルーパス。山中の十八番・高精度クロスに後ろから飛び込んできた奥埜がヘディングでネットを揺らし、一気に逆転。

この時、少し離れた席に座り、怒声にも近い応援の声を上げていた50代くらいの男性2人が駆け寄り、抱擁。甲子園球場の様な、粗暴にも見えるが熱いファンの姿に、胸が熱くなった。

ガンバ大阪も、ウェリントン・シウバ、藤春と攻撃的なオプションを投入するも、セレッソの高い位置からのプレスが緩まず、チャンスが生まれない。

後半29分にセレッソは17歳北野颯太を投入。下部組織出身のスーパールーキーという事もあり、サポーターからの人気も絶大。北野の名前が呼ばれると、得点シーンを除けばこの日1番の歓声が上がった。

もちろん人気だけではなく、この北野の投入の効果は絶大に見えた。1点ビハインドで高い位置に設定されたガンバの3バックの近くに張り付き、味方がボールを奪った瞬間に抜群のスピードで裏のスペースに走り出す。シンプルな戦術だが、だからこそ効果がある。

後半43分。フラストレーションが溜まったガンバ大阪に事件が。スローインをしようとボールを持った昌子が、前線の選手の動き出しの悪さに怒り、ボールを地面に叩きつけた。

それに激怒したレアンドロ・ペレイラが昌子に詰め寄り、味方同士で一触即発の雰囲気に。この内紛に、ホーム・セレッソのサポーターは大盛り上がり。

行為自体はいただけないが、なんとしても勝ちたいという気持ちから生まれたこのシーンに、ピッチ内の温度を少しだけ感じられたような気がした。

しかし、勢いを得たセレッソは止まらない。後半アディショナルタイム、ガンバ大阪のフリーキックのこぼれ球を毎熊が拾い、長いドリブルで持ち上がると、絶妙な溜めからカウンターの先頭を走る奥埜へパス。奥埜がこれをニアに叩きこんで、仕上げの3点目。3-1でホーム・セレッソ大阪が快勝した。


整列後すぐに、三浦・昌子を中心にガンバサポーターに歩み寄った。キャプテン・三浦が何か言葉をかけた後、最前列のサポーターと三浦が口論になり、セキュリティが間に入る。

一方、逆サイドではセレッソガールが歌い踊り、ホームゴール裏はお祭り騒ぎ。天国と地獄とはこういう状況を言うのだろう。

ガンバの選手・サポーターも勝つ為に起こした行動なので、地獄というのはいささか失礼かもしれないが、私の目にはそう写った。


このゲームのMOMは間違いなく奥埜博亮。2得点もさることながら、この試合でマークした12.313kmの走行距離をもって中盤からゴール前まで常に顔を出し続けた。セレッソのアグレッシブなスタイルに完全にフィットしつつある33歳の今年、キャリアハイのパフォーマンスを見せつければ、チームも自ずと優勝争いに絡んでいけるはずだ。

次回、パナスタでの大阪ダービーは7月16日19:00~第22節。夏場のコンディション維持も困難な時期で、後半戦に向けた重要な一戦となる。

リベンジを期するガンバ、シーズンダブルで勢いを付けたいセレッソ。この日も間違いなく熱い戦いが見られるだろう。

サポートをしてくれたら、そのお金で僕はビールを沢山飲みます!