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かずちゃんのこと#13◇12月10日 共に生きる

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1年前の12月9日、22:30ごろ、かずちゃんの呼吸は止まりました。
訪問ドクターが他の患者さんのところに行っていて到着が遅れたため、
医師による正式な死亡診断は、12月10日0:18でした。


2023年12月10日

かずちゃんの両親の希望で、
Nちゃん(かずちゃんの妹)の家族も一緒に食事会をしました。

仏教で言う所の1周忌にあたる12月10日までに、
という義両親のたっての願いでした。
その日を過ぎてからではダメなのだと。

かずちゃんはクリスチャンとして天に召されたので、
1周忌というものはありません。
もちろん、四十九日の法要もありませんでした。
キリスト教には、そういう概念がないからです。

でも、そこは義両親の想いをくみ取って、
食事会で集まることにしました。

2020年1月 ロシアのウラジオストクにて
凍った海の上に立っています

お義父さん、お義母さん、Nちゃん、Nちゃんの夫さんと娘ちゃん。
みんながそろったのは、実に1年ぶり。
かずちゃんの召天式(お葬式)以来です。

義両親のことを想うと、本当になんとも言えない気持ちになります。
私には子どもがいないので、
子どもへの愛情は想像するしかありませんが、
最愛の息子を亡くした悲しみに共感できるほどの経験が、
私にはありません。

お義父さん、お義母さんへ
この1年、本当によくがんばったよね。
二人のつらさに共感してあげられないのは、とても残念です。
私が想像しえないつらさだっただろうと思う。
今日のこの日まで、耐え忍んでくれてありがとう。
こうして、大阪まで出てきてくれてありがとう。

まゆより

食事会が終わった時、お義母さんが言いました。

義母「今日はまゆさんの言葉に救われたわ。
 このまま引きこもっている生活はみじめ。
 私自身がかわいそうだし、あわれ
 それはわかっているの。
 でも、私にはもう少し時間が必要みたい。」

うん、それでいいと思う。
お義母さんには出口が見えている。
そこにたどり着くために必要な時間は、人それぞれ。
お義母さんのペースでいいんだよ。

2020年1月 ロシアのウラジオストクにて


帰る時間まで、みんなでコーヒーを飲みに行きました。

隣に座ったお義父さんが言いました。

義父「昔はたいして興味がなかったマライア・キャリーの曲を聴いている。
 息子が買ってくれたコンパクトステレオで。
 Without You という曲を聴くと、なぜだか泣いてしまうんだ。」

「お義父さん、英語がわかるんですか?」

義父「いやいや、英語はわからないよ。
 でも、なんだか泣けてしまって、よく聴いてるんだ。」

義父「息子がいない人生は、悲しい。寂しい。
 でも、これが現実だからな。
 この状況の中で、私は生きていくしかない

 1年前まで、よく連絡をくれていた友人がいたが、
 息子が亡くなってから、ぱったりと連絡がなくなった。
 気をつかってくれているんだろうな。
 1年経ったし、そろそろこちらから連絡してみようかな。」


マライア・キャリー Without You

I can't live(生きられない)
If living is without you(人生があなたと共にないなら)
I can't live(生きていけない)
I can't give anymore(もう何をする気にもなれない)

まさに、義両親の想いを表しています。
英語がわからないお義父さんだけど、この歌を感じ取っていたのです。
お義父さん、すごい。


今日、感じたこと

いろいろな葛藤はあるけれど、
お義父さんもお義母さんも、
それぞれのペースで前に進んでいる。

きっと大丈夫。きっと、出口にたどり着けるから。


私は、そんな義両親と、共に生きたい。



12月10日
お母さん、お誕生日おめでとう。

かずちゃんの死亡診断日は、私の母の誕生日。


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