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かずちゃんのこと#13◇12月10日 共に生きる
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1年前の12月9日、22:30ごろ、かずちゃんの呼吸は止まりました。
訪問ドクターが他の患者さんのところに行っていて到着が遅れたため、
医師による正式な死亡診断は、12月10日、0:18でした。
2023年12月10日
かずちゃんの両親の希望で、
Nちゃん(かずちゃんの妹)の家族も一緒に食事会をしました。
仏教で言う所の1周忌にあたる12月10日までに、
という義両親のたっての願いでした。
その日を過ぎてからではダメなのだと。
かずちゃんはクリスチャンとして天に召されたので、
1周忌というものはありません。
もちろん、四十九日の法要もありませんでした。
キリスト教には、そういう概念がないからです。
でも、そこは義両親の想いをくみ取って、
食事会で集まることにしました。
![](https://assets.st-note.com/img/1702218367455-MPG2EAObfq.jpg?width=1200)
凍った海の上に立っています
お義父さん、お義母さん、Nちゃん、Nちゃんの夫さんと娘ちゃん。
みんながそろったのは、実に1年ぶり。
かずちゃんの召天式(お葬式)以来です。
義両親のことを想うと、本当になんとも言えない気持ちになります。
私には子どもがいないので、
子どもへの愛情は想像するしかありませんが、
最愛の息子を亡くした悲しみに共感できるほどの経験が、
私にはありません。
お義父さん、お義母さんへ
この1年、本当によくがんばったよね。
二人のつらさに共感してあげられないのは、とても残念です。
私が想像しえないつらさだっただろうと思う。
今日のこの日まで、耐え忍んでくれてありがとう。
こうして、大阪まで出てきてくれてありがとう。
食事会が終わった時、お義母さんが言いました。
義母「今日はまゆさんの言葉に救われたわ。
このまま引きこもっている生活はみじめ。
私自身がかわいそうだし、あわれ。
それはわかっているの。
でも、私にはもう少し時間が必要みたい。」
うん、それでいいと思う。
お義母さんには出口が見えている。
そこにたどり着くために必要な時間は、人それぞれ。
お義母さんのペースでいいんだよ。
![](https://assets.st-note.com/img/1702219137601-u5DMyEcMqV.jpg?width=1200)
帰る時間まで、みんなでコーヒーを飲みに行きました。
隣に座ったお義父さんが言いました。
義父「昔はたいして興味がなかったマライア・キャリーの曲を聴いている。
息子が買ってくれたコンパクトステレオで。
Without You という曲を聴くと、なぜだか泣いてしまうんだ。」
私「お義父さん、英語がわかるんですか?」
義父「いやいや、英語はわからないよ。
でも、なんだか泣けてしまって、よく聴いてるんだ。」
義父「息子がいない人生は、悲しい。寂しい。
でも、これが現実だからな。
この状況の中で、私は生きていくしかない。
1年前まで、よく連絡をくれていた友人がいたが、
息子が亡くなってから、ぱったりと連絡がなくなった。
気をつかってくれているんだろうな。
1年経ったし、そろそろこちらから連絡してみようかな。」
マライア・キャリー Without You
I can't live(生きられない)
If living is without you(人生があなたと共にないなら)
I can't live(生きていけない)
I can't give anymore(もう何をする気にもなれない)
まさに、義両親の想いを表しています。
英語がわからないお義父さんだけど、この歌を感じ取っていたのです。
お義父さん、すごい。
今日、感じたこと
いろいろな葛藤はあるけれど、
お義父さんもお義母さんも、
それぞれのペースで前に進んでいる。
きっと大丈夫。きっと、出口にたどり着けるから。
私は、そんな義両親と、共に生きたい。
12月10日
お母さん、お誕生日おめでとう。
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