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食品工場経理担当の備忘録        5 実行した事 直接費と間接費     5.3 製造間接費の分割を考える

1.製造間接費の問題点

この投稿から、製造間接費(以後、間接費と書きます)に関して実行した内容について、書いて行きたいと考えています。

間接費は、前回までの直接費とは異なり、水道光熱費、運賃、修繕費といった形が見えない、言わば「手間・ヒマ」である場合がほとんどです。

形が見えづらい物を分割するのは簡単では無く、しかし、無視すれば部門PL作成は不可能で、厄介でも実行しなくてはならず、問題は山積でした。

特に、水道光熱費は公共料金である場合が多く、請求から支払までが全く他の仕入品と異なる上、複数仕入項目が1つの仕訳に混在する問題児でした。

更に問題だったのが、異質であるが故に、日々の納品書によるチェック&入力に比べ金額の割には、扱いが疎かになりがちな費用だと言う事でした。

しかし、1回の引き落とし金額は高額で、製造経費中の構成比率は高く、その総計は直接費には及ばないものの、かなりの高額に達していました。

2.間接費を分割する

そこで、直接費同様間接費も分割する事にして、消耗品の際に気が付いた費用の細分化を含んだ定義を作成し、分割する為のチェックを始めました。

下の図の様な定義で分割する事にして、複数要素を含まれると考えた費用を検索しました。

直接費分割を基に作成した間接費版です

前述の通り、直接費とは異なり間接費は「手間・ヒマ」という曖昧な部分が多く、基準候補は費用ごとに別で、更に複数な為、かなり戸惑いました。

もう一つ、細分化が可能と考えた費用は
 ① 水道光熱費
 ② 支払手数料
の2費用で、話はそれますが、それとは別に直接費の消耗品費から外れ
 ③ 消耗品費→修繕費・車輌費
に仕訳変更する、仕入品も対象にしました。

仕訳科目の細分化については次の章「実践運用編」で説明しますので、ここでは、①を最大7つ、②を5つに細分化した事のみを、書くに留めます。

やはり、間接費の部門案文率基準を作成するのは思いの他厄介で、案分率で作成した部門PL合計は、試算表の近似値が必須条件ですから尚更でした。

3.案分基準を考える

あれこれと考えて、会計事務所に相談しながら最初に決めたのが、下の図です。

スタート地点に立ちましたが、ここからが大変でした

労務費以外の費用はかなり大雑把になってしまい、このままでは近似値から離れる可能性が有り、それを防ぐ為に固定可能な費用を探す事にしました。

この固定可能費用の検索や、労務費以外を区別する考え方など、手順や方法に関する話は長くなりますので、次回投稿で説明したいと考えております。

間接費の案分基準はこの後も、精度を上げる目的で常に変化を繰り返す事になりますが、それらについても次の章「実践運用編」で書く事にします。

最後まで、お付き合い頂き、ありがとうございました。







 





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