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食品工場経理担当の備忘録         3 実行した事・売上と製品     3.2 オリジナル品を区別して考える         

1.定番品とオリジナル品の違い

定番品とオリジナル品、この二つは仮に、同一の原料や製造工程で作られたとしても、全くの別物だという事を、知る必要がありました。

具体的には、どのような違いが有るのかを考え、自身が納得する為に作成したのが、下の表です。   

自社業務用製品についての規格での考察結果です。

自社業務用製品とオリジナル品の相違点を、原料・注文数量・仕様などの規格について、自身の理解目的の為に作成した表です。

結果、オリジナル品は定番品と同様に、納品先製品の製造を担うと同時に、製造には納品先規格の厳守が原則、との認識を持つ必要性を痛感しました。

理由として、主力製品に使用される為、納品先の製品に対する”こだわり”を強く感じる原料を使用している事が多いのが、第一に挙げられました。

これらの事実は、オリジナル品製造に関わる幾つかの問題点の一つであり、
仕入の際の、注意点でもありました。

2.オリジナル品の問題点

オリジナル品の原料に関するものとして
 ① ”こだわり”を表す為、レアな原料が多い
 ② レアであるがゆえに、流通ルートが限られている
 ③ 原料の種類によっては買付時期が限られる
 ④ 輸入品の場合、作柄に加え、為替、国際情勢などが仕入価格に影響
 ⑤ 受注頻度により原料在庫からの仕入タイミングが掴み辛い
 ⑥ 注文全体量が少量の場合は仕入単価が上昇
などが挙げられました。

実際、何社かの仕入先担当者から、”自分の知る限り”が前提の話として、「業界で使用しているのは御社だけ」、という原料がありました。

またオリジナル品は、受注から製造までの流れの中にも、
 ① 受注が不定期で、数量もその都度変化
 ② 受注から納品までの時間が短く、製造予定が組み辛い
 ③ 注文数と生産数とのギャップを少なく、しかも、不足は絶対不可
などの厄介な問題を抱え、量的ギャップは多すぎた場合、余剰数の受取拒否による無駄を発生させ、採算悪化の原因となる可能性も、含んでいました。

3.対策として心掛けた事

替えの利かない原料なので、
 ① 使用数量のシミュレーションを正確にして仕入量のギャップを少なく
 ② 買付は年一回でも納品期間は資金繰りを考慮して幅広く交渉
 ③ 仕入先に対して頻繁に情報提供を求める
 ④ システム入力の際は特定し易い工夫をする
 ⑤ 製造コストは定番品より高いと認識
 ⑥ 受注から出荷までには余裕を持ちミスを少なく
④は例えば、原料欄に品種等仕様に関する詳細情報を記載し、仮に仕入価格が高騰した際は、短時間で特定し、原価上昇を把握するのが目的でした。

上記の項目を心掛けながら、原価管理に向け、製品自体が持つ特質の相違点を理解する事の大事さを、強く感じた次第でした。

実際、オリジナル品は問題対応の早さにより、納品先への印象が変わる場合が多く、情報取集は常に定番品以上の注意を払っていたのを覚えています。

最後まで、読んで頂き、ありがとうございました。

#食品 #経理 #原価 #粗利 #業績

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