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食品工場経理担当の備忘録        5 実行した事 直接費と間接費     5.4 間接費の固定化

1.間接費固定化の具体案

前回からの続きで、間接費の中から、品名や部門を固定する為の方法などについて、書いて行きたいと思います。

先ず、費用項目を幾つかの項目でチェックして、当てはまった費用を特定して単独で分割する事に決め、
 ① 労務費関連はすべて人員割→決定済
 ② 消耗品費同様、部門や製品を特定可能な費用を探す
 ③ データ入力時の工夫により、②の特定を可能な費用を探す
 ④ 仕入先や施工目的・対象から特定可能費用を探す
上記4項目を挙げ、①は完了なので②~④について費用を確認する事にしました。

※ ①の人員割は、平均値以外には利用不可な事が作業始めてすぐに判明し、一からやり直す事になりますが、その話は次の労務費で書きます。

2.精度を求めて再考する

作業開始直後に、単品原価が目標なら更に精度を上げる必要性を感じ、再考して少しでも多くの費用を具体的に特定する基準を、考える事にしました。

その具体的な例が、下の図です。

④の要素が重要な役割を果たしていました

③の要素をシステムデータ登録の際に取り入れて、データ名の頭に~部門用(後に~製品用にして精度UP)と付けるか、備考欄記載としました。

後日談ですが、データに製品名を付けて区別する事で、原価の精度の向上と分析結果の詳細化に、貢献した費用の最たるものが「運賃」でした。

これらの精度に関しては「実行した事5.2」でも少し触れてますが、重量や距離など運賃差が解り易く、上手に利用すれば面白い分析が可能になります。

間接費の中にはちょっとした工夫で、意外な売上や業績の分析が出来る可能性を持つ費用があり、疎かにせず良かったと後から思ったものでした。

次の作業である、科目ごとの振分けの具体的内容として、仕入システム品名登録の際に、実行した例の一部を簡単に表したのが、下の図です。

運賃は部門では無く、出荷量の多い製品群で区別していました

直接費の様に、製品を特定して割振るのが理想なので、曖昧な分割を少なくしたいと考え、時間を掛けて、分割に必要な手掛かりを探す事にしました。

水道光熱費以外・支払手数料分化費用の中で、手掛かりを見つけたのが
 ① 賃借料・保管・保守・廃棄・修繕関係→対象物を納品請求書で特定可
 ② 対象物が特定できれば製品特定が可能→原料・設備名など
上記2項目で、一つの取引に複数の仕訳が発生して区別が必要な場合は
 ③ 区別方法→品名及び備考欄に記載
として、費用科目を増やしてでも、詳細&精度UPを優先の選択をしました。

3.見え始めた道筋と残った課題

こうして、仕入品の中から部門や製品の特定に繋がる手掛かりを探し、特定して行く事で、曖昧な分割をする仕入品を、出来るだけ少なくしました。

一連の作業により、製品個別の原価管理から会社業績分析を行う為の道筋が、少しずつではありますが、現実味を帯びて見えるようになりました。

しかしまだ、光熱費等に代表される、分割基準が曖昧な費用が課題として残りました、その課題部分は、次の「実践運用編」で書いて行くつもりです。

これで、ひとまず仕入関係を終了し、次回から「労務費」に関する投稿を始めたいと考えています。

最後まで、お付き合い頂き、ありがとうございました。










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