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食品工場経理担当の備忘録       エピソード1 24時間闘ったけど・・・

きっかけに繋がった自身のエピソードを一つ。

時は後にバブルと言われた時代、昭和から平成へと変わろうとしている頃、世の中は活気に満ち、物流も活発で、いつの間にか新規の売上が確保できた、今思えば、何とも不思議な時期でした。

当時、新規で参入した業種で、新製品が時代の波に乗って爆発的にヒット、注文殺到で毎日が残業の繰り返し、退社するのはいつも”午前様”(日付が変わってから)、多くの社員が長時間の残業が当たり前で、経理より配送や製造関連の手伝いに駆り出される毎日で、数字を扱う時間は極端に少なくなり、いつの間にか、経理的なルーティーンをこなすだけの日々になっていました。 

そんなある日、事務所に施錠して帰宅しようとした時、工場の一部に灯りがついているのに気付き、確認に行くと、一人の役員が、出来たばかりの製品の箱詰めをしていました。

話を聞くと、「今日の朝7時までに納品しないといけないんだ」との事、あと6時間も無いし、納品場所は会社から1時間くらいかかる所、もう、手伝うしかありません。

何とか終わった頃、空は明るくなり始めていました、それも、仕込み作業で朝5時出社の早出出勤の社員に、空いた時間に手伝ってもらいながら、です。

会社の始業時間は朝8時、一旦帰宅してシャワー浴びて、着替えて会社にとんぼ返り、そのまま引き続き勤務する事に、さすがにその日は残業はせず帰宅しました。

翌日、一人暮らしの悲しさ、目が醒めたら、なんと7時半、目一杯遅刻して出社する事に、しかし、皆事情を知っていたお陰で、おとがめ無しでした。
(・・・皆さん、ありがとうございました)

その月の給料計算をしたら、当たり前ですけど、社員全員の残業手当がすごい額になっており、おまけに何と!、手当金額の桁数オーバーによるエラーで給与明細が印刷不可に、結果、給与計算システムの設定変更という、予定外の出費まで付いてしまいました。

残業手当のほとんどが、新製品の為に費やされているのは確実で、その総額は複数の人員を雇用出来る額になっており、かなりの手間が掛かっている事を、鮮明に表していました。

この時、頭に浮かんだのが、この製品はこれで採算が取れているのだろか、という疑問でした。

しかし現実的には、数字で表す事は出来ておらず、何とか数字で表す事が出来ないかと思った事が、始まりだった訳です。

後に、報告し続けた部門別PLの数字から、この製品群を含む参入した業種(部門)が、業績不振を招いている事実が証明され、一部製品の販売中止を含む様々な対策を講じる事で改善され、業績も回復に向かいましたが、何とも、辛くて苦い経験ではありました。

24時間闘いましたけど・・・これでは・・・、製品単品の原価管理による経営分析を行った結果、業績を安定軌道に乗せる事が出来たからこそ書けた、エピソードではあります。

次回は本編に戻り、”人的資産”と”外部応援”という項目について書きつつ、実行前の検討項目リストにも触れてみたいと考えています。

最後まで、読んで頂き、ありがとうございました。

#食品 #経理 #原価 #粗利 #業績  

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