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食品工場経理担当の備忘録      きっかけ・思った事

この投稿から、本題に入ります、少し緊張気味です。

1.売上増に潜む、純利益減の現実

プロローグで書いた通り、当時は好景気と言われた時代でしたから、毎年の決算期計上の売上額は、当然のように右肩上がりでした。

では、利益面はと言うと総利益、営業利益、経常利益は必ずしも増益とはなっておらず、業績面では不振と言わざるを得ない状況が続いていました。

確かに、力を入れた営業活動を頻繁に実行せずとも受注は順調に推移し、製造量も製品毎に偏りはあるものの、増加傾向にありました。

ですから当然、生産現場は活発で残業の連続の日々が続き、誰もが業績が振るわないなどと考えてはいませんでした。

しかし、数字的な現実はそうでは無く、業績良好といえる結果を出せずに、自分たちが考えていた程の待遇を、得る事が出来ずにいました。

やはり、自分を含む他の人達も頑張っているので、給与面の待遇を上げて欲しいと考えるのは当然でしたが、経理目線で見た場合間違いなく厳しい状況でした。

2.純利益減の原因の究明

経営陣や幹部諸侯は、更に売上を伸ばせば解決できると、檄を飛ばしていましたが、自身としてはそれで解決できる問題では無い、との認識が以前から有りました。

唐突ですが、下の図は利益を簡単に表したものです。

で、思った事が、今は製品の全部が黒字では無い、或いは、利益幅が少なく、思うような利益が確保できていない状態、ではないかと云う事でした。

2.1.売上急増=生産量の急激な増加に伴う落とし穴

売上が急増するという事は、食品工場では生産量を急激に増加させる事を意味します。

能力の限界まで、急激に生産量を増加させた場合、資材の手配が間に合わず生産計画が不履行になり、生産規模の急変に伴い、下記のような予期せぬ問題=費用が発生します。
① 人件費の増加(人員の増加もしくは、長時間労働(残業時間)の増大)
② 製造能力の限界超過による、原料、資材の製造過程でのロス
③ 原材料の調達方法と、原材料の保管場所の確保
④ 生産された製品の保管場所の確保と配送方法の拡充
⑤ その他、生産規模拡大に伴う予定外出費の発生
実際に、この時期一人当たりの残業時間が多過ぎ、残業手当表示の桁数が足りず、システム設定変更に予定外出費を余儀なくされてしまいました。(今なら、”ブラック”と言われるほどの残業時間でした)

2.2.純利益減の原因

結局、”製造原価”と”販売管理費”の増加規模が”売上”の増加規模をはるかに上回っている、と言う事になっていたのです。

上の図を視点を変えて、製品単品当たりの利益と考えれば、現状では”売上(単価)”は同じで、”製造原価”と”販売管理費”の両方が増加していました。

結果、利益は少なくなり、図中の下段の計算式になっている可能性が有るのではないか、と思うに至りました。

つまり、販売品目の中に、売る度に損をしている製品が存在し、それが原因で幾ら売っても利益が上向かないのだ、と感じたのでした。

3.経営陣への説得力のある提案の必要性を痛感

しかし、実際に説明するには、全体として売上は増加しているので、納得できる数字的材料を提示せねばならず、数値化する必要に迫られました。

そこで、プロローグで掲載した図に手を加え、自身の工程図を作成し直しました。

そして、自分なりの最終目標を設定し、どうすれば実行し実現出来るかを”考える事”から、行程をスタートしました。

長時間労働の厳しさが、考えるきっかけとなり、時代の流れが実現を後押ししてくれたのだと、今は思っています。

次の投稿から、”考えた事”について、書いて行きたいと思います。

最後まで読んで頂き、ありがとうござました。

#食品 #経理 #原価 #粗利 #業績

 







 

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