食品工場経理担当の備忘録 5 実行した事 直接費と間接費 5.2 内装・外装・容器
1.グループの定義について
前回からの話の続きとして、先ず三つにグループ分けされた消耗品を「内装・外装・容器とは何か?」について考え、その内容をまとめ、
① 内装=業務用→納品先の製造現場まで持ち込まれる資材
店舗販売用→店舗内の売り場で、個別に販売されている製品に
使用される資材
② 外装=上記以前の段階で外される資材
③ 容器=充填後殺菌や充填前加工を行う機械(装置)に必要で購入価格
が一個当たり10万円未満の資材
と、定義付けする事にしました。
2.定義に添って資材を区別する
上記の定義に添って、区別した場合の一つの例が下の図です。
近年では業務用スーパーなどが現れ、販売形態が混沌としていますので、業務用、一般家庭用などの色分けは敢えてしていません。
又、廃棄処理や重量の問題で、見かける事が減って来た一斗缶については、配送時の破損防止目的のパットや、梱包用テープなどを外装としました。
原材料に続き、資材についても内・外装、容器、などを特定し、製造直接費の構成要素を確定した事で、原価と仕入関係の考え方がまとめられました。
この段階でやっと、「製品を構成する物」と「製造や出荷に必要な物」の整理を付ける入口に辿り着き、製造工程と結び付ける作業を開始しました。
3.資材を利用して原価計算基準を作成
下の図は、販売形態の相違による、資材使用状況を簡単に表したものです。
これにより、3種資材それぞれの使用行程と種類を特定でき、更に、販売形態の違いにより、原価計算にも変化が生じる事が確認出来ました。
この段階でようやく、自身の中で原価計算に関する決まり事が一つ確定する事になりました、それは、
1.製造直接費=原材料(食品)+資材(内外装品+容器)
2.製造直接費仕訳科目=原料仕入+消耗品費
3.製造間接費=原料仕入と消耗品費以外の製造経費
という、基準でした。
ここからは、この基準に合わせて仕入品を仕分けして行く訳ですが、自分自身でも、これでは余りにも大雑把過ぎると、感じたのも事実でした。
しかし以外にも直接費に仕分される仕入品が多い為、逆に間接費の仕訳科目を増やし仕入品を細分化した方が理解し易いと、考えるようになりました。
この考え方が功を奏し、間接費の中から部門や製品を特定して入力可になり、結果として、部門PLや単品原価の詳細化が可能になりました。
※ 一例として、同一得意先・同製品であっても、営業所など発送先が別地域の場合、運賃の違いによる原価の差を、全て確認できていました。
資材の仕分が完了した時点で、直接費は一旦終了とし、製造間接費を分割する作業に移行する事にしました。
次回からは、製造間接費についての記事を投稿して行く予定です。
最後まで、読んで頂き、ありがとうございました。
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